6話新しい友達
1部の2章目です。春うららな、この時期に不穏な影が
2XXX年4月8日岡田真人、岡田雅人、山下美加、望月藤子は猫魔月中に入学する事になっている。中学になると猫魔月小の子が新たに増えるのでどんな人が来るのかドキドキして前日なかなか寝付けない。もう部屋にはハンガーで吊されたブレザーにネクタイの新しい制服があり、わくわく気分でいたがやっと眠りについた。気が付くと外にいてススキが周に生えており季節は秋のようだ。其処に金眼金髪の長い髪を一つに束ね着物の下に袴をはいており神社で見る男性の巫女衣装を着た美青年が立っていた。
「やあ。初めまして君を待ってたんだ。」そう言って青年は真人の手を掴みススキの中に入っていった青年は楽しそうに走っている。真人も楽しい気分だった。遠くの方に家の光がぽつぽつ見える。今は夜で月が光って見える。
「君好きな子がいるかい。」青年はそう言うと真人はレッドの姿を思い浮かべた。
「いるようだな。」そう言って青年はくすくす笑った。真人は真っ赤になって笑わないでよと言った。
「どんな状況になっても好きな子は守れ。」青年はそう言って勾玉を渡した。黄色の勾玉だ。それを受け取ったとき青年は勾玉についての説明をした。どうやら勾玉を持った人が何人がおりその人達を探すこととこの勾玉は普通の人には見えないらしい。
「肌身離さず持っていなさい。」青年はそう言った。
「分かりましたけど、どちら様ですか。」真人は気になったので尋ねた。すると意外な答えが返ってきた。
「通りすがりのお節介焼きさ。」青年は答えたが何処をどう見ても通りすがりとは真人は思えなかった。
「ちゃんと仲間を捜せよ。」青年は言うと目が覚めた。なんだ夢かと思ったとき手には夢で貰った勾玉を持っていた。ただの夢じゃないなと彼は思いている。二度寝をした。どうやら赤ん坊を友子に託したようだ。フィルダがこの村を襲って赤ん坊を徹底的に殺し回っているので安全な場所へ避難させてくれという内容を話している。
「お願いします。」流ちょうな日本語で外人夫婦は話している。
「分かりました。」そう言って友子と赤ん坊はトンネルの中にはいると夫婦と見られる二人は泣きくずれた。真人は目を覚まし変な夢だったなと思いながら夢で貰った勾玉を付けた。時計を見て驚いた。今日美加と雅人、藤子の三人と一緒に中学校に行く約束をしていたが予定より15分遅れていた。まずい遅刻だと思い慌てて支度をした。
美加と雅人は既に待ち合わせ場所に来ていた。少ししてから藤子も来た。
「あれ。マー君未だなの。」美加はそう言うと未だ寝ているっておばさんが言ってたと藤子は答えた。さらに2分後真人は制服を着て待ち合わせ場所に来た。
「ごめん。遅くなった。」真人は三人に謝り急いで中学校に行った。クラス分けの発表がされていた。
「3組だ。」真人は自分の名前を見つけ喋った。美加、雅人、藤子も同じクラスで喜んでいたが真人は誰かとぶつかった。
「ごめんなさい。」真人は謝った。こちらこそと少年は答えて彼の小学生時代の友人と共にいなくなった。後で知るのだが同じクラスの子だった。マサヒトは真人が少年とぶつかったとき真人の力が少し何かを吸収した事に気付き何を吸ったんだと思いながら心の中のシアターから見ている。その日真人はツイていた。おやつが大好きな苺大福だったりカードゲームであまり勝てなかったのがババ抜きでいつも藤子に負けていたが今回は勝っていたりしていた。もしかしてあのとき吸ってたのはとマサヒトは嫌な予感がしていた。夕方になり朝に真人とぶつかった少年の速見圭一は高校生に、カツアゲされていた。いつもなら危険なときにこの道は止めようかなとか思うのだが今回に限ってそれはなかった。高校生にボコボコに殴られていた。圭一は財布を取られて高校生は財布の中身を確かめている。
「けっ。しけているな。千円しかない。」そう言って高校生は千円を取った。その時獣のうなり声が周りからしてきたので不良達は一目散に逃げていった。圭一は動こうとしたが体中いたくて起きあがれない。まずいと本能的に危険を察知したがどうする事も出来ない。
「あれ。カツアゲでもされたのかな。」そう言ったのは体がライオン顔は蛙の魔物だった。
「おいしそう。頂きまーす。」魔物がそう言うと圭一は目を瞑ったが何処もいたくない。目を開けると赤眼赤髪の美少女レッドが剣を構えており魔物の舌が切れていた。もだえ苦しむ魔物。その間にレッドは圭一の怪我を赤い光でなおしていた。費えに制服も綺麗になった。
「今の内に逃げろ。」レッドの言葉に圭一は鞄を持ち急いで逃げていった。
