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第二話 Doctor of Monster 

ツーダ先生、異世界で雇用契約を締結。

かつての人魔停戦条約とそれに続く人魔律法協定。

それは相互の不信感と憎悪に蓋をし、種族間の絶滅戦争を避けるべく先人たちが知恵を絞りぬいて纏めた世界の法だ。

異なる種族に対する根深い不信感を知悉していた先達達なればこそ、その協定と条約には偶発的な事故防止のために幾多もの防止策が盛り込まれている。

故に、世界は仮初ながらもある種の勢力均衡を保つことを成し遂げてきた。


それは、つまるところ、現状の変更に対する挑戦の萌芽に対する集団的な牽制をも含む。

だからこそ、そういった協定と条約を前にして『サートゥの審問術』のような大規模な魔法の行使について、隠し立てすることは難しい。


それはあまりにも露骨に境界線を揺さぶる術式であり、腕の良い魔術師であればすべからく境界線の揺らぎを感じ取れるものだ。


取り分け、鋭敏な魔力感覚を有するドラゴン族やエルフ族にしてみればなおさらだろう。


何かが、呼び出されたのだということは直ぐに分かる。

純人族のある王国が、禁術に手を染めたのではないかという憂慮。

なにしろ、王国に隣接する彼らにしてみれば案ずる根拠には事欠かない。


王位継承権争いというのは、どの種族にとっても政治的な混乱を嗅ぎ取るに足るものなのだ。


だから、彼らは律法協定に基づき公然と釈明を求める書状を送りつけ始めていた。

そうして、王国枢密院は飛び込んでくる各勢力からの糾問の書状に直面する。




「ハイニート山のドラゴン評議会から、境界線に生じた揺らぎについて釈明を求める書状が届いております。随分と、おかんむりのようですぞ」


「クッチャーネ・ケンタウルス共和国からは、直接糾問の使者が。枢密院会議が終わり次第、説明を求めると使者殿は随分と激昂されておいでだ」


「私なぞ、ヒ・ルーネ・ミノタウルス五族長老会の長老補佐官に締め上げられそうでして。納得頂くのは、相当に厄介でしょうな」


「ダラダラ大公国からは、代表としてダラダラ大公国タートル艦隊から提督級の使節が親善を兼ねての来意を告げてきましたぞ。当然の慣例として、艦隊を連れて来る気でしょうな」


苦虫を噛み潰したような表情で、枢密院にずらりと並んだ貴顕らはお互いにウンザリとしたような表情で、それぞれが取次ぎを担当している勢力から押寄せてくる濁流の如き問い合わせへの苦悩を同僚達と分かち合う。


「……隠し立てすることもできまい。事情を説明せよ」



国王陛下の容態が好転したという吉報に安堵して喜ぶ間もなく、しかめっ面で責任をお互いに押し付けあう枢密顧問官ら。


なにしろ、彼らはとてつもない問題の種を抱え込んでしまっている。


当初の予定では、報酬を払い、『サートゥの審問術』で召喚した存在を送還したと告げれば各勢力にも申し開きは十二分に可能なはずだった。


……筈だったのだ。


が、予想だにせぬ事情によって彼らは『白紙の小切手』を『ツーダ』なる存在に渡してしまっているのだ。


無論、真実の説明を拒絶することも不可能ではない。

即座に、周囲の全種族と全面的に相争うか白を切りとおすかという覚悟さえあれば、だが。

協定案と条約に基づく相互査察の権利によって求められれば、王国の枢密院とて拒絶は難しい。


だが、では、真実を告げるべきか?


