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23話 ホリーてば知りたがり過ぎだ、オイ!

アールが出した銀一色の剣。

それが聖剣ではないかと疑うホリーを何とか納得させないといけない。


・・・めんどくせー!


どう答えたものか?


アールの事をバラすのはNGだしな。

まあ話した所でホリーにはちんぷんかんぷんだろうし問題無いと思うんだけどなあ?

しかしそこから更なる質問責めに合う可能性はあるか。


正直、俺自身この剣の仕組みすらサッパリだからいくら質問されても何の説明もできないんだよなあ。


やはりここは平凡な理由をでっち上げるしかない。

となるとやはりアレになるよな。


ホリーが勢い込んで聞いてくる。


「カガリ殿!是非教えて下さい!女神様まで降臨させ剣に宿らせるなど、聖剣でも伝説の剣でも無いなら一体どうしてその様な奇跡を起こせたのですか?」


「うーん、魔法?」


「魔法??ではあの女神は?」


「演出?」


「演出とは?」


「魔法をド派手に見せるための演出。あの女神はぶっちゃけるとニセモノだ」


「・・・そ、そのような魔法は生まれてこのかた聞いた事がありません・・・よほど特殊な魔法という事ですね?・・・ならばそれを使えるカガリ殿は一体何者なのですか?!」


俺が何者か?

どう答えたものか・・・

質問され過ぎて設定が追いつかん!


ここは素直に、


「俺?単なる一般人でーす。」


って言っちゃうか?


別に嘘はついていない。

今は勇者でもないんだしさ。

称号は破損しちゃってるし、むしろ一般人よりも弱いくらいだ。


鉱山労働者と話した時に教えてもらったんだけど、この世界の人はみんな何かしらの称号を持っているらしい。


例えそれが村人でも、ステータスに能力が上乗せされるらしいのだ。


て事は今の俺は何の上乗せもされないって訳で・・・


・・・なあアール、俺の称号って修理出来ないか?


≪SSS勇者ってやつ?無理じゃない?

だってクソ龍王のヤツ、あの時、力を貰うって言ってたじゃない?多分、あなたの体に宿っていた何かを奪われてしまったんだと思うわよ≫


・・・やっぱそうだよな?あのクソ龍王め!けどさ、奪われたのなら奪い返せば良いんじゃないか?


≪正直、称号なんてどうでもいいけど、奪われっぱなしってのは我慢ならないわね。ここを出たら取り返しに行きましょう!ついでにクソ龍王は八つ裂きの刑ね!≫


・・・いや裂かないから。でも何かしらの復讐はしたいな!

まあSSS勇者はその時取り返すとして、今は仮の称号を何とか出来ないか?何でも良いからさ、英雄でもヒーローでも大賢者でも剣聖でも聖騎士でも聖人でも超戦士でもいいから!


≪何でも良いって割にはめちゃくちゃ選り好みしてるわね。でも、今は時間も無いし無理ね。下手に弄ってより複雑に壊しちゃったらマズイからね。でも時間をかけて仕組みを解析すれば何とかなるとは思うわよ?≫


・・・マジで?!


≪ええ。これと似たような体内システムを持つ異星人と接触した事もあるし≫


・・・それは朗報だな。


さて、ここを出てからの目標が1つ加わったし、サクッと脱出するか?


その前に、俺が何者か?だよな。


・・・やっぱり、ただの『一般人』で誤魔化そうかな。


≪それじゃ誤魔化せないでしょ?更に追求されて、我々の事までバラさないでよ?例え異世界でも我々の事は隠さないといけないんだから!≫


・・・そう言うけどさ、そんなに頑なに隠して意味あるの?

そもそも地球でだって、うっかりUFO映像とか撮影されちゃったりしてるじゃん!

動画サイトの『ドーガダッチューブ』

に数えきれないくらいアップされてるよ?

それに宇宙人の存在を信じてる人って結構いると思うしさ。

ぜんぜん隠せてないよね?


≪そ、そんな事無いわよ!殆どのUFO映像はフェイクなんだから!≫


・・・殆どって事は本物もあるんだよね?


≪うっ!それは・・・≫


・・・そこん所どうなの?

あの有名な『ロズウェル事件』とか、うっかりどころじゃない大失態だと思うよ?


『ロズウェル事件は我々が起こしたんじゃないわよ!80光年レベルの下等な奴等がやらかした事件なんだからね!』


・・・出たな、新たな宇宙人!

今までアールと話してて80光年レベルとか120光年レベルとか、はたまた1億5千万光年レベルとか色んな宇宙人が出てきたけどさ、一体、地球に宇宙人って何種類来てるんだよ?!


≪残念だけど他の宇宙人の事を無闇に話せないのよ。それぞれのお国事情もあるし・・・≫


・・・でも80とか120とか1.5億の奴等の事は話してたよね?


