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魔物の微笑み  作者: 宮川ちい
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二十三話 殺意と好意の間

タイトルからシリアス系入っちゃたな。

ソラはマサヒトを恐々見ている。

「さっき。マサヒト君笑ったみたいだけど何かあったんですか。」ソラはマサヒトが狂ったのかと心配している。

「ごめん。俺がマサヒトをくすぐったら爆笑して大変だったよ。」レッドは本当のことは話さなかった。

「本当。レッド酷かったぞ。」マサヒトは話を合わせた。コンコンは何があったのか分かったらしく何も言わない。更に刻々と時間が過ぎた。ソラは作戦を変えて一旦部屋に戻ることにした。

「おやすみなさい。」ソラはそう言って部屋から出て行った。マサヒトは安心をして自分の割り当てられた部屋に向かった。コンコンも一先ず部屋に戻っていた。レッドは一人監視を続けた。3時を過ぎた頃、彼女も眠くなりソファーの上で寝始めた。夢は1年前の6月京都が舞台だった。そこに今は亡き天地カケルがいた。仕事も終わりデートしていた。一緒に映画を見た帰りだった。カケルはレッドに殺意が向けられていることに気が付き彼女を突き飛ばした。レッドは突然のことなので驚き何すんだよと怒ろうかとしたがその前に銃声がした。何処から撃たれたのかは分からない。カケルが凶弾に倒れた。レッドが其れに気づくのに数秒かかった。気づいたときには血まみれになっていた。

「カケル。」悲鳴に近い声でカケルに駆け寄った。

「大丈夫だったか。レッド。」カケルはレッドを見てそう言った。

「俺は大丈夫だが、カケルが。」レッドは涙をこぼした。カケルはレッドにキスして息を引き取った。

「カケル。死んじゃ嫌だ。」レッドは涙をこぼし泣き始めた。レッドは目を覚ました。未だ涙が乾ききっていない。レッドが寝ていて静まったときレッドの居るフロント近くまでソラは来た。ソラはレッドが寝ているのを確認しサインを男に送った。男は魔物を配備しソラは怪しまれないよう部屋に戻り襲撃(しゅうげき)の時を待った。レッドは目を覚ました。

「いけない。今何時だ。」そう言って時計を見た。3時40分と時計の針が指していた。そして魔物の気配を察知をして8階に向かった。マサヒトも殺気を感じて起きた。

「せっかく良い夢見てたのによ。」ぶつくさ文句を言いながらマサヒトはベットから出た。コンコンも急いで長官の部屋に来た。一番早かったのはコンコンだ。

「そこで何やっているコン。」彼はそう言って妖術で錯乱させた。魔物がドアを触れようとしたときドアノブがグニャリと曲がって触れなかった。

「くそっ。コレ(つか)めないぞ。」

「何だコリャ。」次々と驚きの声が上がっていた。その間マサヒトが長官の部屋の前に着きタイガーブレイドで魔物たちを切り倒している。レッドが着いたときには数が半分に減っていた。未だコンコンの妖術が効いているのか足元がおぼつかなかった。

レッドはフェニックスソードで三匹を飛ばし一匹ずつ斜めに切っていった。

「思っていたより数が多い。」レッドはそう言った。休む暇も無く2匹を円を書くように斬って行った。更に3匹そのまま斬って行った。合計8匹あっという間に倒していった。マサヒトも11匹目を斬った。

