放課後
「やめて!」
この声は・・・、ルマだ!
慌てて廊下の窓から下を覗き込む。
あれは、ノートン一派とそれに囲まれたルマ!
それと、オマリ?
急いで階段を駆け下りる。
オマリはずっとテストで1位で、魔法もノートンに次いで上手くなってる。
やっぱり目をつけられたんだ。
今じゃテストの成績がいい人間(僕も含めて)以外も魔法が使えるようになっていて、
ノートンも気にしなくなったと思ってたのに。
でも、どうして?ルマ。
オマリをかばってるように見えたけど、
僕とも、誰とも仲良くしないんじゃなかったの。
どうしてオマリを・・・。
ああ、ダメだ。
僕も魔法の影響を受けてるのかな、嫌な事ばかり考えちゃう。
今は走れ!
「それ以上近づかないで」
よく通る声が聞こえる。
ルマ!君のその手に・・・炎が。
僕やノートンなんかよりずっと大きい、ルマも魔法が使えたんだ・・・。
「し、知らないのか?無断で魔法を使ったら厳しい罰があるんだぞ」
「そしてあなたは一生消えない大火傷を負う」
オマリがルマの背中に隠れる。
そうだ、見てる場合じゃない。
「ルマ!大丈夫かい?もうすぐ先生が来るよ!」
ノートンがふくんだ笑い顔でこっちを見る。
「エミル、だったっけ。田舎者くん、嘘ならもっと上手くつくんだな」
「う、嘘じゃないや!」
「仮に来ても、あいつらは何もしない。だってここは生徒達の自治に任されてるんだから」
「自治・・・?」
ルマが悲しげな目で僕を見る、どうしたの?
僕はどうしたらいいの?ルマ。
その手から炎が消える。
「まだ気付いてないのか・・・?」
「何をだ!」
自分の言葉を味わうようにノートンが語り出す。
「ここでは強い奴、人をおとしめた奴が魔法を使えるんだ」
「・・・どういう事?」
「俺は色々試したぞ。こいつらをいたぶって、戦い合わせて魔力の変化を見た」
ノートン以外の連中の表情が沈む、友達なのに仲良く出来ないなんて。
ルマがうつむく、そんな顔しないで。
お願い。
「なんだ、もっと利口な奴だと思ってた。お勉強頑張って俺を倒すつもりじゃなかったのか」
「魔法はそんな風に使うものじゃないだろ!」
「プッ、ハハハハハ!」
ノートンが笑う。
その周りの子が僕をじっと見る。あ!あの小さい子。
ちゃんと来てたんだ、良かった。
「そのがり勉の次に倒すつもりだったんだが。いいぜ、ついでにお前ものしてやる」
ルマの目に光が戻る、鋭くノートンを睨みつける。
「・・・次の機会にな」
そういうと、ノートンは歩き出す。
一派がそれに付き従う。
「覚えとけよブス、すぐお前より強くなってやる」
捨て台詞と、僕の肩にぶつかった痛みを残してノートンとその一派は去っていった。




