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「はあー、誰も、いない、か」
ぽつりと呟く蓮華
心の片隅で、誰かいるかもしれないと期待しているのだろう
無理だろうとは思っていても、微かな希望は捨て切れなかった
蓮華は線路沿いの道を歩いて進む
そもそも線路沿いに道路がない場所もあるし、周辺の建物が崩れていたり、道路に大きな亀裂があったり、通れない箇所もあった
遠回りし、なんとか歩けそうな場所を探し、なるべく線路沿いに進めるように歩いた
二つ目の駅が見える場所
駅前はビルや住宅が建っていたであろう場所
無残にも殆ど倒壊していた
その先の道路も瓦礫などで埋まってしまっているのが見えた
蓮華は踏切部分から、線路内に入った
「線路内は普通なら立ち入り禁止だけど、今は仕方ないもんね」
そう自分に言い訳しつつ歩いて行く




