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魔物の微笑み  作者: 宮川ちい
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二十七話 犯人との駆け引き

怪しい人物を疑って観るのも一興と弟は言った。サスペンスドラマを見ていると何時も言う。

ソラは意外と物知りなんだなとアレクは目を丸くした。フレイヤも月の女神の涙がお酒という学説すら知らず初めて聞いて私ももっと勉強しなければいけませんねと彼女は精進するように誓った。

「そうか。そっちはアレクに任せる事にするよ。問題は爆弾が何処にあるかだ。」レッドはそう言って考えた。

「なあ。それって温泉じゃないか。」マサヒトは真人の口から意見を言った。

「涙が流れ落ちたらって言っているんだからそうかもな。」アレクも同じ意見だ。レッドとソラはどちらかと言うと温泉ではないような気がした。昔旅行で温泉に行った時背が高く胸は無い人がお風呂に入らず荷物を置いて何処かへ行こうとしていたその人はうっすら(ひげ)が生やしていて直感的に男だと思い呼び止めたことがある。その直感は当たり(のぞ)き魔だった。かばんに穴を開けて無線のWEBカメラが入っていて女湯の光景を見ようとしたことを彼女は思い出した。

「確かにその表現はおかしくは無いが長時間も荷物預けて外に出るの不審がられると思うけど。」レッドはそう言った。

「確かに不審者(ふしんしゃ)だよね。」真人もそんな人物を見たら変な人だと思うだろうと考えた。

「確かに爆弾を仕掛ける時は不審がられない様に気をつけるって別の爆弾魔が言ってたな。」アレクもそう言って温泉をリストに外した。

「そうなるとプールの更衣室も外れますね。」フレイヤの言葉にレッドは納得しプールの更衣室には無いという考えにまとまった。

「なあ。病院もこぼれるって表現おかしくない。」白虎も意見をした。

「いや実は病院には風呂やシャワー室がある。前入院したとき利用していた。」マサヒトは真人の口を借りて喋った。結局シャワーとかお風呂は患者さんしか使わないからとソラが突っぱねた。病院もリストから外れた。そして爆弾を探す場所を絞り美術館プール。そして一番多い酒場に行くことになった、酒場って意外と多いんだなレッドはスマホでネット検索をし酒場の地図を見ていた。

「そりゃ。観光客多いからな、」アレクは自分もその一人だからなとレッドに言った。

「探しているうちに爆発しちゃうんじゃない。」白虎は縁起でもない事を言ったが実際その通りなので誰もあえて言わなかった。

「酒場は後回しにしよう。この近くには幸いプールは2ヶ所しかないし美術館は1つだけだから。」レッドはそう言ってプールに来た。アクアリゾートという名前でレッドは水着に着替えてプールの周りを回ったが爆弾が入ってそうな荷物を持っている人物は見当たらなかった。此処ははずれかと彼女は思った。次に来たのはアクネレという海の神様の名前をしたプールである。月の女神の涙なのに海の神様の名前プールに仕掛けるのだろうかレッドは思いながらも念のため調べたがやはり無い。

「プールには無かったな。」レッドはため息をついた。未だ美術館と数の多い酒場が残っている。レッド達は急いで美術館に向かった。バスで2分の所に其処はあった。

レッド達は特別展示の『月の女神の涙』を見ていた。それは乳白色で涙形にカットされていた大きなムーンストーンのチョーカーだ。あんなデカイ石を付けたら首がこりそうだなアレクはそう思った。レッドとフレイヤは思わず大きな宝石と言ってはムーンストーンの美しさに目を奪われていた。いけない当初の目的忘れるところだった。レッドは我に帰って石の周りを見るが不審な物は置かれていない。ここも外れかレッドがそう思ったときマサヒトはある事に気が付いた。

「なあ。この石の周りうっすら濡れてないか。」真人の口からマサヒトの声がした。レッドもまじまじ見ている。

「本当だ。何で濡れているんだ。」レッドもマサヒトの指摘に気が付いた。

「あの。この石溶けているようにも見えるのですが。」フレイヤも言ったので警備員があわてて責任者やら会長達が現れた。ショーケースが開けられたときにピッ。ピッと不吉な音が聞こえてきた。まさかとその場にいた一同は凍りついた。アレクが警察を呼びショーケースを開けた。ショーケースの底に爆弾が仕掛けられた。どうしてこんな所に会長は頭が真っ白になり椅子に座り込んだ。警察は美術館と周りいた人を避難させて立ち入り禁止にさせた。

