横難横死と笑えない雑魚。 その⑥
「まあ、そんなことよりさ、お兄様。さっさとけっちゃくをつけるんだよ。あたし、お兄様につきあうのもあきてきちゃった」
「飽きたのなら、僕に構ってくれなくていいじゃないか。むしろ僕は誰からも干渉されないで生きていきたいと思うタイプだよ」
「そういうわけにもいかないんだよ。お兄様は今までいろいろな人たちをころしちゃってるんだから。干渉されないようにして、わるめだちするタイプなんだよ、お兄様は」
「……一理ある。いや、二、三理くらいあるかも」
「いちいちうるさいんだよ。ころすよ?」
「やってみれば?」
その瞬間。
僕の腹部に、強烈な一撃が決まった。
ツヴァイちゃんのパンチだ。
「……おのぞみどおりなんだよ」
ぐはっ。
ヤバい。
意識が飛ぶ。
内臓が破裂する。
「おっと……そんな風に僕の挑発に乗っちゃっていいのかい?」
僕はツヴァイちゃんの腕を掴んだ。
「関節技なら、どうかな!?」
そのままツヴァイちゃんの背後に回り込み、羽交い絞めにする。
「……お兄様、そんなにあたしとふれあいたかったんだ?」
「いや全然。それだけは否定させてもらう」
「じゃあどうしてこんなことするんだよ?」
「関節技! 関節技だって! 全身が死ぬほど痛むだろ!」
と言ってみて。
僕は気付いた。
なんか、手ごたえがない。
「ざんねんだけど、お兄様。ふつうのこうげきが効かなくても、かんせつわざならこうかがあるかもなんて、かんがえが安直すぎるんだよ」
ツヴァイちゃんが僕から離れる。
ずるりと地面に落ちたのは――僕の両腕だった。
「あれ?」
「【切断】……だから言ったんだよ。きかないこうげきをわざわざしかけてくるなんて、あたしにさわりたかったとしか思えないから」
ツヴァイちゃんの蹴りが僕の頭部を襲う。
即死だった。
そして、生き返った。
「まあ、そんなことよりさ、お兄様。さっさとけっちゃくをつけるんだよ。あたし、お兄様につきあうのもあきてきちゃった」
「……僕だって飽きてきたころだ。早く決着をつけたい。もちろん僕の勝利で」
どうすりゃいいんだ。
どうすりゃこの不死身の化け物を殺せる?
僕はツヴァイちゃんを見た。
……あれ、待てよ?
僕、何か勘違いしてるんじゃないか?
白衣が元に戻るのなら、治癒能力じゃないんじゃないのか?




