表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔物の微笑み  作者: 宮川ちい
3/90

2話二人のオカダマサヒト

グロと虫が出ます。苦手な方は注意してください。


ここ一週間ほど真人の目の前から魔物の姿は見えなかった。ほっとする反面レッドに会えなくて心なしか(さみ)しかった。

「いいじゃないか。平和が一番だってしみじみ思ったよ。」雅人はそう言った。今この話が通じるのは雅人だけである。美加は正月から二人のオカダマサヒトがこそこそ何か話しているので何で仲間に入れてくれないんだろうと思った。3歳の頃からの幼馴染みで東京から真人がやって来て以来ずっと仲が良かった。水くさいよ。二人で話し込んじゃってさ。美加はしょぼくれた。

「どうしたの。美加ちゃん元気ないよ。」そう言ったのは藤子だ。

「最近まーくんとまさくん二人で何か話し合っているの。私抜きで。」美加は正直に話した。

「多分美加ちゃんには話しにくい内容なんだよ。」藤子はそう答えた。話しにくいって変な話でもとかしているのかなと美加は逆に気になっている。

「今まではそんなこと無かったのにな」美加はそう言った。真人は泣き虫だった。彼をよく雅人と一緒に(かば)っていじめっ子をやっつけたこともあった。ちなみに今もからかわれており、いじめっ子というよりも、いじめられっ子だ。一方、雅人は成績も良くスポーツ万能と女の子にモテる要素のある子で喧嘩も少し強いほうだ。コンコンが双眼鏡をのぞき学校の木の上で二人のオカダマサヒトを監視している。どちらかと言えば雅人の方が例のマサヒトではないかとコンコンは思ったが、まだ結論を出すのは早い。レッドが言うには雅人はマサヒトと顔がよく似ているらしいが真人の方も見るからと言っていた。真人はメガネをしている。メガネで馬鹿にされることはないが密かに雅人に対しコンプレックスを抱いていた。完璧なほど優秀な人と殆ど普通な真人。結構比べられるのが悩みの種だ。口にしたことはないが。授業中真人はボンヤリと年明けの事件のことを思いだし、命が助かったのは本当に良かったと思うがまたいつ来るか分からないので不安である。ボンヤリしている真人に先生が気づき、いきなり指名してきた。

「後ろの岡田君この文章を読みなさい。」先生は話しかけてきた。後ろは真人である。言われて我に返り、ええっと、と急いで本を出しページをめくった。

「190ページの三行目。」隣の藤子が教えている。学校は相変わらず、にぎやかな場所だ。小学校ということもあり(あふ)れんばかりの元気の(かたまり)が多く校内を遊んでいる。そんな中いじめっ子の中川が真人に肝試ししようと話を持ちかけられた。正直こんな時期に肝試しかと思ったが逆らえなかった。

美加と雅人は真人が肝試し断ればいいのにと言っていたがその勇気があれば、とっくにいじめられっ子は辞めている。

「オレも行くよ。何たくらんでいるか分からないけどな。」雅人はそう言い始めた。

「私も行くよ。中川君にこの際まーくんが度胸あるところを見せれば、もう、いじめられなくなると思うし。」美加はそう言った。藤子は立ち聞きをしていた。今頃肝試しって何を考えているんだか分からないと彼女は思っている。夜6時校門で待ち合わせをしている。中川は数名のいじめっ子を連れて仕掛けをした後、校門に来た。何故校門が開いていたのか分からないが中川はその用事を済ませてやって来た。本来ならセキュリティーが働くはずだが今日は切れている。そんなことも、つゆすらず、真人達がやって来た。

「あれ。藤子まで居る」真人は意外という顔をしながら話をしている。

「立ち聞きしちゃってね。」藤子はそう答えた。一応メンバーがそろい肝試しが始まった。ライト一つが頼りでこわごわ歩いている。真人は恐がりでもあったため早く家に帰ってサッカーの試合が見たいと心で呟いた。その時、(おど)かし役の子が変な音がするのが聞こえ、なんだ、この音と思った。居たのは巨大な芋虫だった。

「うわあああ。」そう叫び脅かし役の少年は学校の外に行ってしまった。叫び声にびくっと真人は反応した。中川はあっちが驚いちゃ駄目だろうと思っている。

「何か叫び声が聞こえたな。」雅人も正直おっかなビックリである。

「ねぇ。あれって理科室の方じゃない。」藤子は意外にも冷静だった。其処に一人の男がやって来た。

「こら。夜の学校に遊びに来るんじゃない」居たのは理科の担当をしている先生だ。今日は当直をしている。

「岡田二人に望月と山下それと中川。後でご両親に来て貰いますよ。」先生はそう言うと藤子以外、皆しゅんと落ち込んでいる。隠れていたメンバーが逃げ出した。真人と雅人ゾッとした。美加は怖がっている。皆、恐怖の表情をしているので先生は不思議に思った。

