日常×非日常-3
もう後戻りはできない。
直観だが、そんな気がした。
意を決して謎のUSBを接続して…
…
なにも起きない。
あれ?
拍子抜けをしている
俺とはじめ。
画面には、PLAY中と
大きく映し出されているだけ。
「なぁ…」
「なんだこれ。PLAY中って…なんにも反応しねぇーぞ?」
PCは、なにも反応しない。
ただ…先ほどのビー玉みたいな物が
ふわりと目の前を浮遊している。
「かずま…これって…?」
「体感型のゲームなのかな?」
若干状況を飲み込み始めた。
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ファンタジー系の小説なんかでよくあるシュチエーションだ。
小説を読みながら
俺だったらこうするな。とか
こんな呪文ってないのか?
とか考えていたが、まさかこんな状況に
自分が置かれるとは、思いもよらなかった。
かずま
「実感がわかないな…とりあえず情報収集だな。」
はじめ
「お前…なんでそんなに冷静なの!?」
確かに。
でも、慌てても仕方がない。
状況を把握しなければいけないからな。
かずま
「俺の部屋は変わりないけれど、外がどうなっているか…
気になるだろ?」
はじめ
「確かに。状況を把握するためにも、周りを散策してみるか。」
とりあえず財布と家の鍵と携帯…
携帯がおかしい。見た目は俺の携帯だが、画面には…
ようこそFacial Soulへ
[ステータス] [仲間]
[持ち物] [ヘルプ]
なんだかRPGのメニュー画面みたいになっている。
迷わずにヘルプをクリック。
だが…
まだ何も記憶されていません。
会話をして、重要な物事を記憶します。
あなただけのヘルプメニューを作成してください。
やはり外を詮索する必要がありそうだ。
幸い一人じゃない。
これは、精神的に大きく違うだろう。
一人より二人。
1+1=2にも3にも成りうるのだから。
かずま
「やっぱり外の詮索をしなければ何もわからないみたいだな。」
はじめ
「そうだな。しかたない。いくか!」
浮遊していたビー玉のようなものを
ポケットに押し込み
二人は部屋を出た。