十七話 悲劇
過激な描写もありますので注意してください。
黒翼は仲間の男と話し合っている。
「お前の相棒コンコンを探しに行ったきり戻ってこないな。」モンスターバスターの男は言い始めた。
「トラップに引っかかったらしい。遠くの方へ飛ばされたじゃないか。」黒翼はそう言って周りを見た。魔物の気配がしたので圭一・雅人・美加を近くに置いた。魔物が来るぞと声が聞こえた後魔物達は沢山来たがいつの間にかフィルダも参加していたらしくフィルダの魔物もいた。
「おいおい。フィルダも来たか。」モンスターバスターの男はそう言った黒翼は拳銃で魔物を発砲したが数が多く対処しきれない状況だった。男はナイフ使いで魔物の喉を掻き切り殺していた。
「応援呼んだ方が良くないか。」男はそう言った。その頃、鳥のような飛行機が避難所近くの上空に飛んでいる。それが来るまでには時間は掛からない距離だ。まだモンスターバスター達は魔物を退治するのに忙しく全く気付いていない。一体何匹来ているのか分からないほど多くの魔物が来ていた。避難してきた人の一部が別の場所へ逃げ出そうとするが魔物に阻まれて逃げる事が出来なかった。魔物達はまさか爆撃機が近くに飛んでいるとも気が付いていないようだ。
「この調子でモンスターバスターを殺すぞ。」魔物達の気分は最高潮になっていた。オーと何匹か答えている。その間にも爆撃機は近付いていた。魔物達に数人のモンスターバスターがやられて倒れた。
「今回は我々の勝利だ。」魔物達はそう言った。その時上空に爆撃機が到着した。そして爆弾を落としていった。魔物も巻き添えを食らうとは思わなかったらしく何でと思った。黒翼は美加圭一雅人の上に覆い被さりシールドをした。おかげで死なずに済んだが爆風で木片に当たり黒翼は怪我をした。爆発も治ったとき周りを見渡すと生存者は4人だけだった。魔物も巻き添えになったので周りは死骸と死体だけだ。さっき話しかけた男のモンスターバスターも死んでおり死体の一部がどこかに吹き飛んだ状態だった。風だけが聞こえた。
「他に生存者は居ないのか。」彼はそう叫ぶが誰もいなかった。まるで戦場に居るみたいだと彼は思った。今レッドが黒翼の怪我を治している。
「この状況で良く助かったよ。」黒翼はそう言った。
「生存者3名を違う避難所に連れて行った方が良くないか。」友広はそう言った。
「それはオレがする。」黒翼は治療が終わりそう言った時美加はある事を思い出した。
「そういえば、マー君のお母さん。マー君を捜しに郵便局の方に行ったのを見たよ。」美加のその言葉に真人とマサヒトは真っ青になり始めた。
「いつ頃。」レッドはそう聞くと1時間前かなと美加はそう言ったので急いで郵便局に向かった。
その途中マサヒトは瓦礫に小さな手が出ている事に気付いた。まさかオレのせいでとマサヒトは思った。
「こうなったのもオレのせいだ。」マサヒトはそう言った。レッドはどうしたんだと尋ねた。マサヒトは不思議な少女に刺激的な事を起きて欲しいと願い今のようになったのではないかとマサヒトは言い始めた。
「多分あの子はそんな事をしない。何か別の理由だと思う。」レッドはその子を知っていた。
「知っているのか。」真人はマサヒトの口を借りて喋った。
「あの子は敵じゃない。かといって特別味方って訳でもない。」レッドはそう話した。中立の立場って訳かと二人の少年は思った。
「早く真人のお母さんの所へ行こう。彼女が心配だ。」レッドはマサヒトに言って一緒に真人の母友子を捜した。しばらくすると郵便局の敷地は見えたが建物は崩れていた。そこに友子はいた。真人とマサヒトが入れ替わろうとした時魔物の気配がした。レッドとマサヒトは急いで友子に近付くが魔物の方が早かった友子は魔物に刺されて倒れた。マサヒトが大剣で魔物を斬った後真人と入れ替わり友子のところへ来た。
