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なんとか出来ないかと、指が、手が、血塗れになりながら、少しでも瓦礫をどかそうとしてみる
蓮華の力では、ビクともしなかった
「、、、うー、、っ、り、り・・・かー」
小さな欠片や砂状のものをいくら掻き出しても、どうにもならなかった
「あ・・・あ、ぁあー」
叫び声と共に、目に涙が溢れてきた
涙を止める事が出来なかった
それまでは現実とは思えない事と、あまりにも衝撃的な事がありすぎて、涙が出てこなかった
しかし、もう無理だった
視界がぼやけるほどの涙が次から次から、蓮華の目から溢れてくる
涙は頬をつたい、落ちていく
「うわーーー、あーーー、あ、あー」
声にならない声、止まらない涙
蓮華の嗚咽だけがその場に響いていた




