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「湊斗さんも“ここ”に来るまで半月以上、一人で彷徨って大変な思いしてたんですもんね」
伊知地優の言葉に、湊斗が答える
「ああ、最初の頃に生存者一人を遠くから見かけたけど見失ってしまって、それ以外、慎次郎君と会えるまではずっと一人だったよ」
湊斗が見かけたという一人の生存者は蓮華のことだろう
「早めに、それほど苦労なく“ここ”に来た人の方がワガママっす」
「おいおい、そう言われると俺も早く来た方だぞ」
笑いながら優が言った言葉に慌てる慎次郎
「あ、ああぁーっ、優さんは別っすよ、もちろん」
「そうね、それで言ったら、私と慎次郎君が出会って“ここ”に来たのが最初だから、一番ワガママなのは私と慎次郎君になっちゃうわよ」
「えぇーっ、ルイさんまでー。いやいや、そんな訳ないじゃないっすか」
その場にいた全員の顔が笑顔になった
「それで、話の続きだけど、メイクはともかく、顔や全身に塗れるクリームと、唇に塗るリップクリームは調達することにしたのよ」




