表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウルトラヒロイン異世界へ往く  作者: 唐変木


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/8

06 凱旋

瑠理香は結局あの後、しゃがんだまま隣村の様子を観察していたのだが・・・

「ちっちゃすぎてわかんな~い・・・」

諦めてコオリヤ村に戻ることにした。

「そうそう、その前に。」

しゃがんだままで右手を伸ばして、村から少し離れた場所に人差し指を突き立てる。

ズズッ・・・

爪の分くらい指を地面に沈み込ませ、そのまま村を中心に円を描くように地面をなぞって行った。

「これで簡単に越えられないでしょ。」

瑠理香は、村から500mほど離れた場所に指1本で作った幅10m、深さ10mほどの巨大な溝を満足そうに見下ろしながらゆっくりと立ち上がった。


とりあえず2歩ほど歩いて森の入り口まで戻り、変身(巨大化)解除する。

振り返ると凄まじい破壊の後が広がっていた。

深さ30mはありそうな巨大な窪地の中では森の木々が完全にへし折れ、砕けて地面に貼りついている。

そしてその中に点在する赤い染み。たぶん人間だったものだろうが、人間だった証拠など染みの中に貼り付いたボロボロの布切れのようなものくらいだろう。

ただ踏んだだけでこんな状態にしてしまう。巨大化した時の体重の凄まじさを改めて感じてしまった。


(みんな、ビビったよねぇ・・・追い出されちゃうかな。)

そんなことを考えながら村に近づいていくと、かなりの人数が集まっていた。

さて、なんて説明すればいいのだろうか?

前の世界では実はウルトラヒロインだったんですけど、巨大化だけできちゃいましたぁ。

と、言ったところで、ウルトラヒロインの説明からするのは骨が折れそうだ。


「あの・・・ただいま。」

瑠理香が恐る恐る声をかけてみると、全員が一斉に跪く。

「えっ?あの・・・これって・・・」

「ルリカ様、村の危機を救っていただきありがとうございました。また、今までの失礼な言動、深くお詫びいたします。」

先頭で跪いていた長老が頭を下げたまま口上を述べる。

いや、様付けとかちょっと・・・

「あの、私、皆さんを怖がらせちゃったんじゃないかと・・・」

「なにをおっしゃいます。女神ルリカ様が救ってくださらなければ我々は今頃どうなっていたか。」

ふぇっ!?めがみ?いや、そんな立派なもんじゃないんですけど・・・

「あの、皆さん?顔を上げていただけますか?じゃないとなんか照れ臭いというか・・・」

瑠理香はその後、理解してもらえないことを承知で自分の正体を語り始めた。


逃げ出した女子供も戻って来た。これもまた到着するなり瑠理香の前に集まって跪いてしまった。

瑠理香の途方もない巨体は、避難先の村からも良く見えたらしい。

「なんか、めっちゃ恥ずかしいんですけど・・・」

「そうは仰っても、ねぇ、せっかく女神様が村に降臨なされたんだ。ありがたいことさね。」

おばちゃんたちの方がおっさんたちよりも気さくに接してくれたが、やはり女神扱いか。

瑠理香は結局男たちにした説明を女たちにもする羽目になった。



夜はお約束の宴が始まる。瑠理香が未成年だろうが知ったこっちゃないという感じで、ほぼすべての村人が瑠理香に酒や美味い物を勧めて来る。

これは、瑠理香の方も元々身体も大きいし食いしん坊だし酒も強いので(飲んでたんかい!)残らずありがたくいただいて、かなりご機嫌になった。

そんな感じで、宴はかなり遅くまで続いていった。


朝、瑠理香が目を覚ました時、ちょうど朝日が昇り始めるころだった。というか広場で寝てしまったようだ。周りを見ると、村の男たちが折り重なって倒れているのを見つけた。

なんだろう?と思ったが、その前におばちゃんたちが声をかけて来た。

「お、お目覚めかい?ルリカ様。いやぁ、夕べは凄かったねぇ!」

凄かった?いったいなにを・・・まさか、酔った勢いで巨大化?瑠理香の顔が一瞬青ざめる。

「あの、私、何かしたん・・・ですか?」

「したもなにも、あいつらあんなにしてなんにも覚えてないのかい?」

あんなに?う~ん、まさか・・・

「玩具にしちゃった。とか、ですか?」

「玩具?まあ、おもちゃには違いないかね。あんだけの人数に飲み勝負挑まれて全員返り討ちにしちまうんだから、やっぱ女神様は酒の強さも凄いんだねぇ。」

「え?お酒?あ、そ、そうなんですね。あはは・・・」

そう答えながら、瑠理香は自爆発言を何とか回避できてホッとしてしまった。

だって、前の世界みたいに巨大変身して男を性玩具にしたなんてバレたら村に居られなくなるし・・・


村の向こう、王都の方向から30騎ほどの騎馬隊が近づいて来るのに気がついたのはその時だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