「反対です! あのような存在に白紙の小切手を掠め取られたなど、諸外国に知られればわが国の立場は! あの『ツーダ』はウッカリー法務官に対する呪殺容疑で秘密裏に処罰すればよいではありませんか!」


立ち上がった、若者。

ああ、ナント家の人間かと溜息をつく年配者たちの苦悩も知らずにまくし立てる若者だが、しかし、『白紙の小切手』の不味さは誰もが理解している。


なんなれば、『サートゥの審問術』で召喚した存在を送り返しもせずに、白紙の小切手を渡して王国内に住まわせていますなどと諸種族に告げればどんな誤解を招くか分かったものではない。


白紙の小切手を渡してまで、王国にとどめるということ。それは、『それほどの代価』を払ってまで王国が『ある問題への答え』を渇望している証左だと受け止められるだろう。


頭が痛いことに、歴史上、白紙の小切手の先例は一件だけ存在する。


ある帝国の始祖の事例。


彼は、『世界征服の方法』を求めて『白紙の小切手』を『サートゥの審問術』で呼び出した『ハーン』なる大悪魔に差し出した。その結果、人族・魔族のどちらにも大災厄と記憶される『タタールの呪い』が世界を襲ったのだ。


重苦しい雰囲気に沈みかけていた枢密院の会議場。


「私に、お任せください! ナント家の名誉にかけて、あのツーダを王国から……」


響き渡る若者の威勢の良い声は、だがしかし、スクリ、と立ち上がった二人の男によって遮られる。


「黙れ! チャッカリー、この大ウツケが!」


ナント伯爵家の傑物と讃えられるシッカーリ法務卿は、感情も露にはき捨てるのだ。

貴様は、事態を理解しているのかこの弩阿呆が、と。


「さよう。皆様、愚弟がお騒がせいたしました。どうぞ、ご容赦願いたい」


そうして、恥辱この上ないとばかりに軽率な言葉を吐き連ねる愚弟を睨みつけながら、ナント家の家名を背負うアッサーリ第一法務審議員もまた頭を下げていた。


「あ、アッサーリ兄上!? シッカーリ叔父上まで!」


「下がれ! ナント伯爵家の名誉を考えよ!」


叔父と兄に一喝されスゴスゴと引き下がっていくチャッカリー法務官を見送る枢密院の面々。

そして、シッカーリ法務卿は場を取り繕うかのように一先ず家名を代表し謝意を述べると、改めて現状について諸卿の認識を問うていた。


曰く、つまり、問題は『白紙の小切手』ではありませんか、と。


古い契約、この『サートゥの審問術』などまさにその典型例である類の契約は確かに厄介である。

なんなれば、近代魔術行程による標準化措置が契約術式に組み込まれていないのだ。

それは特定の機能を確実とすべく特化させ、他の制御や安全性を度外視したが故の結果。


「そうであるが故に、このような禁術とされる術式は非常に微妙な運用が必要とされるのですが……」


と言葉を少し濁しつつ、しかしシッカーリ法務卿は言葉を揺らすことなく


「ウッカリー法務官の件で少々、現場の人間が動揺してしまった、ということでしょう」


お陰で、と彼は言葉を紡ぐのだ。

我々は、根本において見落としをしてしまいました、と。


契約とは、双務的なものだ。

望むものと、代価。

それは、交換だ。


「王の快癒という望みの答えを我々は得ています。そして、あの毒蛇、ああ、違いました、ツーダでしたか、そう名乗る存在は秘薬をコチラに差し出しました」


つまりは、契約において『代価』を確かめることなく現場は『取引』を行ってしまったのだ。

誰もが、王の不予と現われた存在の異様さに気を取られて忘失してしまっている事実。

それは、今になって白紙の小切手という問題と化しているのである。


「ホーム防衛同盟連邦のエルフ十人委員会に過去の契約例を照会したところ、やはり、そのような先例がいくつか」