「中に入られていないよな。」マサヒトはコンコンに尋ねた。

「僕もさっき来たばかりだから入られたかどうかは分からないコン。」コンコンはそう言って長官の部屋に入った。幸い長官の寝息が聞こえ無事だと確認した。

「大丈夫だコン。敵は入っていなかったコン。」コンコンが其れを伝えるとレッドとマサヒトは安堵した。レッドは見張りの途中寝てしまったことを告げた。

「今後はそういう事が無いようにする。」レッドはそう言って頭を下げた。コンコンは見張りは交代制にした方が良いと言い出した。

「その方がレッドや他の見張りの人もこんなミスは起こさない。」コンコンは優しくそう言うとマサヒトも同意した。

「そうだぞ。レッドだけ無理をするのは良くない。」マサヒトはそう言って次の見張りになった。生き残った魔物たちはふらふらしながら男の元へ行った。

「報告を申し上げます。作戦は失敗致しました。」魔物が報告すると男はイライラが頂点に上り怒りを露にした。

「長時間粘ってコレか。」サングラス越しに男の怒りは魔物たちに伝わった。

「敵の中に狐の妖術使いが紛れ込んでおりメンバー全員妖術に掛かってしまいました。」」魔物の声は絶叫に近い。飛行機の中で女のモンスターバスターが連れていた狐を思い出した。

「くそっ。あいつは妖術使いだったのか。」男は自分のミスに気づき更に機嫌が悪くなった。男はあるものを渡した。気付け薬だった。

「手前らに気付け薬を渡しておく。今度引っかかったら飲め。」男はそう言った。気付け薬は5個しかない。

「妖術は所詮まやかしにしか過ぎない。その事を忘れるな。」男は魔物に発破をかけた。

「其れと今日は寝るぞ。これ以上粘っても朝が来るだけだ。」男はそう言って引き上げた。レッドは魔物の気配がなくなったので寝床に入り少ない睡眠時間を満喫していた。又、カケルの夢を見たが今度は不機嫌そうな顔をしている。

「レッド。お前(しばら)く俺が居ないうちに他の男と浮気したろ。」怒った顔をして立っていた。レッドはこの間のマサヒトにキスをする夢を見ていた。

「誤解だ。カケル。」レッドはそう言った。何故あの事知っているんだろうと彼女は思っている。なぜかマサヒトも居る。

「お前死んでいるのに出てくるな。」マサヒトはそう言った。

「お前の枕元に出てやる。カケルはそう言った。喧嘩が始まりレッドは困惑した。マサヒトはその頃悪夢にうなされた。

作戦が失敗したと聞きソラは舌打ちをした。思っていたよりもしぶとい奴らだと思っていた。

「引き続き潜入よろしく。」形態で指揮を取っていたサングラスの男はそう言った。

「分かったが今度はヘマするなよ。」ソラはそう言った。男は今度は狐の妖術には掛からないさと言っている。

「妖術使われたのか。」ソラは其れは初耳である。

「気付け薬を渡したから5匹までは大丈夫だろう。」男はそう言ッた後で俺はもう寝ると言って携帯の通話ボタンを切った。勝手に切るなよとソラは思った。そろそろ俺も寝るかと思いそのまま自分のベットに入っていった。レッドの夢の内容が変わった。カケルと恋人になった年の夏休みの夢を見ていた。日本で花火大会に来ていた。仕事も終わり一段落をした。

「花火大会までには仕事終わって良かったな。」カケルはレッドにそう言った。

「そうだな。ゆっくり一緒に花火大会だもんな。」レッドはそう言った。二人は花火が打ちあがるのを見ている。花火ははじけて広がっていくのが見えた。残った火は星のように光り淡く消えていった。二人は無言になり一緒に手をつないだ。ずっと仕事も恋も一緒にやっていくと思った。あの時までは。レッドは冷静に夢を見ていた。レッドは目を覚ました。未だ辺りは暗かったが時計は5時をさしていた。

「カケル。」そう言って彼女は涙をこぼし始めた。自分がこんなに弱いなんてカケルが亡くなってから彼女は実感した。暫く泣いてからまた寝始めた。マサヒトは姿の見えないレッドの元パートナーの夢を見ていた。

「お前がオカダマサヒトか。メシアにしては意外と子供なんだな。」元パートナーの男はそう言った。マサヒトは直感的にレッドの元パートナーだと思った。

「悪かったな。未だ中学生で。」マサヒトはムスッとした。

「レッドが元気そうで良かったよ。俺が死んだ時なんか可哀想な位落ち込んでいたしな。」そう言って男は歩き始めた。男は帽子を深く被っており、わざと姿を隠しているとマサヒトは思った。

