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蓮華は駅に向かって歩き出した
駅までの道は、所々、瓦礫で塞がれていたり、地震のせいか道自体が隆起していたりもした
通れそうな所を探しながら駅までの道のりを急ぐ
梨々花の事は思い浮かべるだけでも、締め付けられるように心が傷んだ
しかし
「とにかく家に帰ろう」
その思いだけで歩いて行く
「パパとママはどうしてるんだろう」
もし無事だとしたら、蓮華のことを心配しているに違いない
スマホで連絡がつかない状態なら、パパとママも家に向かっているかもしれない
家に帰れば、パパとママに会えるかもしれない
そんな希望を胸に駅への道を急いだ
なるべく目指す方向以外は見ないようにした
あちこちに人の形がたくさんあるから
ちゃんと確認しなくても、生きていないことがわかるような状態ばかりだったから




