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魔物の微笑み  作者: 宮川ちい
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10話 哀しき少女

本日2度目の投稿。2章目クライマックスです。

レッドは後ろを振り向くとルナがいる事に気が付いた。彼女は銃を使うらしく一丁持っていた。レッドは素早く剣を出して構えた。

「お前が吸血鬼か。」レッドはそう言い始めた。

「吸血鬼のルナよ。」ルナはそう答えた。しばらくして真人がやってきた。レッドは真人だと気付き、その姿はどうしたと言っている。真人は大剣を出し手構えた。大剣が出たと真人は驚いている。戦えるのかとレッドは不安だった。

「後で話す。」真人は、そう言い始めた。ルナが発砲したとき弾道が見えてよける事が出来た。今まで出来なかったのにどうしてと思いつつも彼は戦っている。レッドはルナの銃を斬ろうとしたが避けられた。ルナは危ない危ないと思い始めた。彼女の唯一の武器なので壊れたら戦えない。真人は大剣を軽々操れた。思ってたより軽いと真人は思いつつルナを斬ろうとしたが避けられて風を切っただけだった。ルナはレッドを突き飛ばした。その際レッドの銃が落ちた。真人はルナの銃を斬った。あえなくルナの戦意を失った。

「どうして鳳凰の力が欲しかったんだ。」レッドは起きあがりそう尋ねた。

「私の恋人を生き返らせるためよ。」ルナはそう話し始めた。

圭一(けいいち)じゃないのか。」真人はそう言うと四百年前に死んだ男よとルナは答えた。彼女には四百年前フィアンセがいた。もう顔は覚えてないが大切な人だった。ある日星を見に山に出かけた。星空が綺麗な夜だった。

「綺麗だろ。ルナ。」男はルナに言い始めた。ルナはそうねと言って星に見とれていた。其処に男は指輪を出した。

「結婚しよう。」男からのプロポーズにルナは嬉しかった。

「ずっとこの星空を見ながら生活したいわね。」ルナはそう言った。しかし幸せは続かなかった。吸血鬼がルナのフィアンセを殺しルナの首筋を噛み永遠の夜をルナがさまよう事になった。

「未だ結婚式をしなかったの。生き返させる事が出来たらどんなに幸せか。」ルナはそう言い始めた。その頃圭一は目を覚まし真人がいない事に気付き音楽室に行ってしまった事に気付き急いで階段を駆け上ったが普通の人間の彼は、凄く疲れる作業だった。急がないと永遠にルナに会えないような気がしてしかたなかった。お情けで生かして貰ったみたいだと圭一は思いながら走っているが息が切れていた。この時だけ普通の人間が嫌になる事はなかった。音楽室が見えてきた。レッドはルナに言い始めた。

「鳳凰は死んだ人間は生き返らせる事は出来ない。一回死んだ人間だけしか生き返させる事は出来ない。本当かどうかまでは。」レッドはそう言った。

「何よ。それ絶対出来ないじゃない。」ルナは生きる希望を失い殺してと言い始めた。死んだ男がよっぽど好きだったのだろう。

「オレも大切な人を亡くした。でも生きなきゃ駄目だ。」レッドはそう言うがルナは死んだ魚のような眼をしている。

「私の体はもうボロボロで最後のチャンスだったのに。」もう後1年も持たない状態だった。生きるために人を襲っていたのでおそらく最後のチャンスだった。

その時レッドから銃を奪い自分のこめかみに当てた。そして今まで見せた事がないくらいのとびっきりの笑顔を見せた。その直後銃声がした。

圭一はドアを開けてルナの死体を見てうわあああと悲鳴を上げた。その直後レッドに言い始めた。

「お前は絶対許さない。ルナを死に追いやって。」圭一はレッドに言い始めた。近くに、ルナと思われる指輪(ゆびわ)がレッドの方に来た。ルナがフィアンセに貰った物で新品同様の輝きを放っている。しばらくして、死体処理班が来た。レッドはモンスターバスター本部で報告書を作り上司のカミラシ・スフォンに提出した。

「恨まれても仕事だから仕方ないですよね。」レッドはそう言った。彼女はルナが助けられなくてショックだった。そしてあの時の圭一の顔が昔の自分とかぶり辛さも知っていた。

