111/214
111
「あ、はい、ルイさんにお返ししようと、リュックに入れて持ってきました」
蓮華はリュックからあの時に使った大きなナイフを取り出すと、伊知地優に手渡した
優は受け取ったナイフでも斬ろうとしたが、やはり斬ることは出来なかった
「うーん、何でだろう。俺じゃダメ、なのか?」
ナイフとバケモノの塊を交互に見やりながら優が呟く
「おい、慎次郎、お前、やってみてくれ」
「俺っすか? んじゃ、ナイフ、借りまーす」
今度は木本慎次郎が塊にナイフを当てた
「うっわ、何これ? 斬れないっすよ」
「なんというか、ブヨブヨしてるというか、硬くはないけれど、ナイフが入らないですね」
すぐそばで見ている佐藤ルイも困惑していた
「うーん、湊斗君は少し斬れて、蓮華ちゃんは切断まで出来たのよね? ちょ、ちょっと私もやってみても良いかしら?」
ルイもナイフを持って押し当ててみたが、何度試しても塊に刃が入ることはなかった




