星の子の御伽噺
未投稿の別作品中に登場するお話をピックアップしたものです。
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――小さい頃、母がベッドで読んでくれた、星の子のお話。
あるとき、その星の子はひとりぼっちで、しくしくと泣いて歩いていた。
そして、その先に自分と同じように泣いていた仔を見つけて、その仔は言ったんだ。
『お母さんと逸れちゃったの』
星の子は弱々しくも、キラキラと輝いて道を照らしていた。
『僕が一緒に歩いてあげるよ』
泣いていた仔は星の子と手を繋いで、ゆっくりと歩んでいったんだ。
そして、その仔のお母さんが、星の子の光を頼りに、その仔を見つけたんだ。
その仔はお母さんに飛びついて、お母さんもその仔を抱きしめていた。
『よかったね』
星の子は親子に別れを告げて、またひとりになってしまった。
けれど、どこか胸の奥では、温かな気持ちで満たされていたんだ。
いくらか、弱々しい光も明るくなっているようにみえた。
また、あるとき。
その星の子はひとりぼっちで、下を向いて歩いていた。
そして、その先に自分と同じように下を向いていた子を見つけて、その子は言ったんだ。
『好きな人と別れてしまったの』
星の子は弱々しくも、キラキラと輝いて花を照らしていた。
『僕が一緒に寄り添ってあげるよ』
下を向いていた子は星の子と手を繋いで、ゆっくりと眠りについたんだ。
そして、その子にも迎えがきた。
その子の前には花が二輪、咲いていた。
『よかったね』
星の子は夫婦に別れを告げて、またひとりになってしまった。
けれど、どこか胸の奥では、温かな気持ちで満たされていたんだ。
いくらか、弱々しい光も明るくなっているようにみえた。
また、あるとき。
その星の子はひとりぼっちで、空を眺めていた。
そして、その先に自分と同じように空を眺めていた仔を見つけて、その子は言ったんだ。
『お友達がいなくなってしまったの』
星の子は弱々しくも、キラキラと輝いて空を照らしていた。
『僕が一緒に遊んであげるよ』
空を眺めていた仔は星の子と手を繋いで、旅に出たんだ。
そして、その仔にも友達ができた。
その仔の周りにはたくさんの友達がいた。
『よかったね』
星の子は友達に別れを告げようとして、またひとりになろうとした。
どこか胸の奥では、冷めた気持ちが広がっていたんだ。
けれど、友達は手を離そうとしなくて、星の子に微笑みかけたんだ。
『君も友達だよ』
星の子と、その仔の周りには、かつて別れた親子も、夫婦もいたんだ。
どこか胸の奥は、温かな気持ちで満たされていくのを感じていた。
いつか、弱々しかった光も明るくなっていったんだ――。
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