「落ち込まないでください。きっと分かり合える日が来ますよ。」スフォンはレッドを励ました。

「はい。」レッドはそう答えた。近くにフレンチがいる。

「スフォンたらレッドには甘いんだから。」フレンチはそう言うと妹同然に育てられましたからとスフォンは答えた。真人と圭一が屋上で話している。

「あの子につらい事いちゃったな。あの女の子も大切な人を亡くしたって言っていたからな。」圭一はそう言い始めた。そういえば大切な人を亡くしたって言ってたけど、どんな人なんだろうと真人は思った。彼は自分が二重人格者でマサヒトという人物が普段戦っている事を告げた。圭一は驚いたが、ある事を言い始めた。

「そう言えばお前の首締めてごめん。」圭一は言い始めた。真人は死にそうになったので怒るかとマサヒトは思ったがにこりと笑った。

「結果的に死ななかったら、気にしてないよ。」真人は心が広かった。記憶処理班に圭一のルナの記憶を消されると思ったが消されずに済んだ。二人は仲直りをした。レッドは本部から帰ってきて真人と圭一が未だいる事に気が付きひとまず仲直り出来たみたいだなと思った。月曜になり事情の知らない雅人と美加には恋人が死んだとは言わず別れたと答えた。

「もう別れたのかよ。」雅人はそう言い始めた。藤子は複雑(ふくざつ)な心境で話を聞いている。もし藤子がレッドだとばれたら殺されるかもしれないと危惧(きぐ)をした。真人も内心はらはらしている。一応圭一が恋人と別れた理由は喧嘩として別れたと言う事にしたことにしている。

「何で喧嘩したんだよ。この間帰らなかったのって恋人の家にいたんだろ。」雅人はそう言うとマサ君不潔と美加は言い始めた。

「まあ。そうなんだけど。」圭一はあっさりと認めた。

「でも言っておくがキス中に気絶したから彼女が俺を家の中で介抱(かいほう)してくれただけだ。」圭一は答えた。

「それでも不潔。」雅人はそう言った。そんなやりとりを見て美加は白い目で見ている。真人は苦笑いをしている。藤子は二人とも仲が良いなと半分あきれている。そこに圭一がある事を言った。

「そういえば真人藤子と付き合っていないんだろ。だったらオレが藤子と付き合っても問題ないだろ。」圭一はそう言った。最初冗談(じょうだん)だと真人は思った。

「切り替え速い。」真人はそう言った。

「圭一君不潔。」美加は怒りながらそう言い始めた。恋人と別れたばっかりなのにと彼女はそう思っている。

美加と藤子はブランコに乗っている。圭一君があんな子だとは思わなかったと美加は思いながらブランコに乗っている。

「ねえ。本当にマー君と付き合っていないの。」美加はそう言い始めた。

「うん。」藤子は答えた。二人はブランコをこぎながら話している。

「ふーちゃんはマー君の事をどう思っているの。」美加はそう問いかけた。

「最近真人君がなんだか背が高くなってきたような気がするの。」藤子の言葉でふーちゃんもマー君の事が好きなんだと美加は思った。でも藤子自身は気が付いていない。強力なライバルになりそうだと美加は思いながらも今は友達としていたいと思っている。その様子をコンコンが青春だコンねと二人を見守っている。春風が二人の前に吹いてきた。気持ちいいと美加と藤子は思った。夕暮れになると魔物が来るので夕暮れ前には美加と公園を出て藤子は一緒に帰り始めた。フレンチは吸血鬼事件が終わりほっとしたのもつかの間今度は刀コレクターの惨殺死体を見ている一刀両断に切れており刀が凶器とした事件を担当していた。刀が何本か盗まれており魔物か人間の仕業か未だ分からないが斬った人物は刀の腕が良いと皆思っている。

