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「じゃ、慎次郎君から順番に自己紹介をお願いね。簡単に言える範囲で良いので」
「え、俺からっすか? あー、木本慎次郎、親父がバイク専門店やってる、いや、やってたんでバイク好きな24歳っす」
蓮華の家に来た時に、バイクを相棒と呼んでいた程なのでバイク好きなのは理解っていたが、父親譲りのようだ
「次、俺、伊知地優、29歳、○○県で農場やってました」
「え、○○県?」
つい声に出してしまった蓮華
「そう、うちの農場の野菜を販売してくれる代理店との打ち合わせで東京に来たら、こんなことになり、帰れなくなってしまったんだよ」
「そ、それは大変・・・でした、よね」
「まあ、でも、この状態って東京だけじゃない感じだし、もしかしたら何処にいても同じだったかもね」
“東京だけじゃない”
優のその言葉が、その場にいた全員の心に重くのしかかる
日本のすべての都道府県、そして、もしかしたら世界中が・・・そう考えると恐ろしくなってくる