「何故、事前に彼らに照会しなかった……、ああ、つまり、知られるわけにはということか」


「枢密院高等法院も、コチラは白紙小切手を契約上渡したことになるだろうという見解に同意しています」


そして、法務担当者らが一様に口を揃えるのは、解釈で『白紙の小切手』を誤魔化すことが不可能だろうという事実。


「なんたることだ! では、我々はやはりあの恐るべきツーダに対して言い分を唯々諾々と受けねばならないということか!」


故に、魔術の深奥を覘いたことのある貴族らは一様に嘆息せざるを得ない。


「反故には出来ないのですか?」


「魔術の神聖契約を破る? それこそ、境界線の揺らぎでどんなゆり戻しがくるかわかったものじゃない。まして、アレだけの存在なんですよ!」


「関係者全員が呪詛でのた打ち回りますね。下手をすれば、子孫もだ。それぐらいの永続性を私は感じてしまいます」


諸勢力に対する配慮もさることながら、事は彼らの安寧にも直接関わる微妙な問題なのだ。

ウッカリー法務官の防護を一瞬で無効化するだけの存在に契約上の白紙小切手を渡した挙句、反故にすれば『相応の因果律』の応報を彼らは受けることになるだろう。


「やはり、では、我々は交渉してその結果を諸勢力に告げることいたしましょう」


故に、限られた選択肢の中から辛うじてマトモな未来を掴み取るべく、シッカーリ法務卿以下、法務担当者は胃のむかつきを堪えつつ、己の最善を尽くすことを誓う。


白紙の小切手を握っている相手とはいえ、しかし、交渉で要求の落しどころを探ることは可能だろう、と僅かな希望に縋る彼ら。


「……その件について、少々問題が」


「何かね、宮中魔導師殿?」


だが、彼らはまだ、知らなかったのだ。


……白紙の小切手は。


「その、あれほどの存在を放置するわけには行かず我々は呪痕や各種干渉魔術でツーダに諸々の封印をかけております」


「ああ、報告書は読んだとも。……もしや、それは魔術契約上、『権利の侵害』にあたるのかね?」


……白紙の小切手が。


実は、二枚渡されてしまっている、ということを。


はた、と困惑した表情でシッカーリ法務卿が頭痛を堪えかねて頭にそっと手を伸ばしす様。

焦燥感と、殆ど絶望に近い表情で

それは誰もが同情の眼差しで見ざるを得ないほど憐れさを催す光景だ。


「はい、申し訳ありません。その、完全に封印できていれば、そのような異議を申し立てられることもないとは思うのですが……」


「あれのどこが封印できていると?」


誰かが吐き捨てた言葉が全ての事実を物語る。

制御しきれず、封印することもできないツーダ。

そして、事もあろうにツーダには二枚のカードが握られている。


それは、王国にとってあまりにも重大な未来を招きかねない代物だ。


「ああ、つまり、そのツーダは我々に二つ、要求できるということになるわけですね。なんということだ……」


呆然とした表情で、天を仰ぎながら魂が抜けていく感覚のままにシッカーリ法務卿は我知らず、嘆いていた。


どうせよというのか、と。


「法務官、外務官、卿らには難題だろうが……なるべく、我々が呑めるところで落しどころを探したまえ」


「微力を尽くしましょう。ですが……どうか、相当の難題となることをご理解いただきたい」



故に、法務担当者らは殆ど絶望的な交渉に望む覚悟で宮中の一角に臨時で設けられたツーダの控え室に足を運んでいた。


魔術的に、一切の干渉を肉体の外部に発せず、かつ、内部へ発することを封じられたある種の束縛状態にあるはずのツーダ。

つまりは、魔法を行使しえなくなり、なおかつ、白紙小切手の要求を長らく王国が黙り込むことで結果的にせよないがしろにされて怒り心頭であるだろう相手の下に交渉に向かうのである。