「さて。最近失踪事件が続いていたのだが犯人はお前か。」そう彼女が尋ねると魔物は怖くて正直に喋ったが舌がないので上手く喋れない。
「はひ。そうでふ。すひまへんでひた。」魔物はそう言ったのでレッドは転送装置を付けて罪状を書いた紙を魔物の頭に付けてモンスターバスター本部に転送された。
「せっかく綺麗な桜が咲いているのに最近ちゃんと見ている魔物や人は少ないな。」レッドは呟いた桜が3輪咲いていた。
マサヒトは真人が寝ている間体を借りて金眼金髪の美少年になり、目覚まし時計や部屋の時計の針を進めた。彼のちょっとした悪戯だ。最近真人に自分の存在に気付いて貰ったせいか色々したくてうずうずしている。真人はマサヒトが当初カッコイイメシアだと思っていたが蓋を開けると悪戯はするわ真人と喧嘩してプロレスはするわでやんちゃな人だった。ちなみにシアター内では力が発揮されず、ほぼ互角の力を持っている。今のところ真人2勝1敗。マサヒト1勝2敗。プロレスでは真人の方が強かった。シアター内では大きな剣も使えないので仕返しに悪戯をしている。
「よし。寝よ。」そうマサヒトが言ったとたん、姿が真人になった。翌日真人はマサヒトが進めた時計を見て大あわてで着替えパンをかぶりつきながら走って外に行ってしまった。
「あら。未だ6時じゃない。何で急いでいるのかしら。」真人の母、友子はそう言い始めた。未だ真人の父、秀信も居る。
「さあ。友達と一緒に行くんじゃないか。」秀信はそう言った。真人はいつもより早く家を出たと気が付いたのは学校の時計を見てからだった。
「マサヒト。お前時計を進めたな」真人はむすっとした顔で言い出した。後でお仕置しておかないと。彼は思った。教室にはいると圭一がもう既に自分の椅子に座っていた。あっ。昨日の少年だと真人は思い話しかけた。話している内に馬が合い仲良しになった。7時半になると。ぞろぞろと中学生が登校してきた。美加、雅人、藤子もやって来た。
「どうしたのマー君。今日6時に急いで学校に行ったっておばさんから聞いたけど。」美加はそう言うとマサヒトが時計を悪戯をして時間を早めたとは言えず真人は時計が狂ったと話している。
「昨日は遅刻。今日は早く行くなんて時計を新しく電波時計に変えたらあれは時間が狂わないから。」美加はそう言った。そうだな。その方がマサヒトも悪戯できないだろうしと真人は思った。
「じゃ。帰ったら買いに行くよ。」真人はそう答えた。圭一はその後雅人と仲良くなり美加と藤子ともはなしがあいその日から一緒に帰る事になった。
「へえ。君たち小学校一緒なんだ。」圭一は真人達の話を聞いてそう言った。
「雅人と美加は幼馴染みで藤子は去年の夏に仲良くなったんだ。」真人はそう話した。
「速見君は猫魔月小。」美加はそう言うと速見君は止めてよと言い始めた。
「圭一って呼んでくれよ。」そう圭一が言ったので速見ではなく圭一と呼ぶ事にした。新しい友達が出来て真人は嬉しかった。マサヒトはその間無口だった。今喋るわけにはいかなかったからだ。オレも混ざりたいと密かにマサヒトは思った。
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秀信とフレンチは死体が見つかったという通報を受けて現場にやってきた。死体は小さな二つの穴があいている以外外傷はない。死体は血の気が無く青白くなっている。後で判明するのだが血が全くなかった。まるで吸血鬼に襲われたかのような状態だった。
「外傷はこれだけか。」秀信はそう呟いた。ここのところ三件ほど同じ状態の死体が見つかっており同一犯の犯行だと思われる。
「そのようですね。」フレンチは秀信にそう言った。男性ばかり殺されているのでカミーラタイプの吸血鬼だろうかとフレンチは思っている。カミーラタイプとは女性の吸血鬼の事である。幸い被害者が吸血鬼になる前に解剖されているため生き返る事はなかったためホーリーティアを使わずに済んだ。普通の銃弾では魔物は倒せないため注意しなければならない。秀信は血を抜いた器械などが落ちていないか、くまなく調べている。彼は人間の仕業だと思っている。その頃、ゴスロリを来た青眼金髪の美少女は異様な姿にもかかわらず人目を引いてなかった。その時圭一が彼女の横を横切った。その近くに彼の家がある。彼女は圭一の方に向いている。圭一は彼女の視線には気が付かなかった。少女はしばらくした後彼と同じ方向へ行ったが途中で違う道に入っていった。其処はマネキン工場だった。
