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木本慎次郎がポケットから出した袋には、青色のような緑色のような、見るからにベトベトしていそうな塊が入っていた
その色はまさに、あのバケモノと同じ色だった
「これが、あの、バケモノの腕、なの?」
ルイが塊を見つめながら聞いた
慎次郎は蓮華を見つめる
「あ、あの、叔母の家の窓からバケモノの一部が入ってきて、それで追い出そうとナイフを振り回してたら、たまたま斬れたのが“ソレ”、です」
全員が蓮華の話を真剣に聞いている
「位置的には、その、人間で言うと手とか腕のあたりだとは思いますが、はっきりとは、えっと、ごめんなさい、わからない、です」
「蓮華ちゃん、他にも何か気づいた事はあるかしら?」
「あっ、・・・えっと、頭みたいな部分はありました。で、でも、目とか口とか鼻とかは、なかった、ように見えました」
ルイが頷きながら、蓮華の言った事をブツブツと小声で復唱している
「なるほどね、バケモノには顔のパーツはなかった、か。湊斗君の言っていた事と重なるわね」