「また君達か。」刑事の一人がレッドたちを見てそう呟いた。レッドは疑われるのが嫌だったので電話のことを正直に話した。刑事は難しそうな顔をしてレッドを見た。

「君らは我々が保護しよう。スマホも逆探知が出来るように少しの間だけ預けさせてもらうよ。」刑事はそう言ってレッドのスマホを受け取った。その頃爆弾処理班は爆弾をとめた。

「ふー。」爆弾処理班の男ジニーは袖で冷や汗をぬぐった。

「やったな。ジニー。さっ。報告済ませて家に帰るぞ。」爆弾処理の男は肩を叩き外に出た。そしてジニーはレッドを見た。

「あれ。もしかして貴女モンスターバスターのレッド・ナイトさんじゃないですか。」ジニーはレッドのことを知っているようだ。

「そうだけど。」レッドはジニーを見るのは初めてなので少し緊張している。

「前に長官を救ったヒロインとして相棒の方と一緒に新聞に載っているの見ましたよ。」ジニーがそう言っていたのでレッドは照れた。

「載っているって言っても写真が小さくしか写ってないから分からないと思っていた。」レッドは笑って答えた。

「この間起きた長官襲撃事件も解決なさったそうですね。昨日新聞で読みましたよ。」ジニーがそう言うのでレッドは更に照れた。

「もう新聞に載っているのか。情報流れるの早いな。」レッドはそう言ってパトカーに乗ろうとしたとき飲み屋の方から爆発音がした。しまった。爆弾は1つだけじゃなかったのか。レッドは自分のミスに打ちのめされた。

「あんたは悪くは無い。しかけたやつがわるいのさ。」刑事はそう言ってレッドに励ましそしてパトカーに護送された。

レッドは飲み屋のゴミ捨て場から爆弾が爆発したと聞かされた。幸いけが人は出なかったがそれでも俺のミスだと思っていた。レッドは刑事に囲まれて電話は内容を聞くため付けた装置が付いていた。そこから逆探知をするつもりだった。カミラシ・スフォンはその時自分の机でレッドが爆弾事件に巻き込まれたことを支部の人から電話で伝えられた。

「すみませんがレッドの事を頼みます。」彼はそう言った。支部の人はレッドの警護と犯人特定急いでいた。電話が鳴ったので刑事達はヘッドフォンをつけたがモンスターバスターだった。

「レッドさんですか。クルセル支部の者です。」そう支部の人につけるようモンスターバスターも捜査開始することを伝えた。

「君の直属の上司には連絡しておいたからね。それじゃ。」支部の男はそう言って通話を切った。(しば)くしてまた電話が鳴った。レッドが出ると刑事達はまたヘッドフォンをつけた。犯人の声を聞こうとしている。

「もしもし。」レッドはまた支部の人かなと思った。

「レッド・ナイト。1つはうまく見つけたようだがもう1つは残念だが爆発した。アレはお前のミスだ。」犯人は高笑いをしていた。嫌な奴とレッドは思った。

「でも。幸い怪我人や死んだ人が出なかった。出た方が面白かったがしょうがない。」犯人はそのときだけ声のトーンが落ちた。其処だけ残念そうな声だったので刑事達は腹を立てた。人の命を何だと思っているんだ。この犯人はとレッドも思っていた。

「ところで、あとの3つは何処に仕掛けた。」レッドはそう聞くと犯人はテンションが上がってきたらしい。

「一つは朱雀(すざく)のいる場所でもう一つは星の回る美しい場所だ。最後はとっておきの場所だ。」犯人は3つの場所のヒントを出したが最後の一つだけわからない。レッドはとっておきの場所って何処だと考えたが分からなかった。

「最後の1つのとっておきの場所は何処にある。」レッドはそれを聞いたが犯人は電話の通話ボタンを切った。どうしても教えたくないようだ。刑事達は逆探知をしたが失敗で終わっている。