相当に渋られるか、無理難題を吹っかけられるだろうという恐るべき悪寒に駆られた彼らの心境は悲壮そのものというほかにない。



だが、というべきだろうか。


この世の終わりを告げかねない表情で交渉に向かった彼らは、信じられない幸運を手にしたとばかりに吉報を抱いて枢密院に駆け戻っていた。




「上手くいきました!」


開会早々に喜色満面の笑みを浮かべて叫ぶアッサーリ第一法務審議員。


「ドクター・ツーダの要求は次の二点です!」


どんなことでも二つ要求できる恐るべき存在を相手に、交渉をやり遂げたのだ、と誇らしげに彼は枢密院に報告する。


「第一に、ツーダは己の世界で認められていた法の保護を求める、と。第二に、M.Dとしての権利の確認と保障を希望するといっています」


端的な要求。


それは、契約の要求としては、文面上はそれほど差し障りのないもの。


だが、シッカーリ法務卿にとってその簡潔さは逆に猜疑心を招かざるを得ない条文である。

『ツーダが認められていた法の保護』と『M.Dなる権利の確認と保障』。

細部を詰めないことには、とてもではないが恐ろしくて受け入れがたいと老獪な幾人かの枢密院の人間も危惧を抱く中で、疑問を抱いた人間を代表し、シッカーリ法務卿は甥に尋ねていた。


「漠然としている。説明を」


「第一は、最低限の文化的な生活や、彼の公務上の法的な権限の確認ときています」


それは、『医務官としてのツダ先生』が『よく分からない内に拉致され、要求を問われて』答えた要望だということを彼らは知らない。


翻訳魔法の齟齬に苦しみつつも、双方が納得した点において、それは間違いではない。

公務中であったツダ医務官の要望は、だから、アッサーリ第一法務審議員にしてみれば自分のパラダイムで再解釈される。


「公務と最低限の文化的な生活、か。つまるところ、紳士として遇せよと?」


「概ね、そのような理解が可能かと。我々の言葉に言い換えると身分保障です。法務官と外務官が確認したところ、裁判無しの逮捕の拒否、法の公平な運用、権利章典の適用、移動の自由、選挙権等々です」


それでも、一応、第一法務審議員を努めるアッサーリは用意周到であった。

一例ずつ、ツーダが希望する法の保護に関連しそうな案件をツーダに彼は直接確認済みである。


その上で、彼は、つまるところ権利章典に約束された貴族の権利をツーダが要求しているのだろうと理解したのだ。


「基本的には貴族と同等の権利と収入が約束されるのであれば要求に応じられるでしょうな」


それは、少なくとも白紙小切手に一枚具体的な金額が書き込まれたということで本来ならば大手柄というべき答え。


が、実際のところ、その契約の条項を理解すれば理解するほど枢密院の面々は慄かざるを得ないのだ。


「……それは、やはり……この地にいつくということか」


誰かが漏らした言葉。

それは、覚悟していても出来れば避けたい結末を前に躊躇する男達の偽りなき本音なのだ。

この国に、この地に、いつくのか、と。


「一応、送還してくれるならばどちらも引き下げるといっていますが……」


その点に関する限り、アッサーリも確認はしている。

送還できるならば、全ては問題ないという確約をツーダから彼は得ていた。


「無理だ。送還術式を適用しようにも、あれだけ封印や封魔術式を打ち込んでは、とても送還術式を適用させることはできない」


「外せばよいのでは?」


「ウッカーリ法務官の最期をご存知ですか? 私ならば、そんな契約にサインするぐらいならば毒ワインを選びますね。まだ、そっちの方が楽そうだ」


だが、渋面を浮かべる専門家の議論がどうしようもないという事実を物語るのである。

封印や諸々の呪術的な束縛を解けば、確かに、送還も或いは可能かもしれない。


……しかし、そうなれば、彼らは一様に死を覚悟しなければならない。


「結構。では、おぞましいがツーダ卿はたった今より王国の名誉在る貴族として遇されるだろう。領地は……まあ、これは王室直轄領からですな。最低限、ということは一代騎士爵で?」