「お母さん。ごめんなさい。」真人は涙をためてそう言った。
「良かった。真人が無事で。」友子はそう言った後亡くなった。もう少し早く家に帰っていればとこんな事にはと真人とマサヒトは思った。夜が明けて朝になっても真人は後悔していた。コンコンはもうレッド達の所へ戻っている。美加は真人の気持ちが分かった。
「食事食べないの。」レッドは真人に話しかけた。
「いらない。」真人はそう答えた。
「何か食べないと。」レッドはそう言うとほっといてくれと真人は怒鳴って言い始めた。八つ当たりだと真人も思ったがどうしてもっと早く帰らなかったと同じ考えがグルグル回っている。マサヒトも気持ちは分かったが何て言えば真人が元気を出すか分からなかった。しばらくして真人は少しだけ食べた。どんな状態でもおなかはすくので食事をした後、又、真人はぼーっと考え始めた。マサヒトは見かねて真人をシアターに入れて入れ替わった。
「真人があんな状態だからしばらくオレが表に出る事にした。」マサヒトはそう言った。避難所にはモンスターバスターと自衛隊が食料を渡している。モンスターバスターは表向きはボランティア団体と名乗っている。モンスターバスターが見張りをしていた甲斐もあってかトラップの数も減っていた。今日もトラップ外しをしている。レッドは一人になりペンダントを見ている。赤い勾玉である。其処に誰もいないはずなのに声がした。
「レッド様。敵の居場所を掴んできます。」そう男の声がした。比較的若い声だ。
「頼んだぞ。右近。」レッドはそう言った後右近の気配が消えた。レッドがネックレスを仕舞った後マサヒトはレッドに声を掛けた。
「一人で何しているんだ。」マサヒトはそう言うと何でもないとレッドは答えた。
爆撃は続き避難してくる人が多くなってきていた。爆撃は最初夜闇市だけだったが数が増えて山神県の他の地域まで広がっている。モンスターバスター達は山神県に集まっている。
「もうこっちの避難所は一杯です。違うところへ行ってください。」自衛隊の人はそう言った。
「他の所でもそう言われました。お願いです。どこかにいさせて下さい。」比較的若い母親が小さい子を連れてそう言った。子供が母親から離れて一人で遊んでいるところに爆弾が落ちてきた。爆発した方を他の人が見て子供が犠牲になったぞという声を出した。母親は最初誰の子だろうと思ったが子供が持っていたおもちゃが散乱していたので、すぐ我が子と気が付き悲鳴を上げた。
「いやああ。」母親は泣き叫んだ。
「どうしてうちの子だけ。」母親は絶望した。その日の午後その母親は首つり死体で発見された。発見したのは近所の子供だった。ポコペンをしようとして木に近付き木の上に何かあると思ったが人だとわかりショックを受けた。
「まさか子供を追って死ぬとは。」ひそひそと避難所の人々は言い始めた。
「しかも。見つけたのが知り合いの子らしいぞ。」誰かがそう言い始めた。
「可哀想に今その子口がきけなくなったらしいよ。」誰かがそう言った。悲劇は立て続けに起きた。レッド達もその一報が聞こえて黙祷した。トラップは大分減り引っかかる人もいなくなった。
「早く敵の本部が何処にあるか探さないとこの悲劇は終わらないじゃないか。」マサヒトはレッドにそう言った。
「今使いの者に調査を頼んでいる。もう少し待て。」レッドはそう言った。真人はボンヤリとスクリーンを見ている。内容が頭に入らない状態でずっと同じ考えが回っている。魔物は一時期より減っている。遠くまで行ったのか分からないが数は減っている。右近は調査に手間取っているのかその日のうちに帰ってこなかった。真人は心細かった。秀信は帰ってこないし友子は亡くなってしまった。この分だと父さんも何処かで死んでしまったのだろうと真人は思った。
