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その日のお昼頃
蓮華はあれ以来、バイクの音が聞こえないか、耳を澄ましていることが多かった
ずっと、ずっと、待っていた音
バイクが近づいている音が聞こえてきた
玄関から飛び出そうとして、躊躇する
バケモノが現れた日以降、一切、庭にも出ていなかった
迷っているうちに、バイクが停まる音が聞こえた
そこでやっと玄関のドアを開けた
「よっ、お待たせっす」
木本慎次郎の笑顔がそこにはあった
「慎次郎さーーーん」
あまりの嬉しさに、慎次郎に抱きついてしまった
「え、ちょ、ちょっと、キミ、蓮華ちゃん?」
「バ、バケモノ、バケモノが現れたのー。殺されるかと思った」
「え、バケモノ? ここに? 大丈夫だったんすか?」