「お前は幽霊か。」マサヒトはそう言った。幽霊にしては実体があるようにも見えた。

「さあな。」男はふっと居なくなった。煙のように居なくなった。マサヒトは目を覚ました。レッドが寝る前言ってた元パートナーのことを無意識に思い出したんだなとマサヒトは思った。未だ早い時間だったので又寝ることにした。おまけにすごく眠たいので又寝ることにした。真人はマサヒトが誰かと話している夢を見た。途中で話していた人が居なくなった。何だったんだろうと思いながらマサヒトに近づいたところで目を覚ました。もう朝になっていた。

清々しい朝が訪れた。長官夫妻は清々しく朝を迎えた。彼らは夜中戦闘があったことなど全く知らなかった。シアンはベットに居り自分が寝てしまったことに気付きショックを受けた。

「くそう。レッドの部屋結局分からなかった。」一人部屋で呟き食堂に来た。フレイヤは皆の朝食を作っていた。今日は一人で作っていた。何時もなら早起きのレッドが居るのだが彼女は未だ寝ているのかしらとフレイヤは思った。

「レッド様。何時もなら早いのに起きてきませんね。」フレイヤは夜中の戦闘は知らない。彼女は不思議に思っている。そこに白虎がおはようと部屋から出てきて食堂に来た。白虎は欠伸をしている。

「何か夜中に戦闘があってレッドは疲れて眠っているんだよ。」白虎はさっき起きてきたコンコンと鉢合わせしその事をコンコンから聞いた。真人が起きてきた。シアンはもう真人が二重人格者で夜に出たのはマサヒトという別の人格だということは昨日のレッドの説明で知っていた。

「あれ。マサヒトじゃないのか。」シアンは真人に尋ねた。

「何でも眠いから話しかけるなって言ってた。」真人はシアンにそう答えた。真人は戦闘のあった3時はすっかり寝ており何故マサヒトが起きないのか分からない。レッドは顔を洗って現れた。

「おはよう。」彼女は未だ眠いらしく頭がぼんやりしている。やっぱり3時まで起きていると調子が変だなと彼女は思っていた。何時もなら2時前には寝ているためそう思っている。そこに徹夜でもピンピンしているソラが現れた。

「おはようございます。」ソラはにっこり口元が笑っている。彼は徹夜でも大丈夫な男だった。

「おまえ。かなり遅く寝たのに良く平気だな。」レッドは頭がボーっとしておりソラのことが羨ましかった。そんな事を知ってか、知らずか微笑んでいる。

「私は昔から徹夜や夜遅く寝ても平気なんです。」にっこり笑いソラは答えた。レッドはソラが凄いなと思っている。フレイヤはレッドのマグカップにコーヒーを注いでいる。

「レッド様。コーヒーが出来ましたよ。」フレイヤはそう言った後料理も持ってきた。レッドはありがとうとフレイヤに言った。

「ソラって見かけよりもタフなんだな。」レッドはそう言ってコーヒーを一口飲んだ。そこにマサヒトも目を覚まし二人の会話を聞いていた。彼も頭がボーっとして働かない。何でこいつ平気なんだよとマサヒトは思った。

「よく言われます。」ソラは微笑んで答えた。彼は仕事柄深夜の仕事もしていたので慣れてしまっていた。そんな事は知らないマサヒトはこいつ意外と大物タイプだと思っていた。マサヒトは半分寝ぼけている。レッドはマサヒトや真人が見たことの無い赤い実を食べていた。レッドは真人にも3粒あげた。