「どうした。みんな表情がこわばって。」先生の後ろに、でかい芋虫がいた。

「先生後ろ。」恐怖で美加の声が震えている。体長2メートルぐらいある、でかい芋虫だった。後ろを見たとたん彼も驚いた。キャアアア。うわあああ。悲鳴を上げながら子供達は理科室に逃げ込んだ。

「誰か助けを呼んでくるね」そう言って藤子は窓から降りた。ちなみに理科室は2階である。

「ふーちゃん。此処(ここ)2階よ。」美加は藤子が恐怖のあまり此処が2階だということを忘れたんじゃないかとのぞき込んだが、もう誰もいない。あれ居ない美加は不思議に思っている。先生は芋虫に食べられそうになっている。そこへ赤眼赤髪の美少女レッドが走ってきた。

魔物は口をあけている。

「うわあああ。」先生は今まで一番怖い体験をしている。その時レッドのソードが芋虫の背中に一撃を食らわせると一回切った。先生の体は大丈夫だった。ヘナヘナと彼は座った。

「もう大丈夫だ。出てきなさい。」レッドは真人達を呼んだ。おそるおそる五人は出てきた。

「あっ。そういえばふーちゃんが。」美加はもう一人いた事を告げた。

「その子ならもう保護して家に帰らせたよ。」レッドはそう言った。もう夜の学校に来ちゃ駄目だぞと一言言って彼女は居なくなった。その後魔物の死骸を撤収(てっしゅう)し記憶処理班が来て雅人と雅人以外、学校にいた人たちの魔物の記憶を消した。翌日何もなかったかのように日常が始まった。ただ何処かで恐怖心は憶えているらしく理科の先生は急に芋虫を見ると怖がっていた。昔から芋虫が嫌いだったと記憶が書き換えられていた。昔から苦手だったんだよなと呟いていた。教室で中川はいじめっ子仲間の西川と話している。

「なあ。また肝試ししようぜ。」西川はそう言ったが中川は拒否した。彼も恐怖心を忘れていなかった。

「しばらく夜の学校には行きたくない。」そう中川は呟いた。昼休み雅人と真人が屋上で話し合っている。

「あれって偶然居たのかな。あのでかい芋虫。」真人は雅人に言うが雅人も分からなかった。

「さあ。死んだ奴のことは分からないさ。」彼はそう答えた。今となっては本当のことは二人は知らない。ただ、臨時できた体育教師が居なくなったことと関係があったかも知れない。

「もしかしてあいつの正体があれだったんじゃないか。昨日から居ないし。」雅人はそう言った。学校はまた臨時の教師を呼んだ。二月も近いのにと校長は頭を抱えた。夕方になりぞろぞろと集団下校をしている。最近小学生を狙う事件が多発しているため帰る時も集団になっている。

「なあ。真人。ゲームしようぜ。」雅人はそう言い始めた。

「良いけど、家庭教師が来たら大変じゃないか。」真人はそう言った。学年トップでもある雅人は、すでに家庭教師を付けている。

「良いって。今日は遅めだし。」雅人はそう言っていたが真人はやっぱり今度なと言って、この話を断った。美加と藤子が居てまたゲームの話かと思った。この日は何も起こらなかったのでほっとして寝床に付いた。翌日雅人は日直だった。

「オレ日直だから先に帰ってくれ。」雅人は美加、藤子、真人の三人に言い始めた。大丈夫かなと真人は思った。

雅人が日直の仕事が終わったとき日が暮れていた。最近日が長くなってっきたがもう暗い。

「暗くなってきたな。」そう雅人は呟き帰り道を歩いていくとシャンシャンと鈴の音がした。その時彼は空が不気味なほど赤く見たことのないビルが建ち並んだ場所にいた。何処だ此処。この場所の彼の第一印象がそれだった。何処からともなく獣のうなり声が聞こえてきた。彼は魔物のすみかに来てしまったと思った。

「おい。雅人。囲まれたぞ。」突如声が聞こえてきた。雅人が聞き慣れない少年の声だ。マサヒトである。

「どうしよう。」雅人はそう言うとマサヒトはある提案した。

「ジャンプしろ。後はオレが何とかする。」マサヒトにそう言われ跳躍(ちょうやく)すると人間の限界4メートルほど跳んだ。

「いっけぇー。雷撃。」マサヒトはそう言うと突如空に雲が集まり雅人を避けて雷撃が周りの魔物を感電死させた。ジャンプをし終わったとき雅人は感電地帯をさけた場所に降り立った。

「ビックリした。」そう雅人は冷や汗混じりに言った。

「もしかして君が魔物達が探していたオカダマサヒト君かい。」雅人はそう言うとマサヒトはそうだと答えた。

「実は。ある事情でオレは姿を現すことができなくて。」マサヒトはそう言った。おまけにマサヒトはこの場所に来るのは初めてなので、レッドが助けに来るまで何とか生きてなければならない。

