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「この家は太陽光発電だけでなく、風力発電の設備も整っていて、このリビングの電気やエアコンくらいなら稼働させられるのよ」
伏せ目がちのままで続けるルイ
「でも毎日分厚い曇り空で、太陽の光がない状態で太陽光発電が使えないから、電力は厳しいの。リビング以外のエアコン使用を禁止するくらいに」
慎次郎が大きく二回頷いた
「余計な電力は使わないように、ってルールを小林智哉 君が破ったわ。『俺はゲームをやりたいんだ』って言って、使ってない部屋でテレビとゲーム機繋いで、エアコンつけて、隠れて毎日何時間もゲームしてたの」
小林智哉、小太りなオタクっぽい男性だと蓮華は思ったが、ゲームオタクだったらしい
「まあそれなりに暴れられて大変だったんだけど、“ここ”を出ても何処にも行く当てもないから、今はゲームを我慢してる状態ね」
そう言えば大災害が起きた地域の避難所で、一日中ゲームばかりしている被災者がいるという話を聞いた気がした
蓮華もゲームは嫌いではない
しかし、今の状態でゲームをする気持ちにはとてもじゃないがなれないし、実際、叔母の家にいてもゲームなどしなかった




