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梨々花の顔をキレイに拭き、手と、左足も出来るだけキレイに拭いた
右足は・・・近くには見当たらなかった
おかしな方向に曲がってしまっている顔と身体をきちんと整えてあげたかった
でも、梨々花の身体は冷たく、硬くなってしまっていて、動かせなかった
すでに死後硬直で固まってしまっていたのだ
「ごめん、こんな格好イヤだよね、ごめんね」
記憶の中では、ついさっきまで一緒に笑っておしゃべりしていたのに
どうしてこんな事になったのか、蓮華にはわからなかった
梨々花をキレイに拭いたら、また身体の力が入らなくなった
ストンとその場に座り込む
目の前にある光景が衝撃的過ぎて、感情が追い付かないのか、涙も出ない
蓮華はそのまま、力なく、ただ呆然としていた
どのくらいそうしていたのか、ものすごい揺れで正気に戻された




