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「湊斗さん、が?」
水色ジャージと連呼していた人だなあと蓮華は心の中で思った
「ええ、彼はあのバケモノと遭遇して、一人でナイフで撃退したのよ」
蓮華は北村湊斗に視線を移す
「ああ、いや、違います。俺の場合は持っていたナイフでヤツに少し傷をつけて追い払っただけだったので、撃退とは言えません」
「それでも貴重な情報だったのよ。何しろ、そのお陰で、蓮華ちゃんにナイフを渡せたんだもの」
一人でいた蓮華の為、効果の程はわからなかったが、念の為にと持っていたナイフを手渡したのだ
湊斗からナイフでバケモノに効果があったと聞いていなければ、ナイフを渡してはいなかった
そもそも、蓮華に会ったのも、慎次郎と大きな刃物類を探していた時だ
それも湊斗からナイフでバケモノに傷をつけられたと聞いたから、だ
「そうだったんですね、なら確かに湊斗さんのおかげですね。あの時、ナイフがなかったら、私は今、ここにいないと思います。ありがとうございました」
素直にお礼を言う蓮華
「いや、ナイフを渡す判断をしたルイさんと、実際に戦った蓮華さんが凄いんですよ」