だから、枢密院の枢密顧問官らが渋々とはいえツーダを今日より王国における自由権を保持した貴族として遇する旨を確約せざるを得なくなる。


「貴族の最低限なのか、文化的な貴族としての最低限なのかで解釈が割れるのは恐ろしい。せめて、子爵位を」


「……結構、確かに、この際止むを得ませんな。家名は後ほど領地を選定するとして、ともかくツーダ子爵の爵位を王国枢密院は承認しようと思います。異議がある方は?」


最低限という言葉と、文化的という言葉。

それらを考慮すれば、少なくとも、子爵位は止む終えないという点で枢密院の面々は極力、保身に走らざるを得ない状況を改めて実感する。


そうして、ツーダ先生はいともたやすく王国貴族の地位を他ならぬ枢密院の決議によって確約されるのである。


「よろしい、では次の……M.Dとはなんだ?」


次だ、とばかりに投げかけられる疑問はツーダ先生の求める『ドクター』としての診療行為や臨床以外の基礎研究等々の権利の是非。


しかし、困ったことに翻訳魔法にとって適切な用語がない概念を翻訳するというのは実に難儀な次第となる。

ただでさえ微妙に齟齬を生じていたケースでは、とてもではないものの鵜呑みに出来ないということはアッサーリも重々承知し、念を何度も押しながら確認した分野であった。


「つまるところ、Mに対する博士のような者であるということは理解できています。おそらく、研究者としての権限かと思うのですが……翻訳魔法が概念を理解しかねていたので」


そうして、彼は一応の理解に至った結論を報告する。


「なんでも、召喚される前と同様に自分の役割を果たしたいとのことで、そのための支援を求めておられるようでした」


それは、医師として診療してよいか、と問うツーダ先生の意図を、なんとか理解したアッサーリの努力の結果だ。


ただ、と付け加えておこう。


アッサーリを始め、この場に居並ぶ全ての人間は『ツーダ先生』を『呪術や呪痕』の専門家として認識し、その専門家としての仕事と研究への支援と保証を求めていると解している。


「相互に、誠実にあることを望むという規定も付与されることを希望されておいでです」


「……また、それは望外な。王国に知恵を貸してくれるというのか」


「呼ばれた分野に限る、とのことのようです。全てにおいて、知恵を提供してくれるわけではないようです」


××は出来て、〇〇は、微妙だ、というツーダ先生の答えは、つまるところ、理解されていない。


「ああ、つまり、研究を助けよということか。つかめてきましたぞ、あやつめ、魔術を行使できない分、その代替手段を我々に求めるということですな」


彼らは、自分達のパラダイムで理解する。


「魔術を使えない人間を、呪術の研究家として遇せよと? なんと傲慢な」


「ヘッポーコ卿、失礼だが、ツーダ卿の地位に敬意を払っていただきたい」


「し、失礼したシッカーリ法務卿」


彼らにとって、それは、全うな要求に思えるのだ。

自分の称号と、権利の保全要求。

しごく、全うな貴族らの権利と見做しうる要求。


それは、ツーダ先生にとっての理解と、貴族らの理解にとってあまりにも致命的な齟齬があるにもかかわらず、王国の貴族らにとって見れば理解できるように思えてしまうものなのだ。


ツーダ先生が小切手に何を書き込んだのか、『正確』に理解できていないということを誰一人として理解できていなかった。


「ああ、その、それで、ツーダ卿は自分の号としてM.Dの使用を認められると?」


「それが、ツーダ卿の称号であるならば、認められてしかるべきでしょう」


「結構。では、呪術並びに呪痕の専門家として、M.Dと呼称することを枢密院の名において許可しましょう」




彼らは、だから、知らない。


自分達が、何を、認めてしまったのか、ということを。

ツーダ先生は、神聖な契約において以下の権利を認められました。

王国の人間は、まだ、『自分達が本当に認めたのはどのような類の権利』かを理解できていません。


・外交特権

・法の保護

・自由権

・医療行為の許可


なお、ツーダ子爵として領地ないし収入が与えられるようです。

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