プロローグ
快晴。
時刻 7時 42分
気温 17°
湿度 42%
風速 5m/s
異常気象の予報は特に無し
「気持ちいい朝だ……今日も良く晴れている。」
白波 京は特殊機能の付いた腕時計を左腕につけ、身だしなみを整えた。
今日は調子が良さそうだ。朝のパンもうまく焼けた。
4月1日、最初の登校日である。
俺は玄関の鏡で服装、髪型の最終チェックを行うと、扉を開け、颯爽と歩き始めた。
俺の名前は白波 京。中学の頃のあだ名はケイちゃん。身長は176cm 体重は64kg 見た目はどちらかと言うとクールな感じだ。
自分で言うのもあれなんだがな……。
他の人からは目が鋭いと怖がられることが多い。
そこは自分でも納得済みだ。
俺が向かっているのは国立京都学園北高校。俺の出身は東京なんだが訳あって関西の高校に通うことになった。
その理由というのも色々とあるのだが…。
まず最初に言っておく。
────── 俺は能力者だ
能力というのは、つまり、通常の人間には不可能なことが可能であるということ。
詳しい能力を話すことは出来ない。だが、国内屈指の能力者を集める名門高校からわざわざ推薦状が届いたという事実がその有用性を示す唯一の証拠だ。
それと、この左腕にしている特殊時計。これは、時間、気温、湿度を示すのは当たり前、異常気象や数ヶ月後の天気まで教えてくれる優れ物だ。
これが無ければ、俺の能力は行き当たりばったりなものになってしまう。
少し話が長くなってしまったが、要するに俺は少し変わっている。