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122話 俺の過去話を話そうか、おい

俺がイジメられるようになったキッカケ。

実は、アールが発端だったんだよな。


俺はミラに日本での事を話した。

まあ、アールに関する事は誤魔化しつつだけどさ。



小学生の頃、俺はUFOに攫われた。

あの頃の俺は知る由も無かったが、実はアールの指示で行われたらしい。


そして脳内チップを埋められた訳だが、アールが雇った宇宙人の仕事が雑で、目撃者は出すわ、俺の記憶も消さないわでアールも呆れ果てたそうだ。


因みにその星人は出禁になって、もう地球にはいないらしい。


俺が攫われた時、実は幼馴染の女の子と2人で遊んでいた。

そして、彼女が、俺がUFOに攫われたのを見た唯一の目撃者になったのだ。


俺は手術された後、無事帰されたのだが、あまりに突飛な出来事だったので、信じて貰えないだろうと、誰にも言うつもりは無かった。


俺が戻ると、既に警察が捜索を始めていた。

目撃した女の子が自分の親に伝え、彼らが俺を引き取った親戚に、そして親戚が警察に、そして警察が動き出し、俺の行方不明は近所中に知れ渡る大ごとになってしまったのだ。


俺は警察や親戚に、山に遊びに行って迷ったと嘘を告げた。


が、彼女は自分の親に、俺がUFOに攫われた事をそのまま告げてしまっていたのだ。

彼女の親は、流石に警察にその話はしなかったらしい。


そりゃそうだろ?

大真面目にそんな話をしたら、警察に『からかうな!』と怒られるだろうしな。


なので、宇宙人話はそこで終わったと思っていた。


しかし・・・


俺は戻ってから体調不良で一週間学校を休んだが、次に登校した時、まさかの事態になっていた。


幼馴染が『嘘つき』としてイジメられていたのだ。


彼女は、学校の友達に真実を話してしまったらしい。

親は口止めさせなかったのかよ?!


確かにUFOに攫われたなんて明らかに嘘っぽいし、大真面目に『本当だ』とか『私は見た』とか言っても、誰も信じては貰えないだろう。

いくら小学生と言えどもな・・・


そして彼女はこの1週間でイジメの対象になってしまっていたのだ。


しかも俺ってば、そんな事とは知らずに、クラスメイトに聞かれた時『森で迷った』と言ってしまったのだ。


そこから更に、


『やっぱり秋越は嘘付いてたんじゃん!』


と、なってしまったのだ。


俺は罪悪感を感じたし、仲の良いその子を守ってあげたいと思った。


今になって思うと、幼いながら、俺はその子の事が好きだったのかもしれないな。


俺は彼女を庇って自分が『嘘つき』の称号を引き受ける事にしたのだ。


俺はみんなに、


「そうだよ!俺は宇宙人に攫われたんだ!すげえだろ!木星も間近で見たぜ!」


などと、敢えておちゃらけた感じで言った。


実際には手術室の様なところしか見ていないけどさ。

そして、


「俺が秋越に『俺ってばUFOに攫われたんだぜ!』って言ったんだよ。本当の事だし文句あるか?」


俺は堂々とみんなに言ってやったのだ。


すると周りは『秋越さんは、海月に騙された被害者だった』という認識に変わり、彼女はイジメられなくなった。


その代わりに俺が『ウソ月語り』としてイジメられるようになる。


彼女はイジメられた恐怖から『目撃した』という発言を口にしなくなった。誰かに聞かれても無言を通す様になったのだ。

そして、イジメられている俺を見て見ぬ振りした。

まあ、小学生のイジメだから、せいぜい囃し立てられたり、靴を隠されたり、無視されたりするくらいのものだったけどさ。


だが、俺としては、彼女と距離が出来るのは覚悟の上で庇ったから、それで別にかまわないと思っていた。


秋越とは中学も一緒だったが、一度もクラスが被らなかった。

そうして二人には自然と距離が出来たのだった。


まあ、ご近所さんだし、俺がよく行くカードショップに秋越もよくウロウロしていたり、帰宅部の俺が形だけ入っていた歴史探求部にアイツも所属してきたり、俺が良く1人で昼寝していた川の堤防付近をアイツも良く散歩していたり、まあ、幼馴染だけあって、趣味は似ているのかもしれないな。

でも、結局、話はしなかったんだよな・・・


長くなったが、これが俺がイジメられるようになったキッカケだ。


小学生の頃のイジメは今考えると大した事無かったが、中学になるとそれはエスカレートして行った。

俺はそれが辛くて、高校には俺の事を誰も知らない場所を選ぼうと、かなり離れた学校を選んだのだ。


しかし、登校してみると、なぜか秋越がいた。


偶然なのか?意味が分からなかった。


しかし、もはや話さなくなっていたので、理由を聞く事は無かった。


まあ・・・秋越だけなら良かった。


しかし、秋越目当ての男子が大量にくっ付いて入学して来やがったのだ。


実は秋越は、中学に入るとグングン大人びて来て、評判になるくらいの超絶美少女になっていたのだ。


そして秋越に惚れている奴らが、か細いチャンスに縋り付いて彼女と同じ学校の受験を受けたのだった。


奴らは当然、俺の過去を知っている。


そうして、俺の『ウソ月語り』は高校でも引き継がれる事になってしまったのだった。


そういえば、勇者召喚で秋越もこっちの世界に来てたんだよな。


アイツは接点が無くなっただけで、俺をイジメてた訳じゃない。

まあアイツに関しては、そもそも俺の方から距離を取った訳だから、別に恨みは無いんだよな。

中学の時はずっとクラスが違ったし、アールから聞いた話だと高校でもクラスは違っていたらしいし。

中学に続き、俺が形だけ所属していた囲碁将棋部に秋越も入ってたらしいけど、一度も出た事無かったから知らなかったよ。


そう言えば俺の称号を奪う多数決でも手を上げていなかったな。

しかも、以前、記憶映像を見たときに気付いたのだが、多多の仲間が手を上げさせようと何やら耳打ちしていたにも関わらず、上げなかったのだ。


幼馴染のよしみで上げなかったのかな?


秋越は今頃どうしてるんだろう?


俺がミラにイジメエピソードを話し終え(当然、アールやUFOの事は誤魔化しつつだ)、漠然とそんな事に思いを馳せていると・・・


ガシッ!


俺はミラに思いきり抱きしめられた。


「カガリ様!まさかそこまでのお辛い過去がお有りとは・・・これからは私が・・・いえ、私と姉さんが2人がかりで思い切り癒して差し上げますからね!それに、アール様にミミ様、ホリー様に滝座瀬様に三津島様、メイド軍団だっています。カガリ様はただ私達にお甘えくだされば良いのですよ?」


「あ、ありがとう・・・なら・・・」


しっかりと俺を抱きしめるミラ、当然、2つの『むんにゅり』したものが、文字通りむんにゅりと俺の胸の辺りに押し付けられていた。


俺は、手に残ったあの『むんにゅり』の感触が忘れられず・・・


早速、ミラに・・・大いに甘えさせて貰ったのだった。



ミラに甘えまくった後、俺は『スカイムーン』に搭載している戦闘機に乗って1人でブルーネルを迎えに、ピンラルの街まで行った。


さすがは戦闘機、めちゃくちゃ速くてあっという間に着いたよ。


街の冒険者ギルドが彼女との待ち合わせ場所だ。


予定だともうとっくに依頼は終わっている筈だけど・・・


ブルーネルは、まだ戻っていなかった。

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