二十九話 意外な犯人
爆弾魔の正体とは…。
レクター警部はレッドに言い始めた。
「レッド。やっとこっちも一段落した。」レクターはスマホに耳を近づけた。レッドもスマホに耳を近づけた。
「こっちも戦闘があって今一段落してた所です。」レッドがそう言ったのでそっちも遇ったのかとレクターはレッドに言った。レクター警部は改めて設計図を開いてみた。レッドも爆弾の残り時間を見た。後10秒だ。レッドは急いでとレクターに頼んだ。
「レッド。緑を切れ。」レクターは一言言った。レッドは急いでペンチで切ろうとしたが銅線が中々切れない。やばい。爆発するとレッドが死を覚悟したときマサヒトの手がレッドの手に置かれた。カチッと銅線が切れて後1秒のところで止まった。
「止まった。」レッドの一言が周りに止まったことが伝わり皆安堵した。フレイヤとアレクは抱き合い生きている事を感謝をした。レッドは力なくヘナヘナと座り込んだ。
「終わりましたね。」ソラはそう言った。彼もハラハラしていた。一時は死も考えたが其の心配もなくなりホッとしている。最後の爆弾が止まった事を警察本部で警部は伝えた。刑事や警察官は安堵した。
「後はホシを探すだけですね。」刑事はレクター警部も頷いた。
「奴は爆弾の知識が有る。極めて危険人物だ。」レクター警部はそう言うと皆ざわついた。もしかしたら他にも自宅などに隠し持っている可能性がある事を伝えた。
「気を抜くな。」レクター警部は部下達を一喝した。部下達は一斉に声を上げて返事をした。其の後の警察はフル稼働で犯人を絞り上げている。彼らは聞き込みを始めた。刑事の一人が近くのホームセンターで聞き込みをしている。店員は不審な男が銅線やデジタルパネル等を買って行った事を覚えていた。
「ええ。確か若い男でした。」店員はそう答えた。男の特徴は黒髪に目は茶色で鼻筋が通っている。比較的大人しい感じの人だったと店員は答えた。刑事は手帳にメモをしている。
「他に覚えている事は。」刑事は店員に質問した。えーっとと店員はあることを思い出した。
「其の時は赤と黒のチェックのシャツを着ていました。確か今日は非番とか言ってました。」店員が言っていたので刑事は其の事もメモをしている。
「後、中肉中背で一人で来店されていたようです。」店員は更に言った。その日赤いチェックを着ていて仕事が非番の人を探した。刑事はその事もメモした。店員に似顔絵を書いて貰ったが店員は絵が下手で顔が分からない状態だった。刑事も思わず苦笑いしそうになった程だ。
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出来上がった絵を見て警部は苦笑した。目撃者は絵が下手だったのか。今度はプロを連れてこないとなと思っていた。店員の絵は幼稚園児が描いたような絵だった。ソラは酸川に爆弾事件に巻き込まれてやっとさっき最後の爆弾が止まった事を電話で話している。
「大変だったな。後はホシを見つけるだけだな。そいつをぶっ飛ばしてやる。」酸川は別のホテルでそう言った。電車で爆発事件に巻き込まれた彼は人事ではなかった。
「お前が暴れるのは始末が悪い。警察に任せよう。」ソラはそう言った。酸川はフィルダがとばれないか心配だった。捕まったら次の仕事も影響が出る恐れもあった。
「フィルダだってばれるなよ。」酸川はそう言った。勿論そのつもりだとソラは答えた。電話は人気の無い場所で行われていたのでゴーレムをモンスターバスターが運んでいるがばれていない。
「重いな、こいつ。」アレンが運び出していた。何人かの同僚とともに運び出した。もうゴーレムは故障しており誰が連れてきたのか分からない状態だった。
「しかし誰なんだろうな。こんな手の込んだこともした犯人って。」マサヒトは呟いた。さあと真人は答えた。
「俺はヤザかと思っていたからな。」真人はそう話している。結局ヤザは何者かに殺されていた状態で見つかったがとマサヒトは思っている。レッドのスマホが鳴った。レッドは電話に出た。
