「浦島太郎」のプロローグ
昔々、海の底に竜宮城という海の神様達が住むお城がありました。
海の神様ワダツミは娘の乙姫に言いました。
「乙姫や、まだ人間を捕まえておらんのか。
人間の生気を奪わなければ我等は若い姿のままではおられん、お前も既に生まれて数十年経つ、いい加減に捕まえてくるのだ。」
人間は海を汚す悪いものと教えられてきた
乙姫でしたが、どうしても人間の生気を奪ってまで生きたいとは思えませんでした。
しかし父の命令に背けば誰であろうと竜宮城から追放されると乙姫は知っていました。
乙姫は悩み続けましたが自分では決める事ができず仲の良い亀に相談しました。
亀は乙姫がそんな事はできない優しい子だと知っているのでこう言いました。
「私が乙姫のかわりに人間を連れてくるよ」
そうして亀は地上を目指して泳いでいくのでした。
暫くして砂浜に着いた亀は辺りを見渡し、誰かいないか探していると近くに子供達を見つけました。
ゆっくり近付き一人の子供の足を噛もうとすると別の子供に見つかってしまいました。
「亀だ!今噛もうとしてたぞ!やっつけろ!」
こうして亀は棒で叩かれてしまうのでした。
---ここから本編