デッドでハザード その②
「あなたの名前は?」
「ロプテだ。この街のギルドに所属する冒険者だ」
「あの家を壊したのはあなたなんですね?」
「ああ、そうだ。ギルドの依頼を受けて壊した。だが、それ以外のことはやってねえ。空き家だと聞いていたんだ」
「依頼主は誰ですか?」
「ギルドからの依頼だとしか聞いてねえ」
「心当たりは?」
「……ない」
「なるほど。次は親指を切り落としましょう」
「わ、分かった。あいつだ、恐らくラギリルというギルドの職員だ。ギルドからの依頼は、ほとんどあいつが管理している。あいつなら何か知ってるはずだ」
「ラギリル。へえ……。では、次の質問です。あなたは魔法を人間に向かって発動しましたよね? どこでその技を覚えたんですか?」
「強化薬の効果だ」
「強化薬?」
「最近、一部の冒険者に配られるようになった、あの注射薬のことだ。身体能力と魔力を強化し、魔法の制約を一部解除することができる。使用には苦痛を伴うが、慣れりゃ問題ねえ」
「その薬は、どこから手に入れたんです?」
「知らねえな。……いや、本当に知らねえんだ。これもギルドから配られた薬なんだ。それ以上のことは知らない」
「これは興味本位で聞くんですけど、その薬は誰でも使えるんですか?」
「そんなことは薬を作ったやつに質問してくれ。これ以上のことは知らないっていってるだろ!」
男――ロプテさんは半狂乱になりながら叫んだ。
僕は、そんなロプテさんの喉元を蹴りつけ、彼の意識を失わせた。
「……ということらしいよ、ミア」
「分かったわ」
部屋の隅の方にいたミアが、思案顔で僕の方に歩み寄ってくる。
「この人、どうしようか」
「ギルドに帰してあげましょう」
「え、大丈夫かな」
「ギルドの中で動いてくれる駒は、必要だと思わない?」
「なるほど、この人にスパイをさせるわけだね?」
「そういうこと。うまくいけばえーくんの両親を殺した人にも、強化薬とかいう薬の秘密にもたどり着けるわ」
「冴えてるね……」
悪くない考えだ。
それにしても、今度はギルドが相手というわけか。
ラギリルって奴がどんな人間か知らないけど、そいつが僕の両親を殺した犯人なんだろうか。
どちらにせよ、今みたいな荒っぽい手段を使わないで済むような相手だといいんだけど。
「さて、それじゃミア、仕事にとりかかろうか。僕はどうすればいい?」
「とりあえずこの人を動かしましょう。説明はそれからにするわ」
第六章「鬱血編」はこれにて完結です!
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