「レッド。悪いが爆弾の見つけた状況なども知りたいからセルドル署に来てくれないか。」掛けてきたのはレクター警部だった。迎えを付けるからと言われたので待つことにした。
「やっと終わった。」レッドは時計を見た。もう夜の9時を回っていた。マサヒトとソラにそのことを伝えた。しょうがないが二人の見解だった。
「又、爆弾設置しなきゃいいけど。」マサヒトはポツリと呟いた。真人はコラッ。縁起でもないこと言うなと怒った。レッドは苦笑している。その可能性も無かった訳ではなかった。
「兎も角迎えが来るまで待ちましょうか。」ソラはそう答えた。レッドはガラスを時間を巻き戻すかのように直した。おおっと真人とマサヒトは驚きの声を上げた。刑事の一人がもう一人の目撃者を見つけて話を聞いてきた。
「ああ。あの人ね。やたら火薬を買って行くから弾の調合師かなって思ってたけど今考えると1種類しか買ってないから怪しむべきだったかな。」武器屋の店員はそう言っている。刑事はメモを取った後、店員に話を聞きながら似顔絵捜査員呼び書かせた。目は一重で髪は短いながらワックスで立てた髪型で耳は尖がり口は小さく細いと店員は特徴を話している内に見もしない犯人を見たかのような出来映えの絵を仕上げた。
「あっ。こんな感じです。凄いですね。似てますよ。」武器屋の店員はそう言って犯人の似顔絵が出来上がった。武器屋のファックスから似顔絵を送ることにして刑事は出来たときにあれ誰かに似ているなと思ったが誰なのか分からなかった。
「警部。似顔絵が出来ましたのでファックスで送ります。」刑事はそう言った。そして1分後ファックスで送られてきた。レクター警部の下に2枚目の似顔絵が届いた。
「流石。似顔絵捜査官。これなら犯人もすぐに捕まるだろう。」レクター警部はハイボエ茶を一口飲んだ。その頃パトカー2台が到着した。ソラとフレイヤとアレクは別のパトカーに乗りレッド真人と白虎コンコンは一緒のパトカーだ。レッドは運転している男に見覚えがあった。
「会うの2回目ですよね。」レッドはそう言った。運転していたのはジニーだった。
「そうですね。今日又お目にかかるなんて僕も思いませんでした。」ジニーはそう言ってはみかみながら笑った。本当は爆弾処理班なのだがレクター警部に頼まれたらしい。
「今日この役目を与えてもらい感謝します。」ジニーは車を走らせた。
「へえ。爆弾処理班なのか。今日は大忙しだったろ。」マサヒトは真人の口から声を出した。ジニーはお蔭様でと苦笑しながらずっと前のほうを向いている。未だセルドル署には着かない。外では雨がぽつぽつ降り始めた。
ジニーは前と後ろのパトカーを見失ってしまっていた。レッド達は不安になり始めていた。
「ジニーさん。もしかして迷った。」レッドは思わずジニーに聞いてジニーは慌てている。
「すみません。今来た道に戻りますので。」彼はそう言って更に街とは違う方向に迷い込んでしまった。此処には子供しか居ないので更に不安になった。フレイヤが居てくれたらなとレッドは思い始めた。心細くなっていた。大丈夫かよ。この人とマサヒトはジニーの方向音痴さに呆れて見ている。暫くしてジニーが口を開いた。
「あれ。こっちで合ってたと思ったんだけどな。」ジニーはパトカーを一旦止めてライトをつけて地図も出して道を確認している。おいおい。しっかりしてくれよとマサヒトは言いたくなった。街の明かりがまばらになってきた。絶対セルドル署の場所と違うとレッドとマサヒト真人は思った。セルドル署は比較的繁華街近くにある。こんな所にあると三人は思ってない。更に20分迷い込み段々町の方から離れて行った。白虎は疲れてうとうとしている。
「こっち町じゃないよな。」レッドは凄く不安になりコンコンに聞いた。彼は目を覚ましている。
