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「え、私、ですか?」
「ええ、何しろ“コレ”はあなたが斬ったモノなのですから」
北村湊斗にそう言われてしまった
「う、うーん、そう、ですね、試しにやってみるのもあり、なの、か、なあ、と」
慎重に言葉を選んだつもりだったが、実はこの時点で蓮華はどちらでも良いと思っていた
斬る、斬らない、よりも、このバケモノの一部が目の前にある方が気になったし、嫌だった
慎次郎がこの塊を持ち帰ると聞いた時も、本心では「こんな怖いの、持って行かないでよ」と思っていたくらいだから
「そうね、試してみるのも“あり”ね」
「よし、そうと決まれば、言い出しっぺの俺から試してみても良いですか?」
伊知地優がルイの許可を貰い、バケモノの一部である塊にナイフを入れてみた
ところが、優が何度やってもその塊を斬ることは出来なかった
「斬れないな。うーん、京本さん、君がこいつを斬った時のナイフってある?」




