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立ち上がろうとしてはフラつき、這いつくばりながら、なんとか半分壊れたコンビニまで行く
ほんの数メートルなのに遠い
そこまでの間にもたくさんの人の形があった
何も出来ない
見ないように通り過ぎる
コンビニの入り口のドアのガラスは割れ、周辺に散乱していた
レジのあたりは完全に潰されており、隙間から手や身体の一部が見えた
なんとか入れた店内も、二人ほど床に動かない人の形が転がっていた
蓮華は目を背ける
見たくない
なるべく自分の視界に入らないようにしながら、飲み物を探した
「あ、、、お、みず」
運良く飲料水のコーナーは無事だった
ミネラルウォーターのペットボトルを手に取り、口に流し込んだ




