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そこからは歩くスピードを上げた
瓦礫や石が落ちていたり、地面が割れていたり、隆起してたりと、平坦な道のりではなかった
しかし、思いもよらず睡眠を取れた事によって、蓮華の体力はかなり回復していた
「やった、駅だーー」
いつも使っていた最寄駅まで到着出来た
もちろんここでもたくさんの人の形が倒れていた
見ないように、見ないように、駅の外へ出た
最寄駅から蓮華の家までは自転車で5分、歩いて15分程度だ
一応、いつも使っている自転車置き場まで向かってみた
二階建ての駅前にある大きな自転車置き場だったが、完全に崩れていた
蓮華が乗ってきていた自転車が何処にあるのかすらわからない
もっとも自転車があったとしても、自転車の鍵は学校の指定カバンに入れたまま
梨々花のそばに今もあるだろう