≪そいつらは話しても支障無い奴等だから良いのよ。それと『光年』を端折らないの!意味が分からなくなるから!≫


「・・・おほんっ!カガリ殿!!」


「はっ!」


「どうされたのです?またもや心ここに在らずでしたが?」


「いや何でもない何でもない!」


・・・ダメだ、またやっちまったよ。


「はぁ〜。言いたくないのなら深くは聞きません。誰しも秘密はあるものですし」


「あ、ああ!そうなんだ。悪いが深くは詮索しないでもらえると助かる」


・・・やった!なんとか追求を諦めてくれたよ。助かった!


≪そうね、助かったわよね。それにしてもカガリって良い事言うわね。だからカガリも我々の事は深く詮索しないように!≫


・・・お前、俺の言葉に便乗しやがったな!!

でもまあ仕方ないか、確かに今はロズウェル事件の真相なんて聞いてる場合じゃないしな。


俺はホリーに『名無しの剣』を差し出した。


「ホリー、これを使ってくれ」


「この剣を、私に?」


「ああ。さっき、剣があればもっと戦えるって言ってただろ?」


「しかし、これはカガリ殿の聖剣では?・・・」


「だから聖剣じゃないの!それに俺は魔法使いだよ?その剣は元々ホリーの為に魔法で創り出したんだから」


「私の為に!・・・魔法で!!・・・このようなとんでもない剣を!!!・・・ありがたく使わせて頂きます!!!!」


どうやらめちゃめちゃ感動したようだ。

キラッキラの瞳を更に輝かせ、恋する乙女の様な顔で剣に見入っている。


そこは俺に見入って欲しかった。


なんて冗談はさておき、やっぱりホリーだって女の子だったんだな。

そんな乙女の顔ができるなんて。


「カガリ殿、礼を言います!これで思い切り鉱帝をぶっ殺せます!」


「乙女の顔してバトルジャンキーかい!」


「乙女?バトルジャン?何の事ですか?」


・・・いかん、思わず声に出してしまったよ。


「いやいやこっちの話だ。それより早く剣を受け取ってくれ」


剣を受け取ったホリーが驚く。


「これは、なんという軽さ!!」


・・・え?軽かったか?結構ズッシリしてたけど?


≪かなり軽いわよ。あなたの筋力が無さすぎるのよ≫


・・・しゃーねーだろ現代っ子だぞ!


「これは、見たことのない素材ですね。もしかしてミスリル以上の等級?それなら知らなくて当然ですが・・・カガリ殿一体これは?」


・・・これってミスリル以上の等級の素材なの?


≪知らないわよ!そもそもミスリルなんてファンタジー限定素材なんだから≫


・・・じゃあこの剣の素材って何なの?


『それはこの鉱山の鉄を分解して第12次超高負荷錬成の上でナノマシン化を施した剣よ』


・・・へーそーなんだ。

って説明できるかっ!


はあ〜。しょうがない、適当に設定するか。


「それは・・・ヒヒイロカネだ」


「ヒヒイロカネ?!あの伝説の?」


「ああ、そのヒヒイロカネだ」


やっぱりあったかヒヒイロカネ!


本当にファンタジーそのままだな。

まあ伝説の素材って事なら本物を見る機会も無いだろうしバレないよな。


「ヒヒイロカネとは、確か燃えるような赤い色と聞いた事がありますが・・・」


「だ、だよねー間違えた!ヒヒイロカネな訳ないよねこれ赤くないし、銀色だし。そ、そうだ。これはギンイロカネだった」


「ギンイロカネ?聞いた事ありませんが・・・」


・・・だろうね今咄嗟に言っただけだし。けどもうこれで押し通そう。疲れた。


「まあ、聞いた事が無いのは仕方ない。ギンイロカネは俺が魔法で作り出したオリジナルの金属なんだよ」


「魔法で新たな金属を?そんな事が可能なのですか?!」


「ああ。得意分野だ」


・・・なんてね。


「そんな事があり得るとは・・・具体的にはどうやって?」


・・・それ聞いちゃう?!もう何でも良いや!


「第12次爆走フッカフカ練炭の上でナノマシン化を施した金属だ」


≪・・・全然合ってないんだけど?≫


・・・悪い、面倒になってつい。


「第12次・・・爆走・・・フッカフカ・・・ナノマ・・・何の事だかサッパリです」


・・・だろうね俺もサッパリだよ。




≪そろそろおしゃべりは終わりよ。来るわ!≫


「カガリ殿、奴が来ます!」


・・・良いところに来てくれた!

色々破綻しそうでヤバかったし。


それにしても、まるで待っててくれたようなタイミングで来たな。


『空気が読める敵』


ああ、アニメでよく見るわ。





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