「こっちは農村の方だコン。」コンコンはそう言った。コンコンには暗闇の先が見えており、どう考えても道を大きくそれているとしか見えなかった。どうしてこんな道に入るんだコンかと呆れている。暫くして寂れた工場に止まった。暗視が使える真人とマサヒトは此処がセルドル署ではない事に気が付いた。これってもしかしてと真人は思った。
「ジニーさん。もしかしてガス欠。」真人は物凄く不安な表情を浮かべてジニーに聞いた。レッドも同じ事を考えていた。白虎は目をこすっている。
「やっと着いたの。」白虎は欠伸をしながらそう言った。外の様子を見て違う場所だと気が付いた。
「何だ違う場所じゃん。」白虎はそう言った。
「いえ。此処で合っていますよ。」ジニーはそう答えた。そのときの表情は無表情で真人に銃を突きつけた。その周りに魔物たちが取り囲んでいた。まさかと二人と二匹は思った。そう。爆弾事件の犯人はヤザ・ビスクドールではなくジニー・クトスルが犯人だった。レッドと真人は衝撃を受けた。その頃フレイヤたちが居るパトカーではジニーが犯人と特定されたと言う知らせが入り後ろのパトカーと一緒にジニー達の足取りを追っている。フレイヤはショックのあまり気絶しそうになった。
ジニーは工場の中にレッドと真人コンコン白虎を縄で縛り動けない様にした。
「ジニー。二つだけ教えてくれ。何故俺を狙ったのか。そして爆弾犯になったのかを。」レッドはそう言った。其れは捻じ曲がった顕示欲だった。もともと目立たないジニーは長官を助けたレッドに嫉妬し自分が目立つ爆弾処理の仕事を悪用し爆弾の設計図を入手し非番のとき製作していた。
「貴女は長官を救ったヒロインとして新聞に載りました。そんな貴女を見て前から思っていた権威やら権力の犬に見えて仕方なかったのです。」ジニーはそう言った。僕は警察をやっていますが目立つことも無い人間だった。唯一目立つのは爆弾処理の時だけですとジニーは続けて答えた。
「そんな理由で爆弾を仕掛けたのか。」彼女はジニーに怒鳴った。
「そんな理由。確かにそんな理由と聞きたくなるかもしれませんがでも本当はそんな理由ではない。」ジニーの言葉に二人と二匹はじゃあ何だって言うんだよと思った。
「爆弾を爆発させたあの快感が忘れられなかったのですよ。」ジニーは笑って答えた。こいつ狂っている真人は怒りに満ちた目をジニーに向けた。ふとジニーはふと昔のことを思い出した。ジニーが初めて爆弾を作ったのは小学生の頃だった。インターネットサーフィンが趣味だった彼はたまたま見た爆弾の作り方を見て刺激を受けて爆弾を作り始めた。一人っ子な上両親は共働きだったので止める人は居なかった。誰もいない野原で爆発させた。その興奮が忘れられず大人になってから爆弾処理班になれてうれしかった。爆弾を爆発させた興奮がジニーの頭の片隅に残っていた。
「お前には分からないさ、爆弾を作り爆発させる美しさを。」ジニーはそう言って笑っていた。マサヒトは真人と入れ替わった。ジニーは驚いている。
「お前は一回病院に行ったほうがいい。」マサヒトはジニーに言った。ジニーは面白くないという表情になった。まあ。こんな子供には分からないかと言ってマサヒトに銃を向けた。
「兎も角お前生意気なんだよ。」ジニーは怒鳴った。本当は切れやすい性格だったようだ。
「マサヒト。」レッドは叫んだ。マサヒトが殺される。何とかしないととレッドは縄を解こうともがいたがなかなか解けなかった。
「おっと。レッド変な気は起こすなよ。こいつの命は無いぞ。」ジニーはマサヒトに銃を深くつけた。怖いはずなのにマサヒトは冷静だった。其れがジニーの癪に触った。もっと怖がれよとジニーは思っている。
「レッド。俺の事は構わずジニーを捕まえろ。」マサヒトはそう言って不敵な笑みを浮かべた。何だその余裕はとジニーはイライラしている。レッドは其れに気づき、どうしようと思っている。
薄々気が付いた方もいると思いますが犯人はあいつです。はい。




