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水で濡らしたタオルの冷たさを我慢しながら、なんとか髪と身体をキレイに拭いた
手早く服を着替える
寒いので、厚手の着替えを選んだ
スカートはやめて、冬用の厚手のパンツにした
可愛さより、なるべく動きやすい服装を心がけた
蓮華は自宅でこのまま過ごす事は厳しいと感じ、父の妹、蓮華にとって叔母である京本広海の家に行ってみる事にしたのだ
叔母の広海は婚約者にお金を騙しとられ、それ以降は独身を貫いていた
「もう男なんかに頼らないわ。私はすべてにおいて自立した女を目指すの」
「家も建てちゃったわ。小さいけど一人暮らしには最適だし、災害に強い免震構造の家よー」
「この部屋の棚の中はぜーんぶ災害時の飲料水や備蓄用食料、携帯トイレやらでいっぱいよ」
よく遊びに行っていた蓮華
叔母の広海から、そんな話を聞いていた
「何かあったら、蓮華もうちに来るといいわ」
何度もその言葉を言われていた