「外に出てこい。気分転換も必要だろ。」マサヒトは真人にそう言った。真人は言われてシアターのスクリーンの中に入りマサヒトと交代した。今は夜で何人かは寝ている。圭一は寝言を言っておりルナの夢を見ているらしくルナと言っていた。ルナを亡くしたときの圭一の気持ちが何となく分かったような気が真人にはした。肉親なので多分感情は少し違うと思うが大切な人を亡くした点では同じだろうと真人は思った。
「真人。落ち着いたか。」レッドは真人にそう言った。
「少しだけ。」真人はそう話した。食事はマサヒトがしていたので真人はおなかが減ってない。美加は目を覚ました。フーちゃん今頃何して居るんだろうと美加は思った。まさか藤子の正体がレッドだとは未だ彼女は知らずに心配していた。フクロウがその様子を見ていた。
***********************************************
真人は翌日の朝、家に帰ってみるともう家が壊れている状態だった。結界はもう切れていた。藤子の家も同じ状態だった。
「思っていたより酷いな。」レッドはそう言った。結界が切れる前にどうしても必要な物だけ別の場所に置いたのでひとまずこの事件が終わったら引っ越さないといけないと思っている。この事件が終わったら真人は秋田に行く事になっている。両親が居ない今、一人で生活するのは大変だった。爆撃が怖いから親戚の人は来られない状態だが終わった美加達やレッドと別れなければならなかった。
「レッド。オレが秋田に行ったら君は何処に行くつもりなんだ。」真人はそう言うとレッドは自分が居た記憶を周りの人から消した後に秋田に向かうかも知れないと話した。
「ただ、今は記憶処理班も大変だから時間は掛かるかも知れない。」レッドはそう答えた。そうかと真人はホッとした。その後二人は避難所に向かった。
「マー君。何処に行っていたの。」美加はそう言った。
「家の状態を見に行っていた。」真人は美加にそう言って自分の寝るスペースに座った。
「ほぼ倒壊していた。藤子の家の方も壊れていたな。」真人の言葉に美加は真っ青になった。
「フーちゃんは何処。まさか未だ家の中に。」美加はそう言うとレッドが藤子の姿をした。
「ごめん美加ちゃん。ずっと黙っていて。心配掛けちゃったね。」レッドが藤子の姿になったので美加は驚いた。圭一も雅人も驚いた。
「何だ。藤子がレッドだったのか。」雅人はずっと見守ってくれたのかと思った。圭一は複雑な心境になっている。何処かで爆撃機が爆弾を落としているのか少し揺れた。未だ悲劇は終わってないのだ。病院ではけが人が多数運ばれてきた。
「もう薬が足りません。」看護士は医者に言い始めた。この爆撃で薬の流通もストップしており新しい薬が入ってこない状態だった。医者も困っていたとき支援物資としてとして薬が来た。同じ頃航空自衛隊が戦闘機を出して爆撃を止めようとしたがパイロットが不在なのに爆撃が止まらない事に気付き攻撃命令を上官に求めた。その時鳥のような飛行機が変形し前の方にミサイルを出して発射した。弾道らしく追ってきて飛行機のレーダーに回避不能とでた。
「うわああ。」航空自衛隊の隊員の男は悲鳴を上げた直後死亡した。自衛隊隊員達は既に5名以上死亡している。国の命令は未だかと隊員達はやきもきしている。
「あの飛行機は見た事がない。K国の物ではない。」写真を見ながら隊員達は言った。K国じゃないとすると何処がと自衛隊の人は思っている。レッド達は朝食を食べ終えた。食べ盛りの四人はこの食事でも足りないくらいだがそうも言っていられなかった。食べられるだけでもありがたいと思っていた。どんな状況になっても人間は順応してしまう。もうこの振動にも慣れていた。
この日の午後雨が降り始めた。魔物の気配が漂ってきた。ジャックピエロと鎧武者の気配だったのでレッドとマサヒトは急いでその場所に向かっている。森林公園跡である。木がなくなり広場と化している。人がいない場所で何かをしている。もう一匹魔物がなにやら唱えている。
