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入学式

「こんな快晴の下、君達を向かい入れられたのは幸運と言わなくてはならない・・・」

「この学園は可能な限り、学生の自治によって運営されており・・・」

「各自が学園の生徒であるという事を自覚して責任ある行動を・・・」

「場合によっては強制退学もありえるが、基本的に授業への参加は義務ということを・・・」

「学園外での魔法の使用は禁止されており、これに関してのみ厳しい罰則が・・・」


入学式はよく晴れた朝に行われ・・・、学園の理事・理事長・校長・副校長・教頭などなど。

そんな人たちの長い呪文が呪いのように延々と続き、僕たちの頭を空白の中へ誘う。

そっと視線を横に向けると、何人かの男子を挟んでルマの横顔が目に入る。

白いワンピースのようなキャソックの上に紺と緑のローブ、その上で黒髪が揺れている。


眠くないのかな?その目は静かに前を向いている。

そういえば僕も真新しい制服を貰ったんだ!

男子用はシャツ・パンツにローブ。

成長盛りだから少し大きめのを頼んだけど、変じゃないよね?

もうこれでルマと並んで歩いても見劣りしない。

でも、ルマはなんであんな事言ったんだろ・・・。


式の前にクラスメートの自己紹介があったんだ。

「私はルマ・パッツィー。最初に言っておきますが、誰とも仲良くする気はありません」

なんて言って皆を騒然とさせていた。

僕もビックリした。

仲良くできないのかな、それは僕とも?

どうしてこんな悲しい気持ちになるんだろ。


「ちっ」

舌打ちをしたのは、前に僕を駅で突き飛ばした男。

確か、ノートン・リアスって言ったっけ。

あの連中のボスみたい。

地元のサウスブロンクス出身者のグループで、ずっと一緒に行動してる。

仲がいいのか分からないけど、なんかやな感じ。

いつも隅っこでコソコソ言って大笑いしたり、人を値踏みするみたいな態度でとにかく偉そう。

うちの親なら絶対許さないな。


「えー、話が長くてそろそろダレて来たみたいだね」

壇上で話す白髪交じりの先生の声で笑いが起こる。

赤いローブに司教杖を持って、白髪と同じで口ひげにも白いものが混ざった。

でもそこまで年寄りに見えない。

くぼんだ目の奥に静かな光が宿った、不思議な先生。


さっとその先生が右手を上げる。

小さな火の玉が上空に打ちあがり、それが何かに着火するように広がり空に文字を作った。


 WELLCOME


盛大な歓声があがる。

今までの退屈を打ち破るように、皆が何かを叫んでいる。

僕も!

そうだ、僕は・僕らは入学したんだ。

この由緒ある学園に。

「君達の健闘を祈ります、解散!」

まるで運動会でも始まるような言葉で、僕らの学園生活は始まった。



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