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4話 称号貰ってみんなハッピーだなオイ!

儀式が終わり、俺達に勇者の称号が授けられた。

特に体に変化は感じ無いので実感は無いのだが、やはり嬉しいし興奮する。


周りを見ると他のみんなはもっと派手に喜んでいた。


王女様は、そんな俺達の興奮が冷めるまで待っていてくれ、落ち着いた頃に口を開いた。


「では、これより皆様の称号を確認いたします。『ステータスオープン』と言ってみて下さい」


おお!ラノベで見たことあるぞ。

やはり嬉しいような不安なような複雑な心境だ。

だって、ラノベだとこういう場面って、俺だけ『しょぼい』ステータスってパターンがかなりの確率で発生しているからだ。

これはラノベじゃない!

なんていくら考えても、不安は消えない。


周囲の奴等は既に


「ステータスオープン!」


一斉に唱え始めていた。


躊躇ったけど、やはり俺も好奇心には勝てず、ちょっと恥ずかしいので小さめに「ステータスオープン」

と唱えた。


すると目の前にまるでゲーム画面の様にパッとウインドウが現れた。

おお!出た。感動だよ、まさか俺がこの画面を見る事になるとは。

画面には色々と書いてあるので早速読んでみる。


名前は海月加架梨(うみつきかがり)、年齢16歳、もうすぐ17だけどね・・・文字は日本語じゃないのだが、何故かちゃんと読めた。

そういえば言葉だって普通に話せてるし、まあ、これも定番だよな。


「皆様、ステータスのウインドウが開きましたら、称号部分をご確認下さい。"勇者"と記されている筈です。それに付随した記号が格の高さを表しています。一番低いのはG勇者で、一番上はS勇者です。スキルや身体能力値はまだ結構ですので、称号だけを順番に私にお教え下さい」


おおそうだ、称号称号っと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?


「おお、俺はB勇者だ!」


「私はC勇者になってるわ」


「A勇者か。まあ当然だな!」


B勇者、C勇者、A勇者など、みんな次々と自分の称号を発表していった。


説明では確か一番下のランクがGって事だったよな?

ならみんな悪いランクじゃない。

いやむしろ良い方だよな。

俺はあらためて自分の称号を確認した・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んん??


ステータス発表会は続く。


「私は・・・え、S?」


「うおお!初瀬がSだってさ、さすが委員長!!」


「すげえ!委員長!!」


「片山さんもSみたいよ!」


「片クリも来たか!これって可愛さと比例してるんじゃね?」


「ありえる!」


「はあ?フザケンな男子!死ねば?」


「あうぅ」


激おこなのは、さっき「私はEだったんだけど・・・」って言ってた女子だ。

たしかにその理論なら彼女はブサ・・・いや、俺はそれなりに可愛いと思うけどさ。


でもこの女子、さっき俺にも「死ね」って言ってたからキライだけどね。


みんなの称号が出揃ってくるにつれ、王女様と龍王の顔が如実に別れた。驚愕と歓喜に。


「そんな・・・ここまで凄まじい召喚はかつて存在しません・・・奇跡ですわ」


「はっはっは!コリャ楽しみになって来たぜ!ヨダレが止まらねえな!」


王女様曰く、これまでの召喚ではSは1人出るか出ないか、Aだって1人か2人程度だったらしい。

しかし今回は、


「Sが9人にAが6人だと!!」


「豊作過ぎだろ!」


「てかうちの組凄くない?」


「まあ奇跡のクラスだからな」


奇跡のクラス。

我が2-Aはまさにそう呼ばれていた。

だって、2年生が3クラスある中で飛び抜けて可愛い4人がうちのクラスに全て集まってるんだから。


あとは3大アイドルに2大エロスってのも居たっけな?

とにかく、うちのクラスだけ異様に女子の可愛さレベルが高いのだ。


と言っても、俺は嫌われ者だから正直あまり関係ない。

あるとすれば、俺が好きな委員長も4大美人の一角だって事くらいか。

さすが委員長!話した事ないけど。


「奇跡のクラスは異世界でも奇跡だったな」


「ホントね。最低ランクがGって言ってたけどいなかったんじゃない?」


「いたらヤバイっしょ。GだよG。害虫じゃん」


害虫って言った後、みんなが一斉に俺を見た。


厳密には、大部分に釣られて思わずみてしまったっぽいのも何人か居た。

委員長とか片クリとか。


けどそういう奴らも含めるとほぼ全員が俺を見たのだ。


何?俺って嘘つき+ストーカー+恐喝犯に加えて害虫って事?


上等だよ!これまで散々酷い扱いを受けて来たからな。今更、害虫程度の悪口じゃ何も響かん。

殺虫スプレーも無駄だからな!


大体『嘘つき』ってのだって、小学生の頃の話だ。それが一人歩きして、今に通じるイジメの原因になっているのだが、そもそもクラスの奴等、何の嘘を指しているのか自体知らない筈だ。要するに、嘘の内容などどうでも良くて、単にイジメの口実ってだけなのだ。


ホント、どこが『奇跡のクラス』だよ?『鬼畜のクラス』の間違いじゃないか?


