表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
31/351

あぶな荘のデッドな即死 その⑤


「目くらましのつもりか!?」

「そうかもね!」


 粉のせいで視界は悪い。

 だけど、関係ない(・・・・)。相手も条件は同じだ。

 それに、僕の攻撃は相手に通る(・・・・・・・・・・)


「【追尾(ストーカー)】!」


 僕は床に散らばっていたテーブルの鋭利な破片を拾い、ロットのいるだろう方向に投げた。

 破片は綺麗な弧をを描いて、粉の舞う部屋の中を飛んでいく。


「なめるんじゃねえ!」


 白い靄の向こうで、何かが叩き割られる音がする。

 多分ロットが、僕の投げた破片を砕いたのだろう。

 別にそれで構わない。

 敵の位置は掴んだ。

 攻撃してこないってことは、相手はまだ僕の位置を把握できてないってことだ。


 やれる。

 今度こそ一撃で決める。


「【死線(デッドライン)!】」


 ロットの背中が見えた。

 完全に死角を取った。


 僕の背後の鎌がロットめがけて振り下ろされる。

 だけど、その鎌が当たる直前、


「やっぱりてめえは落ちこぼれだな!」

「!」

「【切断(キル・ユー)】!」


 ロットは僕の方を振り向きもしなかった。

 だけど、その攻撃は尋常じゃなかった。


 ロットを中心に、酒場全体が切り裂かれていく。

 まるでロットから全方向に無数の刃が放出されているように。

 っていうか、多分、実際そう(・・)なんだろう。


 そして、その中心部近くにいる僕の体は、見る見るうちに細切れにされてしまっていた。


 指先が、腕が、肩が、膝が、太腿が、脇腹が、肺が、千切れ血飛沫とともに弾け飛ぶ。

 圧倒的な破壊。

 猟奇的な玉砕。


「これは、僕じゃなくても死ぬ……」


 そう呟いたとき、僕は死んでいた。

 そして生き返っていた。


 目の前で小麦粉の大袋が引き裂かれ、酒場全体が真っ白になり、何も見えなくなる。

 敵の攻撃、一発ずつしか撃てないってわけじゃないらしい。

 さっきので決めるつもりだったけど仕方がない。

 打開策が見つかるまで、長期戦覚悟でいく。


「目くらましのつもりか!」

「さっきまではね!」


 とりあえず僕は、死ぬ前(・・・)と同じように、机の破片を拾って投げた。

 その破片は、案の定ロットによって砕かれた(音がした)。


「落ちこぼれがいくら頭を使ったって、結局は浅知恵なんだよ!」


 ロットが怒鳴り、見えない刃を放つ。

 いや、正確には、見える(・・・)刃だ。

 ロットの刃は空中に舞った粉を巻き込みながら、僕に迫ってくる。


 見えるなら、躱せる。

 たとえ音速で迫るような攻撃でも、何度も死んでステータスの上昇した僕なら、躱せる。


 僕のすぐ横をロットの攻撃が通り過ぎ、酒場の壁を滅茶苦茶にした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