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「家にいてもメイクしてたんだ、メイクしないとテンション下がるんだ、タダで持って来れるんだからいいでしょ、とか、色々言われたわ」
スーパー、コンビニ、ホームセンター、すべてのお店で今はお金を払う事はない
そのお店の店員さんも、経営者やオーナーも、おそらく皆すでに亡くなっているから
お店自体も半壊、全壊しており、必要な物を探して取って来るのも命懸けだ
それに、蓮華は慎次郎にバイクで“ここ”まで連れてきてもらったが、その道のりは安全ではなかった
道路は隆起、ひび割れ、大きな瓦礫で塞がれていたり、穴が開いていたりと、まともに通れる道はほとんどない
それを慎次郎は遠回りしたり、なんとか回避しながら進んでいた
バケモノがいるのを含め、危険な道のりだった
「“ここ”にそれなりの物が揃ってて、必要なものは慎次郎君が調達してくれて、ベッドで寝れて、災害の時の避難所より良い暮らし出来てるから、もっと、もっと、と自分本意になるのだろうね」
「マジ勘弁っす。俺は便利屋でも召し使いでもないし、避難所のボランティア要員でもねぇーっつーの」
北村湊斗が補足した言葉に、木本慎次郎は冷たい声で言い放った




