授業中
「魔法は神が世界を作った際に使われた言葉とされ、森羅万象をつかさどる力があると言われ・・・」
先生の声が下品な笑いにかき消される。
その笑いが収まると、隣の教室からも同じような笑い声が響く。
こういったら悪いけど、授業は凄くつまらなかった。
魔法の成り立ちや王国の建国記。
ひたすら年表を覚える勉強かそれとも、
ヒエログリフ・ルーン文字・神代文字の書き写し。
これって魔法の役に立つのかな?
既にノートン一派(ノートンと地元グループに僕がつけた名前)は飽きて教室の隅で遊んでるし、
他の子だってメモを回したり小声でお喋りしたりして楽しんでる。
父さんは良く、学問は大事な物だって言ってたけど。
これなら家の手伝いをしてた方が体を使う分すっきりするよ。
「ね、回して」
後ろから脇をつつかれ体がびくっとする。
「もう、それやめてってば」
「ほら、早くっ」
小さく折りたたんだメモを渡して来た赤毛の女の子はナーシャ・オルビン。
勉強の邪魔しないでって言ってるのに、僕を挟んで前の子と仲がいいからよく三人で話してる。
田舎が近いらしいけど、凄く垢抜けててケラケラとよく笑う。
笑う度に短い赤毛が揺れて。そう、駆けっこした時もその赤毛が凄い勢いで追い抜いていった。
女の子に負けたのは初めてだ。
回したメモを見て噴出してる事があるけど、
先生、どうして注意しないんだろ。
真面目に授業受けてるのがバカみたい。
出席さえすれば何しててもいいんだ!
ってノートンが言ってたらしいけど、これってほんとの事だったんだ。
でも、来たからにはちゃんと勉強しないと。
学問は大事だって父さんが言ってたし。
窓際の席のルマは、今日も一人でちゃんと勉強してる。
僕も頑張らないと。
「この言語の元になったのは竜語と言われているが、今の所その存在は化石の中でしか発見されておらず・・・」
先生の声がノートンの下品な笑い声にかき消される。
その笑いが収まると、隣の教室からも同じような笑い声が響く。
授業は凄くつまらない。
これって、何かの役に立つのかな?




