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そう思い立ったら、とにかく帰ろうという気持ちになった


立ち上がって駅の方向を確認する


そして、歩き出す前に、梨々花(りりか)のいた場所を見つめ、目を閉じた


「助けてあげられなくて、ごめん、本当にごめんなさい」


もう梨々花の姿を確認する事は出来ないが、そこにいるかのように話しかける


「梨々花、本当に大好きだったよ。たくさん、たくさん、ありがとう」


見えない梨々花に頭を下げる


「どうなるかわかんないけど、梨々花いなくて、一人で怖いけど、とりあえず家に帰ってみるね」


そうは言っても、実際に家に帰れるのか、そもそも家や両親は無事なのかさえ、蓮華(れんか)には確認する(すべ)すらない


だからこそ、蓮華は自分で動かなければならないと思った


他に生きている人の気配を感じない、蓮華しか生きていない場所


この状態でこの場所にとどまったとしても、救助は望めそうもないのだから

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