あの青い空を、君と見上げる日まで

012

蓮華(れんか)は2L(リットル)のミネラルウォーターのペットボトルを取り出し、それで棚にあったタオルを濡らし、顔と手を拭いた

鏡がないから気になるところだけ拭いたが、タオルはあっという間に黒くなった

血が固まったような箇所、あちこちに擦り傷、あざ、手も足も傷だらけだった

もう1枚、棚から新しいタオルを取り出した

ペットボトルとタオルを持って、梨々花(りりか)のところに戻る

水を飲めたおかげか、先程よりは動けた

「ごめんね、一人にして」

タオルを濡らし、梨々花の顔を丁寧に拭いていく

「梨々花、おしゃれ命だもんね、キレイにするからね」

高校に入って、同じクラスになった梨々花

メイクが大好きで、いつも可愛くしていた

休みの日にはメイクしてよく二人で遊びに出掛けた

蓮華は梨々花にメイクを教えてもらっていた