「犯人は携帯かスマホ使っているようです。」探知をした警察官はそう言った。

「レッドのスマホにかけた人物を調べろ。着信地が特定できる」警部がそう言うと刑事達は仕事の担当に付いた。レッドはため息をついた。せっかくの休日がパアだ。おまけに爆弾騒ぎに巻き込まれるなんて、ついてない。彼女は出されたオレンジジュースを飲んだ。現地のモンスターバスターが動いているのにな。またカミラシさんにも報告が入っているから心配しているだろうなと彼女は思った。動けない自分を()やんだ。

「レッドさん。犯人らしき人物が特定しました。」現地のモンスターバスターから説明を受けた。

「君は前に長官の家の立てこもり事件を解決していたな。その犯人がラズドリから脱獄をして脱走している。」それを聞いた時レッドはまたあの事件繋がりかとため息をついている。

レッドはまたその事件の関係者かと思った。カケルを亡くしてからずっと係わりを持たなかったが、このクルセル島に来てから深く係わりを持った。

「我々はヤザ・ビクトールの可能性が高いと考えています。」現地のモンスターバスターの声を聞きながら考えた。ヤザは確かに犯人グループのリーダーでカケルが透視していたとき指示を出している姿が見えたらしい。

「あっ。あいつか。」レッドは捕まえたときのヤザの顔を思い出した。そのときの顔は恨みがこもった表情をしていた。確かにあいつならやるかもしれないレッドは冷や汗が流れた。

「ええ。他の仲間から聞いたのですが貴女の事ひどく恨んでいたそうです。間違いなくヤザが犯人です。」モンスターバスターの男はレッドにそう言った。レッドもヤザが執念で脱獄し執念で狙う姿を想像した。

「警察の方はお前達と同じホシを捜しているんだろうか。」レッドはそっと呟いた。

「恐らくはそうです。一番疑わしいのはヤザですから。」モンスターバスターはそう言って支部のほうに戻っている。一方その頃警察もヤザが犯人だと思っていた。

「相手はテロリストだ。慎重調べを進め奴をモンスターバスターたちよりも早く捕まえる。以上だ。」警部はそう言うと刑事達の目がぎらぎら輝いていた。今まで連続殺人犯は捕まえた事もあったがテロリストはモンスターバスターに取られてしまい悔しい思いが警察にあった。今度こそモンスターバスターを出し抜くと警察職員一丸となって捜査に当たった。レッドは前右近に頼んでおいた真人に関する情報の中間報告を受けていた。

「なるほど。どうして茶髪の雅人がマサヒトの力が使えるか分かった。」彼女は複雑な思いだった。

「その事を貴女の口で彼に話しますか。」影しか見えない右近は尋ねた。

「いや。早すぎる。育ての両親が本当のことを話してない。それに真人が受け入れる大人になってない。」レッドはそう言うと右近は姿を消した。人の気配がしたからだ。真人が近づいた。

「あれ。レッド今誰かと話してなかった。」真人はレッドに聞いた。

「いや。ずーっと一人だったぞ何か見張っている警察の人がトイレに行ったきりなかなか戻ってこないんだ。」レッドはそう言ってジュースを飲んだ。一匹の魔物がレッド見張っていた。警察官を襲撃し人間の姿をし制服を着た。そして何食わぬ顔で警察署内部に潜入した。

「潜入成功。コレよりミッションを開始します。」バッチ型の無線を寄せて小声で喋った。魔物の耳にはイヤホンがついており機械音の声がした。

「油断するなよ。相手は警察とレッド・ナイトだ。タッグを組まれると厄介だ。」機械音声は魔物に注意を促した。

「了解。」魔物はそう答えた。レッドはソラと話している。

「すまない。せっかくの観光をめちゃくちゃにして。」レッドはソラに謝っている。

「気にすることありません。それより事件が早めに終わることを祈りましょう。」ソラはそう言った。


***********************************************


ソラはレッドが予定している滞在はあと一日しかない事を知っていた。しかも丸一日ではない。その事を考えると今日中に決着をつけなければならない。もう日が暮れていた。レッドはお腹が減ってきた。早く決着をつけてご飯を食べようそう思っていた。警察はなぞなぞが解けず苦労をしていた。やむえずレッドたちに協力を求めた。

