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あるゲッシーの異世界ひとり旅  作者: Kengoh


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9/16

あるゲッシーの入学準備

「さて、どうしたもんなんだろうね」


「んー、どうしたものなんでしょうねぇ」



私はその女性に答える。全然ドワーフっぽく無いんですが。


彼女はやれやれとしか形容出来ない表情で私を見た。



「…あんたのことだよ」ため息交じりだ。


「奇遇ですね、私もそう思ってました」



彼女はシーリルさん、冒険者ギルド初級ランクの教官だ。


ヒヨリちゃんの友人でもあるらしい。



ドワーフというと、小柄で髭で鍛治専門みたいなイメージなんだけど。


目の前の彼女はキリッとした美人だ。身長は150くらいかな。



就職して綺麗になった、部活の元先輩というのがピッタリ。


ヒヨリちゃんも運動部っぽかったし、きっと気が合ったのね。





勇者のヒヨリちゃん、魔王のルシエルさん、係長さんに主任さん。


彼らと諸々の相談をした後、私は眠ってしまった…らしい。



なんか記憶が曖昧なんですけど。



気がついたらヒヨリちゃんに抱えられて、ここに来ていた。


ここはドワーフ族が多く住む交易都市、名前は…後でもう一回聞こう。



その街の冒険者ギルド、シーリル教官の部屋だった。


ヒヨリちゃん、人の部屋に入る時はノックくらいしようよ。



「2対1だからなんとか勝てたけど、次は危ない…」とか呟いてたけど、


何の話をしてるのかよく分からない。なんでボロボロなの?



「シーリル!この子がひとり旅に出られるくらい鍛えてあげて!」


そう言うと、私をポイッと投げて、そのままどこかへ行ってしまった。



なんか扱いがぞんざいなんですけど。


シーリルさんもあっけに取られてるし。なんか申し訳ない。



とりあえず、自己紹介でもしておこうかしら。





「つまり、この国を旅する予定だから、基本的な技術を学びたいと」


シーリさんは、私があげたクッキーを食べながら言った。



なんかポケットというポケットがパンパンだったんですけど。


お菓子がこれでもかと入ってたんだよね。カレンさんかな?



とりあえず、シーリルさんへクッキーをおすそ分けした。


多少機嫌が良くなって、お茶も淹れてくれたので良しとする。



「はい」私は椅子に座って、足をブラブラさせながら答える。


「あと、魔法が使えるはずなんです。それもなんとかなれば」



「使えるはず、って言うのはよく分からないんだけど…」


まぁヒヨリの友達だしね、と自分を納得させている。



微妙に不本意な気分なのは気のせいだろうか。


初級魔法を受け持っている同僚に頼んでくれるそうだ。助かります。



「じゃあ、訓練場へ行こうか」シーリルさんが立ち上がりながら言う。


「ちょうど時間があるし、どれだけ動けるか見せてもらうよ」



冒険者ギルドの訓練場へ向かう。彼女は色々話をしてくれた。


私が緊張しないよう、気を使ってくれたのかな?



シーリルさんは中堅上位の冒険者だったそうだ。


まだ引退する年齢ではなかったが、後輩の育成に興味があった。



思い切って引退して、新人の育成に専念することにしたそう。


ヒヨリちゃんにはそこで出会ったんだって。



「あのお転婆には苦労させられたよ…」わ、凄い顔になってる。


「常識無いのに、力だけはSランク相当だったからねぇ」



あー、召喚されてすぐの頃かな?彼女もここで勉強したんだ。


…勉強したの?あれで?いや、深く考えるのは止めておこう。



ビーストの群れに突っ込んだり、採集依頼で山を吹っ飛ばしたりしたらしい。


そんな話を聞きながら、訓練場にはすぐ着いた。





「おお…」思ったより広い。学校の体育館くらいある。


天井もそこそこ高い。地震とか来ても平気なのかしら。



訓練場のあちらこちらでは、初々しい少年少女達が指導を受けて…ん?


わ、ドワーフだ、一人だけすごいドワーフが居る。教官かな?



「おーい、モンド」シーリルさんが呼びかけると、本物ドワーフは振り向く。


頭は角刈りで髭も剃っているがドワーフだ。手を振ってこちらに歩いてくる。



「どうしたシーリル?まだ時間じゃ無いだろう」うわぁ声も渋い。


体重を感じさせない、でも正確で安定感のある歩みだ。



その歩みがピタリと止まった。


なんだ?彼はこちらを、いや私を見ている。カッと目が見開かれた。



「イヤぁぁぁぁ、やだぁぁぁぁ、ウソ、ウソぉ、可愛いぃぃいいぃぃ」



突如訓練場に響く低音の嬌声に、周囲は騒然となった。



モンドさんは私のすぐ目前までスライディングしてくる。正座で。


「あっ、あっ、そんな、急に、なんで、先に、あっ、言って、くれればっ」



モンドさんは両手で口を押さえている。内またの正座する人初めて見た。


後、新人冒険者は放置でいいのかしら?ちょっと気になるんだけど。



「…すまん、その、しばらく発症していなかったので油断した」


「失礼ねっ!」モンドさんは吠え…いや抗議している。



「アタシは好きなものの前では正直でいたいのっ!」


彼は誇らしげに宣言する。「これが本当のアタシなのよっ!」



良いことっぽい主張なんだけどなぁ。


なんか、脳が理解するの拒んでる感じがするのよね。



「ヒヨリの知り合いだからな?無理やり撫で回したりするなよ?」


「それも失礼っ!アタシは愛らしいものの前でも、ノー、タッチを貫くのよっ!」



私もう行っていいかな?あっちで泣いてる新人さん達いるし。


はいはい、気絶した新人さんの介抱ね、じゃあ行ってきます。



え?逃げるんじゃなくてですね…


じゃ、シーリルさん、後はヨロシク。

















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