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家に向かういつもの道
毎日使う駅までの通学路だった
なのに、見知ったビル、商店街、住宅、あらゆる建物が崩れたり、完全に瓦礫となってしまっている箇所まであった
「・・・うちは大丈夫なのかな?」
蓮華は自分の家がちゃんとあるのか、心配になってきた
早く帰りたい気持ちを抑えきれず、走ろうかと思ったその時、ひときわ大きくドーンという音がし、地面が揺れ始めた
地震だ、と思う暇もなく、縦揺れ、そして横揺れと繋がっていく
辛うじて建っていた建物の一部も崩れてきた
その場に蹲っていると、数分でなんとか収まった揺れ
もうすぐ家だと安心していたのに、蓮華の心は限界だった
「もう、もう、やだーーーー」
後先も考えず、半泣きになりながら駆け出した