「刀を盗んだって事はコレクターか。」秀信はそう言い始めた。未だこの時警察しか知らない事件だった。もうに二件おきている。

「でもこの間刀を持っていない人も同じ手口で殺されていますよ。」フレンチはそう言い始めた。

「試し斬りでもするのか。」秀信はやっかいだなと思っている。そんな事があったとも知らず真人は藤子と食事を取っている。

「今日も父さん帰らないの。」真人は母親の友子にそう言い始めた。友子は最近父さん忙しいのよと答えた。優太はお代わりをしている。豆太も食事をしている。

「優太食べ過ぎちゃ駄目よ。」藤子はそう言うとハーイと優太は答えた。夕食が終わり藤子は岡田家でお風呂に入っている。友子が子供だけでガスを使うのは危ないからと言ってはいる事になってる。最初の頃は何でと思ったが友子の思いやりに気付きありがたく入っている。真人が一番最初にはいる事になっている。真人も最初はドキドキしていたが3ヶ月もなると慣れた。最も去年の8月に来たと記憶が刷り込まれているので友子はもっと前から岡田家のお風呂を使っていると思っている。

「真人兄ちゃん。一緒に入ろう。」そう言ってのは優太で弟が出来た気分で毎日お風呂に入っている。正体は白虎であるともう藤子から聞いていたので元の姿でも大丈夫なのにと思ったが万が一のために人間の姿に入っているんだよと彼は答えた。藤子が入り終えて家の方に戻っていった。家のはいるとレッドの姿になった。こっちが本当の姿である。

「今日は真人の方は魔物との遭遇はなし。」そう言ってパソコンに今日の報告を書いている。それを付けてから優太が帰ってきて白虎の姿になってソファーに座った。パソコンを使った後電源を消す作業をした後寝てしまった。少し時間をさかのぼる。圭一はマネキン工場に来た。ルナが存在していた証拠を探しに来たが既にモンスターバスターが全て持って行ってしまったのでなかった。未だ彼はルナの事が好きだった。レッドはロケットペンダントとルナの指輪と生き返らせるはずだった男の指輪を置いて隠れて様子を見ていた。圭一は三つのルナの所持品を見つけた。

(これ)で良かったのか。」レッドは小声でウエディングドレス姿のルナとタクシードを着たフィアンセの男を見てそう言ったルナは哀しそうに笑った。

「良いんです。彼には、ルナの事を忘れないで欲しいんです。」男はそう言った。

「あんたのライバルだろ。」レッドはそう言ったが男は哀しそうに笑っている。圭一は涙を流した。

「ルナ。」そう言って圭一はルナの三つの所持品を見て泣き始めた。しばらくしてレッドは圭一に気付かれないように去っていった。そして現在に戻る。圭一はペンダントがロケットペンダントだと気付き開けると古い写真の主は圭一にそっくりだった。此がルナのフィアンセだと気付き余計に哀しくなった。翌日ルナが持っていたロケットペンダントを真人に見せた。

「オレにそっくりだろ。ルナは複雑だったんだろうな。」圭一は彼にそう言い始めた。真人は何を言ったらいいか分からなかった。

圭一は真人に言い始めた。

「俺は好きな子が守れなかった。お前にも同じ思いは味会わせたくない。自分の好きな子は自分で守れ。」圭一はそう言い始めた。青年と同じ事を言っているなと思ったが真人はそうしようと思った。二人がいる屋上は澄み切った青色で其処に飛行機雲が二つ見える。

「分かった。」真人は答えた。二人は会話を終えた後昼食の時間が終わりそうなので教室に戻っていった。この学校は給食があるが弁当だった。味はあまり美味しくないと美加は思いながら食べている。もう食べ終わり藤子と話している。その姿を真人は見ている。雅人が話しかけてきた。

