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もうすぐ二つ目の駅
その手前に横倒しに倒れた電車があった
前の二つの車両は火事が発生したのか、燃えたような跡が残っていた
「電車が倒れた時に、何かに引火したのかな」
なるべくその車両から離れた場所を選んで進んだ
何かが焦げ、焼けた臭いがする
物凄い臭いだ
電車の中はたくさんの乗客がいた
実際に折り重なっている人の形が窓や隙間から見えた
この臭いは・・・
蓮華はそれ以上、考えたくなかった
倒れた電車の一番後ろの車両を足早に通り過ぎようとした、その時、
「た、、、すけ、てー」
ほんのかすかにだが、小さな声が聞こえた
「え! 誰かいるんですか?」
蓮華は車両に向かって叫んだ