「さて、害虫の前に俺が最後を締めくくるとするか」


満を持して声をあげたのは六条優馬。

てか俺の前に六条が最後を締めくくるって、ハナから俺の出番無いじゃん!

あ、でも自分が害虫だって認めたわけじゃ無いよ?


「おお!遂に来たか、六条!」


「優馬の事だから俺たちの想像を超えてくるんじゃね?」


「じゃあ超勇者とか?六条君ならあり得るかも!」


超勇者?何それダッサ。

凄い名前のつもりだろうがかえってパチモン臭くなってるぞ。


でもみんなの期待の眼差しは本物だった。


それを一身に背負う六条。


背負ってなお余裕の態度なのは流石だ。


本当に自信満々なんだな。

俺には分からん境地だよ。


六条は、ゆっくり王女様に近づくと、王女様に顔を近づけ耳打ちした。

ビクッとした王女様、一瞬顔を真っ赤に恥じらいを見せた後、目ん玉が飛び出んばかりのビックリ顔を披露した。

美人が台無しだぞ。


「SSですって?!」


「ああ。そのSSというのは凄いって事?さっきの話には出ていなかったが」


「はい、凄いどころではありません!歴史上、召喚された勇者の最高はSです。SSはその上に位置します。神話で語られ、物語の中だけの架空の称号だと言われていました。まさか実在するとは・・・これは奇跡を超える奇跡です!」


「そうか、Sのさらに上だったのか」


さらっと事もなげに言う六条。

知ってたくせにとぼけちゃって、見え見えだよ。

自分が一番上だと思ったから満を持して言ったんだろ?この確信犯め!


「凄すぎるぜ!六条!!」


「やっぱ六条は次元が違うよな!!」


「好き!」


「4大美人よりも更に選ばれた存在じゃん!」


「こりゃもう俺たちって魔王討伐に必要ないんじゃね?」


「あり得るわそれ!」


「は?俺はAだぞ!完璧に六条をサポートして見せるって!」


「安心しろ。俺がみんなを元の世界へ帰してやる」


そんな決めゼリフと共に、六条は日本にいた時のあの爽やかな笑顔を見せた。


さっきまでは持ち前の笑顔も見せずどちらかというと厳しめの表情だったけど、自分の能力を知って緊張が緩んだのかな。


六条優馬か・・・・・

害虫扱いされたのはムカつくけど、王女様や龍王との交渉では主人公級の活躍をしてたし、コイツがこのまま主人公でいた方が波風は立たないと思うけどさ・・・・・さて、これはどうしたものかな?


残るは俺一人。


さて、発表するか。

ってあれ?みんな移動し始めたよ。

完全に忘れられてるのか、はたまた敢えて無視されてるのか?


まあこのまま発表せずに有耶無耶になるなら好都合かもしれない。

だって、俺の称号を聞いたらより一層の迫害が始まりかねないしさ。


もしかして王女様なら『同じ勇者だから仲良くしなさい!』って言って庇ってくれたりするのかもしれないけど。


まあ、ここは流れに任せようと思っていると、


「待って!海月君がまだ発表してないから」


委員長が待ったをかけた。

うん、さすが委員長。

彼女だけは俺にも平等だね。

でもここは流してくれた方が良かったかな。


「海月?そんな奴いたっけ?」


「さあ?ウソ月ならいるけど」


「委員長、そいつに優しくしたらストーカーされちゃうよ?」


「貴方達、ストーカー事件は今は関係ないでしょう?とにかく、彼の称号も聞きましょう!」


庇ってくれるのも素敵!

でも俺が犯人だとは思われちゃってるんだな。


「ストーカーというのが何かは存じ上げませんが、犯罪者と言えど、勇者様である事は変わりません。海月様、あなたの称号もお教えください」


あれ?

俺ってば王女様から犯罪者だと思われてる?

単に虐められてるだけなんだけど・・・王女様は間に受けちゃったのね。

はぁ〜、なんかもうどうにでもなれって感じだよ。


俺は最後尾にいたが、トボトボと前に進みでる。そして王女様の前に立って、「ステータスオープン」

と唱えウインドウを見せた。


俺の称号を見た王女様は


「・・・・・・・・・・」


え?何か言ってよ!


「・・・・・・・・・・」


王女様を見ると、目が点になっていた。あと、鼻水が垂れていた。

あんた、超美人顔なのに以外と顔芸得意なのね。

六条の時は目ん玉飛び出かけてたし。


王女様の様子にみんなも違和感を覚えたらしく


「王女様、どうされたんですか?」


「そいつの称号は、何だったんだよ?!」


「どうせ『巻き込まれた異世界人』とかだろ?」


「いや、Gだろ?」


「もうGを超えてHとか?」


「ストーカーだしHはピッタリじゃね?」


「言えてるー」


「あははははは!!!」


冗談か本気か分からない事を言い合って笑っているクラスメイト。


龍王が近づいてきて俺のウインドウを覗いた。


「こりゃ凄え!!SSSだってよ!!」

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