「お前さ。レッドが好きなのか。それとも藤子か。」雅人の言葉に真人は同一人物だよと言いたかったが圭一の前では言えなかった。

「オレも気になっていたんだ。」圭一はそう言った。

「レッドに会ったのか。」雅人は圭一にそう言った。あの子レッドって言うんだと圭一は言い始めた。真人は困り始めた。その時助け船が来た。

「おーい。席に着け。授業を始めるぞ。」先生がやってきた。助かったと真人は思い始めた。圭一に美加はレッドの事を知らないと話しその話題は美加の前ではしないようにと真人は言い始めた。美加は時々男子三人が何を話しているのか分からず仲間はずれにされた気分になっている。もうお年頃なんだから無理に混ざらなくても良いんじゃないかと他の友達に言われていたがどうしても気になるのだ。確か1月頃から始まった。2月の時真人と雅人が喧嘩する少し前から二人でこそこそ話していたが圭一も加わりこそこそ話している。内容は聞き取れないような声で話しているので分からない。読心術でも覚えれば分かるかも知れないが覚えられないだろう。美加はそんな事を考えていた。藤子は美加に気にしない方が良いよと言っている。藤子は大体三人がこそこそ話している時はレッドの仕事の話や魔物の話をしていると見当が付いていた。他の人に話しても信じないのであえてこそこそ話している。

「でも気になるんだ。」と美加はそう言い始めた。そんな事を藤子は思い出しながら授業を受けている。今数学で小学生の時はやらなかったマイナスの数字の使い方を習っている。それの足し算引き算をいやっており今美加が答えを黒板に書いている。

「山下。正解。」数学の先生はそう言い始めた。答えが合っていてほっとした。指を指された時は答えられるかどうか不安だった。未だろくに覚えていなかったからだ。他の人も必死に授業に追いつこうとしている。しばらくしてチャイムが鳴った。


***********************************************


ホロンドの何処かで、ある少女がレッドの住み込みの家庭教師に選ばれた。

「私がですか。」少女は驚いた。異世界の日本の事を全く知らないのに選ばれたので驚いていた。

「頼むぞ。」男の声がした。姿は見えない。

「分りました。やれる事はやってみます。」少女は答えた。彼女はレッドより年上である。その頃又刀コレクターが死体で発見されて刀が数本盗まれていた。貴重な村正が中に含まれていた。

「村正が綺麗な状態だったと仲間に自慢していたそうです。」フレンチは秀信にそう言い始めた。

「やっぱり犯人は刀コレクターか。」秀信はそう言い始めた。凶器はコレクションの一つで被害者の胸に突き刺さっていた。心臓一突きである。この夜闇市に刀コレクターが多いのは理由は分らないが映画の影響だろう。そんな事を秀信は思った。同じ頃連続刀コレクター殺人事件の犯人の若い男はある物を探していた。

「何処を探してもフェニックスソードが無い。日本にあるというのはデマか。」若い男は嘆いている。男は20代前半でブランド物のスーツを着ている。かなりの美形である。何匹かの魔物を連れている。ちなみにフェニックスソードはレッドの愛剣である。

「でも綺麗な状態の村正が手に入ったし収穫があった。」男はそう言い始めた。未だこの時レッドは自分の剣が狙われているとは思ってもみなかった。いつも通り真人を帰らせた後真人の家でババ抜きをしていた。もう真人は1位か2位で抜ける事が多くなった。マサヒトは圭一の運を吸って勝っている事を言うか言わない方が良いか考えていた。結果言わない事にした。圭一はリングをネックレスにして身につける事にした。こうするとルナが守ってくれそうな気がした。翌日真人は気が付いた。

「それ。ルナの・・・。」真人はそう言うとそうだよと圭一は答えた。ルナの事が今でも好きだという意思表示でもある。藤子も気が付いたがそのことはふれなかった。

「おはよう。」藤子は圭一に言い始めた。ルナの指輪は不思議な事に美加を始め普通の人には見えていないらしく注意される事もなかった。まるでオレの勾玉みたいだ真人は思った。彼も勾玉に関しては注意は受けていなかった。

「多分魔力が入っているんだと思う。何百年も綺麗な状態でいるなんて、それしか考えられない。」藤子は小声で真人に言い始めた。そうだよなとマサヒトも思い始めた。圭一はそんな事を知らずに生活をしていた。もうそろそろ5月には入ろうとしていた。そろそろ部活を決めなければならない季節だ。部活見学もしてマサヒトはサッカーをやってみたいと密かに思っていた。やるのは真人だが肝心の彼は何やろうと迷っていた。雅人と圭一はバスケ部に入ると言っていたのでバスケにしようか前からやりたかったサッカーにしようか悩んでいた。悩んでいる間にもゴールデンウィークが迫っていた。


理由は何であれ自殺は良くない。

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