「凄く魔力が強いわね。」少女はそう呟きその中に吸い込まれるかのように入っていった。真人は家に戻り藤子と優太と共にババ抜きをしている。真人は2位という結果になった。
「最近勝負運が強くなったね。」藤子はそう言うとそう言えば最近1位か2位で抜ける事が多くなったなと真人は思い始めた。
「そう言えばそうだな。」マサヒトも藤子に聞こえないように喋った。圭一は人並外れた強運の持ち主なのでもう運が戻っているだろうとマサヒトは思った。圭一は昨日の事がウソのように運が戻ってきた。臨時にお小遣いを貰い盗られた以上の金額が入ってきた。昨日は調子が悪かっただけか圭一はほっとしている。たまにそういう日があるのでその時は気にしてなかった。ゴスロリの少女は男の首筋をかみつき血を吸っている。男はだんだんミイラ化して倒れた。
「ちょっと吸い過ぎちゃった。」少女はそう言って男の死体を人目のつかない場所へ置いた。くすくす笑いながら少女は真っ暗になった工場の中へ消えていった。
日本人離れをした顔立ちの長身美青年がファーストフード店にいた。彼はレッドの相棒である。今レッドがそのファーストフード店に入ってきた。
「未だ食事中か。黒翼。」レッドは彼のハンバーガーセットを見てそう言った。普段彼は雅人の家庭教師をやっている。家も近くにあり雅人を警護している。
「なかなか店員さんが動いてくれなくてな。」黒翼はそうため息をついた。女性に店員が対応してくれたが、ぼーっと彼を見て作業してくれなかった。見かねた男性店員が半分妬みの顔をしながら渡してくれた。
「食事が終わったら今度の打ち合わせをするぞ。」レッドはそう言って椅子に座った。今メシア警護はこの二人で行っており冬子の時も雅人の警護をしていたが目を離した隙に冬子に雅人の襲撃を許してしまうなどなかなか出番がなかった。
「しかし。真人の方がメシアだったとは。意外だった。」黒翼はそう言いながらハンバーガーを頬張った。赤眼赤髪の美少女レッドは目立つはずだが皆普通の態度だ。恐らくカップルに見えるだろうが黒翼は仕事のパートナーで恋愛感情はお互い持っていない。彼は彼女のアニキとしてみているが血は繋がってない。彼女は彼より年下だ。
「もう一人人格があったのはあいつ自身も驚いてたよ。」レッドはそう言っていったん席を離れシェイクをオーダーし持ってきた。
「二重人格か。ややこしいな。」黒翼はそう言ってコーヒーを飲んだ。ブラックコーヒーであったが美味しそうに飲んでいる。レッドもシェイクを飲んでから話し始めた。
「雅人はどうだ。未だフィルダから狙われる可能性があるが。」そう言うと黒翼も頷いた。
「今のところ異常は無い。」危険は去ったわけではないむしろ始まったばかりだ。マサヒトが彼らの狙っているオカダマサヒトだとばれるか分からないのだ。真人も危険が及ぶ事もあるだろう。そして周りの人間にも影響があるだろう。それを阻止するためにも打ち合わせをしている。
「しかし大丈夫か。前の雪女はなくなったから正体がばれずに済んだが何時ひょっこりばれてもおかしくはないんだぞ。」そう黒翼は忠告をしている。特殊なケースなので早々ばれないと思うが油断は出来ない。レッドは心の中でそう思っている。おまけのその時鳳凰の力を使っているためそれを狙う奴も出てくるだろう。
「分かっている。」レッドはそう言ってシェイクを飲んでいる。念のため防音の魔法を掛けているため周りの人がそれぞれ話をしていたり黙々食べていたりして日常を送っている。その中に深く帽子を被っている少年がおりレッドを見ている。内容は聞き取れないが口パクをしているのが見えている。レッドと黒翼はそれに気付いていない。しばらくしてレッドはゴミ箱の方に移動し黒翼も立ち上がりハンバーガーの包み紙などが置いてあるトレーを持ち移動した。少年は二人が居なくなった後も食事をしている。桜が満開に近くなっているのが見える。レッドは夜道を歩くとパトカーのサイレンが鳴っている事に気が付いた。近くで事件が起こったようだ。最近頻繁にパトカーがサイレンを鳴らしている。魔物の犯行か人間の犯行かいずれにしても猟奇殺人が多く警察も頭を抱えている状態だ。そう言えば最近吸血鬼みたいな犯行の事件が起きているとフレンチが言ってたなとレッドは思い出した。真人を捜しているんじゃないか。あるいは鳳凰の力を目当てに・・・。まさかと彼女は思った。あれから2ヶ月経っていると思い直し真人を捜しているのかなと思った。その時はまさか鳳凰の力目当てにしているとは思わなかった。パトカーにはフレンチが乗っており今車から降りて現場へ向かっていった。
レッドの相棒登場です。