「其れをマサヒトにもあげて。目が覚めるから。」レッドはそう言うとシャッキっとした顔になった。

真人はマサヒトに変わった。マサヒトはこわごわ赤い実を見つめた。

「何か。やばい物じゃないよな。」心配になりマサヒトはレッドに尋ねた。

「やばい物ならあげる訳無いだろう。」レッドはにっこり微笑んでそう言った。マサヒトは思い切って食べた。やたら酸っぱいなと思ったが目が覚めてきた。

「その実はおはようの実って言うんだ。」レッドはくすくす笑って答えた。まんまだなとマサヒトは呟いた。レッドとマサヒトがちゃんと目が覚めたところで食事始まった。祈りをささげた後オムライスとウィンナーとサラダが朝食だった。レッドは食べる方でサラダだけ大盛りだった。意外と食べるんだなと真人は思った。マサヒトも食べる方で全部大盛りである。

「君達、結構食べる方なんだ。」シアンは目を丸くした。彼女の場合戦闘が多く食べないと体がついていけないという。

「サラダだけって事はやっぱり食べるのを気にしているんだ。」頭の中で真人はそうマサヒトに言った。

「そりゃ年頃の少女だからな。」マサヒトはレッドのフォローをした。食事が終わるとレッドは作戦会議を開いた。彼女は話を聞いていると思うが俺の隙をついて長官の部屋に魔物がやってきたと話している。話の本題に入った。フロントから別の鍵を出した。

「無論。皆の部屋を変えたいと思っている。」彼女はそう言ってボックスを出して鍵をその中に入れた。

「くじ引きするのか。」マサヒトはそう言って最初に引いた。次にシアン。そして長官夫妻とフレイヤが引いた。ソラが最後に残った鍵を取った。

「レッドは同じ部屋なのか。」シアンは下心を見せた。

「ああ。そうなんだ。あそこの方が長官を守れるから変えなかった。」レッドはそう答えて部屋の場所のことはそれっきり口にしていない。もしかしたら大ヒントかもしれないと狼三匹は心の奥でそう思った。ソラは7階8階9階辺りかもしれないなと確信した。後でしらみつぶしに見てみるかと思っていた。

「後、見張りは交代制にする。後でくじ引きで決めるぞ。」レッドはそう言って部屋を出て行った。彼女は大広間で考え事をしている。何で今頃カケルの夢ばかり見るようになったんだろう。きっと彼のことが忘れられないのだろう。忘れたくも無いとレッドは一人ソファーでうずくまっていた。頭の中ではカケルのことで一杯になった。どうしようもなくレッドは悲しくなっており涙がこぼれてきた。それがどんどん膨らみ泣き出した。カケルの笑顔ばかり頭をよぎっている。レッドの帰りが遅いので様子を見に行った。2階の大広間にソファーでうずくまっているのが見えた。近づくにつれてレッドが泣いているのに気づき慰めようとして近づくが何で泣いているのか知ったとき今まで感じたことが無いほど胸が苦しくなった。

「カケル。何故俺を置いていったんだ。」レッドは涙声でそう言った。それはマサヒトにとっては新しい始まりだった。未だレッドは彼氏のことが忘れられない。もう死んでいる男なのにとマサヒトは思いながらも今の言葉を聞かなかった振りをして探している振りをした。

「レッド何処に居るんだ。」彼はきょろきょろしてレッドを探している様に探している。レッドはマサヒトに気付き涙を拭いた。

「俺はここだ。」レッドのその顔に泣いていた面影は無い。そのことがマサヒトの心を締め付けた。レッドはいつものように振舞っていた。無理してるなとマサヒトは思った。フロント近くに戻ってきた。

「さあ。くじ引きで見張りを決めるぞ。」レッドはそう言うとぞろぞろとくじを引き始めた。最初はコンコンらしい。

「俺は4番目か。」レッドはそう言った。今日の見張りの順番が決まった。1番目がコンコン。2番目フレイヤ。3番目マサヒト。4番目レッド。5番目ソラ。6番目白虎の順だ。なお長官一家は戦うことが出来ないので除外した。狙われているので見張りをやらせるのは危ないと判断した。


死んだ男を忘れられない少女の話でした。

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