糾弾のアララ その①
「――先に行って受け入れの準備をしておこう。くれぐれも気を付けて欲しい――道中」
「道中?」
「いずれ分かる――先に進めば」
ふらつきながらもマショウは立ち上がり、背の高い植物が生い茂った草原の向こうへと消えた。
「気をつけろって言われてもねえ……」
毒蛇でも出るんだろうか。
「とにかく進みましょう。【人体進化研究所】の施設なんて、普通なら見せてもらえないわ」
「ミアのパンツと比べるとどっちがレア?」
「……私のパンツよ」
「それ本当? ちょっと誇張してない?」
「う……、僅差で【人体進化研究所】の施設の方が貴重だわ」
そうか。
まあ、めったに見られないものが本当に貴重かどうかなんて人それぞれだと思うけど。
ちなみに僕は、研究施設なんかを見るよりミアのパンツが見たい。
きっと世の中の男子の大半がそうだろう。
基本的にみんな、女の子のパンツ好きだよな?
……違うのか?
違うかもしれない。
自信なくなってきた……。
「えーくん、ちゃんとついて来てよ」
気づけばミアは先に歩き始めていた。
「そんなに急いじゃ転ぶよ、ミア」
「子どもじゃないんだから大丈夫よ」
「そう?」
なんて、僕が返事をしたとき。
今まで味わったことのない鋭い衝撃が、僕の肩を貫いた。
「!?」
攻撃だ、と頭が理解する前に体が動いていた。
ミアの体を抱え、木の影に身を隠す。
「え、えーくん、どうしたの!?」
「どこかから攻撃を受けてる。敵の位置までは分からない」
「この傷……! すぐ治してあげるわ!」
ミアが僕に治癒魔法をかける。
攻撃を受けた僕の右肩は血まみれで、骨と皮でギリギリ体に引っ付いているような状況だった。これじゃ使い物にならない。
「これも【人体進化研究所】の実験かな?」
「……そうかもしれない」
言いつつ、ミアが周辺のマップを空中に投影する。
だけど、映像がぶれてうまく表示されない。
「探知妨害を受けてるわ」
「どういうこと?」
「それなりの魔法の使い手がいるってこと。多分、【人体進化研究所】の人たちだわ」
「なるほどね」
つまり、また厄介ごとに巻き込まれちゃってるってわけだ。
なんでまた、みんなそろいも揃って僕を殺しに来るのかな?
「……ごめんなさい、えーくん。私のせいでこんな目に」
「いや、いいんだよ、別に。悪いのはミアじゃなくて、僕をこんな目に遭わせる奴らだろ」
周囲に敵の姿は見えない。
だとしたら、遠距離攻撃か。
超長距離からの攻撃、いや、狙撃……!




