下校
オマリは何度も僕たちに頭を下げ、
逃げるように帰っていった。
「ルマ、何があったの?」
その横顔は冷たいまま、始めて会った日の馬車の中と同じ。
でも、あの時の胸の高鳴りはもう無い。
どうしちゃったんだい、ルマ?
「もう、守り切れない・・・」
「ルマ・・・?」
その悲しげな目から水滴が、落ちた。
僕はそれが新しい魔法なんだと思ったけど。
そっか、ルマもただの女の子だったんだ。
空を見上げる、
どうしてこんな気持ちになるんだろ。
君のすすり泣きが、鼻を吸う音が聞こえる度。
この綺麗な空が壊れてしまっても構わないと思う。
僕はどうしたらいいのかな・・・?ルマ。
なぜか泣きたくなってきた僕が鼻をすする。
「ごめんなさい・・・」
君が謝る事じゃない。
「何か僕に出来ることは・・・?」
「いい・・・、何も・・・」
そう言って首を振るルマ、自分の非力さが嫌になる。
あ、そうだ。
と思ってポケットからハンカチを取り出す。
「受け取ってくれる・・・?」
ルマにそれを差し出すと、少し笑ってくれた。
「あり・・・がと」
鼻をかむ音がして、洗って返すねと言われる。
初めて友達らしい事を言われた気がした。
校舎を出て、直ぐ側の学園寮まで一緒に歩く。
うつむいたままのルマの目は、何を見てるんだろ?雲って見える。
僕に出来る事は、本当に何もないんだろうか・・・?
もっと何でもないことを沢山話したかったのに、
嫌な魔法がそれの邪魔をする。
僕は何の為にこの学園に来たんだろう。
あれ?道の先に誰か座り込んでる。
ノートン一派のあの小さい子だ、何やってるんだろ。
「こっち」
その子は僕らを見るとそう言って歩き出した。