「そんな。いつ来るか分からないのに。」雅人がそう言ったとき一匹の犬が来た。犬というべきか人の顔をしている人面犬だ。中年のおじさんの様な顔だ。

「ついてきな。案内してやる。」そう言って雅人をレッドがいる場所まで案内をしてくれるようだ地獄に仏という言葉が浮んだ。

「えーっと。人面犬さん。レッドを知っているんですか。」雅人はそう言うと知ってるぜと人面犬はそう答えた。

「レッド・ナイトだろ。先代の時に助けられた恩があるしな。」人面犬は答えた。先代ってもしかしてレッド・ナイトって名乗った者達が代々いるって事かと雅人はおもった。

「今十三代目の可愛い子ちゃんだけとな。」人面犬は一通り話した後レッドの姿が見えてきた。

「ハチさん。すみません。雅人大丈夫か。」そうレッドは言い始めた。雅人は姿の見えないマサヒトに助けられたと話した。

「早くでな。他の奴に見つかる。」人面犬ハチはそう言った。壁にトビラが付いており二人は扉を開けた。其処にはいつもの帰り道だった。二人はその中へ入っていった。


***********************************************


ハチはびくびくしていた。今ボスである雪女冬子が怒ってる此処を管理しているのは彼女だ。抜け出す覚悟で雅人を助ける手伝いをしたのだ。

「誰か雅人を帰した者がいる。」そう冬子が言い出すと周りがどよめいた。一体誰だとかオレじゃねえと言う声が聞こえてくる。

「ハチお前だね。」冬子はそう言うとハチはびくびくしながら答えた。

「・・・だってよ。本当は冬子様もこの仕事乗る気は無かったし。」ハチはそう言った。実は冬子フィルダの一員で子供を人質に取られて嫌々やっていた。

「それと(これ)とは別です。」そう彼女は断言した。裏切り者には粛正をと魔物達は言い始めた。本当の冬子は子供が大好きな優しい人だった。ハチはそのことを知っていた。だからこそ罪なき命を取って欲しくなかった。裏切り者には粛正(しゅくせい)をと魔物達の声が何度も聞こえる。

「冬子様もうこんな事・・・。」ハチが、そう言ったとき冬子は氷の息を吐いてハチは氷になった。それを魔物達はハンマーでこわした。それを冬子は涙も一つも見せなかった。だが一人になると涙をこぼした。

「ごめんねハチ。」そう言って冬子は泣き崩れた。そうしなければ子供が殺される。それがとても恐ろしくてしょうがなかった。レッドとコンコンは話し合っている。その様子を雅人が見ている。

「姿が見えなかったのは別の人格があったからかもな。」レッドは何気なく雅人に聞こえないように小声でそう言った。聞こえないように話したが雅人の耳に入った。まさか。まさかオレがオカダマサヒトなのか。と雅人は考え始めた。確かに人間業とは思えないジャンプや雷撃などしたがまさか自分とはと思った。

「その可能性もあるコン。」コンコンはそう言った。はじめてコンコンが雅人の前で喋って前に出てきたときは驚いたが今は慣れた。翌日雅人は真人に昨日の出来事を話した。

「確かにその可能性もあるけど、でもレッドの推測でしょ。まだ決まった訳じゃ。」真人の言葉に雅人はカチンときた。

「じゃあ。何故人間離れした技が出来たんだ。」雅人はじりじりと顔を寄せた。

「分からないけど多分透明な状態で助けてくれたんだよ。」真人も意見を譲らなかった。結局二人は喧嘩をしてしまった。近くにレッドがいる。オレの言葉で二人を喧嘩させてしまったと思った。美加は今度は喧嘩したのと心配そうに見ている。

「何があったか知らないけど、いい加減仲直りしようよ。」美加はそう言ったが今回は二人とも意地を張っていた。2月になり節分になっても仲直りすることなく鬼は外と二人で豆のぶつけ合いに発展しエスカレートしそうになったが美加が止めた。

「二人とも意地張ってないで仲直りしようよ。」美加はそう言ったが二人は聞く耳を持たない。彼女はため息をついた。

「もう頑固なんだから。」そう美加は言って藤子のところに来た。

「ふーちゃん。どうやったら仲直りすると思う。」美加は少し弱音を吐いた。

「うーん。難しいな。何で喧嘩しているの。原因分かれば仲直りしそうなのにね。」そう藤子は言い始めた。それさえ分かれば苦労しないよと美加はそう思った。バレンタインになっても喧嘩は続いた。ただ内容はチョコの数にすり替わっている。

「おいおい。オレのことで喧嘩してたんじゃないか。」マサヒトのツッコミが聞こえた。一体どうやって聞こえているのか他の人には聞こえない。どうしてオレ()だけ・・・。不思議でしょうがなかった。その謎が解けるのもあまり時間はかからないとは、まだこの時彼らを含めて知らなかった。マサヒトの正体も、いずれ分かるようになる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