「桃太郎」のエピローグ
---ここまで本編
涙を流しながら向かってくる最後の2本鬼を桃太郎は斬り倒しました。これで安心して暮らせると桃太郎は喜びました。
他に鬼がいないか島内を捜索していると数人の子供達がいました。
桃太郎は鬼に攫われた可哀想な子達なのだと思い、本渡に一緒に連れて帰りました。
「我こそは桃太郎!鬼を全滅させた日本一強い男だ!」
そう声高々に言い、日本一と書かれた旗を掲げながら家に帰りました。
おじいさんもおばあさんも大喜びでその晩にはたくさんのご馳走食べました。
次の日、頭痛で普段より早く起きてしまった桃太郎は起きていたおばあさんにおはようと挨拶すると、おばあさんは驚きながら言いました。
「桃太郎、その2本のツノはどうしたの?」
--桃太郎は全てを理解し泣きました。
なぜ自分の成長が早いのか。
本当の生まれ故郷を誰が滅ぼしたか。
成長で出てきた自分のツノを触りながら
何も知らず屈託なく遊ぶ鬼の子供達を
桃太郎は「無邪鬼」だなと思いました。
その時、桃太郎ははっとしました。
何故見た目や能力差で争い事が起きてしまうのだろうか。
それはきっと、自分と「違う」と思って名前を付けてしまうからなのではないだろうか。
今までの自分の行動を悔やみ、子供達の為に何かできる事がないのかを必死に考えました。そして桃太郎は叫んだのでした。
「私達は同じです!同じ人間なんです!」
桃太郎の声は次第に全ての人に届き、「鬼」という言葉はなくなり、いじめや争いのない平和な世界になりましたとさ。
めでたしめでたし。