「防具強化の魔法だな。時間が経つと魔法も切れるからな。」レッドはマサヒトに説明をしている。今終わったらしく直ぐその魔法を唱えた魔物は居なくなった。
「丁度良いタイミングできたな。」ジャックピエロはマサヒトにそう言った。
「もう少し早かったら危なかった。」鎧武者はそう言って鎧の音を立てて動き出した。ジャックピエロは10本ナイフを出した。レッドは鎧武者の鎧に剣が当たったが鎧武者には効いていなかった。ヘタをすれば剣が折れてしまうとレッドは思い一旦離れた。
「拙者が述べたとおりだろう。」鎧武者はそう言い始めた。マサヒトはナイフが飛んでくるのを大剣で防ぎながらジャックピエロに近付いた。そして攻撃をしようとしたとき1本のナイフで止められた。
「まだまだだな。小僧。」ジャックピエロはそう言い始めた。そうしてキックをジャックピエロはしたのでマサヒトは倒れそうになったがこらえた。危ない。危ない。倒れるところだったとマサヒトは思った。レッドは鎧武者の刀に剣が当たり金属同士が当たった音がした。
「無駄じゃ。拙者の魔法が解けぬ限りお主には勝ち目がない。」鎧武者はそう言った。解かしてみようとレッドは思い呪文を唱えた。小娘に解ける魔法ではないわいと鎧武者は答えた。簡単な魔法ではないのだ。レッドは呪文の途中で銃声がなったので止めた。黒翼がショットガンを撃ったのだ。鎧武者は吹っ飛んだが体にも鎧にも傷一つ付いていない。
「自信があるのもうなずけるな。コレで傷一つ付いてないからな。」黒翼はそう言った。鎧武者は何度も撃たれたら流石に堅い鎧でも壊れてしまうと思いジャックピエロと共に居なくなった。
「黒翼。雅人の警護は。」レッドは黒翼にそう言った。
「宇佐子と友広に任せた。ひとまず此処から離れるぞ。爆撃機が近くに飛んでいる。」黒翼はそう言った。確かに爆撃機が来てもおかしくはなかった。じゃあ戻ろうかとマサヒトは言い始めた。レッドもそれに賛成だった。彼女も一度避難所に戻ろうと思っていた所だった。三人は避難所に戻ってきた。フレイヤは何処に行ってた}のですかとレッドに言い始めた。
「未だ歴史の勉強していないでしょう。」フレイヤはそう言った。フレイヤさん。ちゃんと仕事していたんだとマサヒトと真人は思った。
「ごめん。魔物の気配がしていたから。」レッドはそう言って歴史の勉強を始めた。ホロンド語なので他の人には何が書いてあるのかさっぱり分からない。真人とマサヒトはなんて書いてあるか読めたが今は見る気がしなかった。2時間後勉強が終わりレッドはホッとした。次は1時間後に国語をやる事になっている。雅人も黒翼と勉強をしており真人もしなきゃ駄目かなと焦りも感じていた。美加は勉強道具一式持ってきたらしく自習をしている。圭一も勉強をしていたが途中で居眠りをし始めた。
「圭一。居眠りしている。」マサヒトはそう言うと美加は圭一を起こしている。
「寝ちゃ駄目だよ。圭一君。」美加はそう言って揺さぶって起こしている。
「ルナ。オレ寝てないよ。」彼が寝言を言っている。
「ルナじゃなくて美加だよ。起きて。」美加の言葉に圭一は目を覚まし哀しそうな表情をした。
「夢か。」圭一はそう言って又勉強をし始めた。真人も勉強道具を貸して貰い勉強を始めた。レッドも藤子としての勉強をし始め、雨が降る日を過ごした。右近からの情報がこない。殺されたか調査中だなと彼女は思いながら待つ事にした。雨は夜まで続いた。右近がやっと現れた。
「時間が掛かってしまい申し訳ありませんでした。」右近はそう言った。
「無事で良かった。相手はなんて名前だ。」レッドは右近に尋ねた。
「奴の名前はミッドナイト・ムーンというテロリストです。」右近はそう話している。あいつかとレッドは思い始めた。
10連休の最後の作品が此れになるとは。ハードモードなので結末迄見てください。