「朱雀は風水で南の方向守る守護獣で、その方向に町があればその場所が栄えるとされて言われています。」レッドはそう言った。警察は考えた。ここから南の町といえばクシリタウンだ。確かあそこは栄えていると思い其処に絞った。

「朱雀は火の属性の鳥ですから怪しいのは飲食店など火が使う場所も怪しいですね。」フレイヤは汚名挽回(おめいばんかい)というばかりにそう言った。

「鳥だから空港も怪しいな。」アレクもそう一言言った。

「あの町に空港はありませんがヘリポートが有ります。」刑事の一人がそう言った。爆弾の場所特定がヒートアップする中いい線行っているなと魔物は自分のマスターに報告している。

「今レッドは警察と手を組んで爆弾の場所を特定中です。今襲撃するのはまずいので一旦戻ります。」バッチ型の無線と犯人と連絡をしている。

「そうだな。引き上げたら応援を送る。」犯人はそう言ったので魔物はいったんその場から離れ始めた。警察は手分けして爆弾を捜した。一人の刑事が飲食店で見つけ処理をした。

「こちらレイトン。爆弾を見つけ処理が完了しました。」レイトンは電話でそう言った。

「一つは見つかったそうだ。」警部はそう言うと刑事達は安堵した。

「よかった。1つだけ見つかったんだ。」刑事達は喜んだが警部は部下達に一言言った。

「だが1つだ。未だ二つ残っているから気を緩めるな。」その言葉に警察はまた気を引き締めた。レッドは次のなぞなぞを解き始めた。次は『星の回る美しい場所』だ。彼女は考え始めた。その頃警察署に潜入した魔物と他の魔物は合流した。各自人間の姿をして武器を持っていた。

「ターゲットは警察署にいるモンスターバスターのレッド・ナイトだ。他のやつは好きにしても良いそうだ。」潜入した魔物はそう言って魔物たちを駆り立てた。警察の服を着ている。あらかじめ盗んだものだった。魔物たちは堂々と正面から入り込んだ。他の人は彼らを不審に思われず仕事をしていた。レッドとマサヒト。そしてソラとコンコン白虎は敵の殺気に気付いた。

「どうした。」警部は殺気に気が付いていない様だ。

「敵が入り込んだ。武器を持っている人は出したほうがいい。これから戦闘になる。」レッドは目が鋭くなった。真人がマサヒトと入れ替わった。豹変(ひょうへん)した姿にアレクと警察たちは驚いた。

「あんたらに紹介未だだったな。俺はもう一人のオカダマサヒトだ。」マサヒト扉のほうを向いた。

「何か雰囲気変わったな。」アレクは目を丸くした。そういえば真人君との会話で時々声が変わっていたなアレクは思い出した。レッドはソードを出した。マサヒトも目を鋭くさせてタイガーブレイドを出した。会議室の空間がねじれ始めた。刑事や警部にフレイヤやソラも銃を出した。

「アレクさんは武器を持ってないんですか。」フレイヤはアレクがボーっと立ってているので声を掛けた。アレクは我に返りリボルバーを出した。魔物たちがレッドを狙って銃を撃ってきたので狙いはレッドだとマサヒトは気が付きブレイドで魔物が放った銃の弾からレッドを守った。レッドは自分が狙われていることに気が付いた。マサヒトはレッドを後ろに行くように話した。

「レッドが狙われている。君は後ろに行ったほうがいい。」マサヒトがそう言ったので自分も戦うと言おうとしたがアレクもレッドを後ろに行かせた方が良いと思っていた。

「レッド。此処はマサヒト君の言う通りにしたほうがいい。」アレクもそう言ったので素直に後ろのほうに行った。

「大丈夫。俺らが守るから。」マサヒトは微笑んだ。レッドはドキッとときめいた、何ときめいているんだ。今は戦闘中だぞとレッドは思っていた。



弟の話はともかくそんな事出来ない優しい人の方が個人的には好きだ。サスペンス嫌いの妹みたいな人ばっかりならもっと平和な世の中になってるかもしれない。

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