02 ここはどこ?
瑠理香が気づいたのは他には何もない原っぱのど真ん中だった。
他には何も見当たらず、遠くに林だか森だかが見えるだけのだだっ広い場所。
「ここ・・・どこ?」
首のあたりをさすりながらゆっくりとその場に起き上がり座ったままであたりを見渡してみるが、そよ風に乗って草の香りが漂ってくるだけで本当に何もない。
というよりも夜なので何も見えないと言った方がいいかもしれない。
街灯っぽいものも見当たらないのだ。
ひとつだけわかったことは、いつの間にか変身解除しているということくらいだろうか。
通っている高校の制服に、ご丁寧にローファーまで履いている。
まあ、変身したままの方が恥ずかしいからいいんだけど。
あの全身ピッタリ張り付くようなタイツみたいなコスチュームよりは全然ましだ。
機能的には優れているらしいが、これでも普段は普通の女子高生なのだからそんなことよりもファッションセンスの方が優先である。
こんなとこに居ても仕方ないしなぁ・・・
そう思ってゆっくりと立ち上がる。巨大化も解除しているような気がする。
遠くに見える森もその先にうっすらと見える山々も、人間サイズの時に見る景色に近い。
でも、わたし、なんでこんな場所にいるんだろう?
瑠理香は歩きながら記憶の整理を始めた。
ドラマを見ている時に怪獣が現れて、仕方なく出動してちゃっちゃと済ませたいから急いで飛んで行って、そしたら急に目の前にヘリが現れて、ヤバイと思って思いっきり避けてホッとしたら今度は目の前に怪獣の背中があって・・・そのまんまぶつかったんだ。でも、それから?
両手で頭を庇って突っ込んだけど、なんかグシャッて感触とどこかに思いっきりぶつかった感触がして・・・そのまま気絶しちゃったってこと?
でも、なんでこんな原っぱ?飛ばされたってことなのかな?
その時、スカートのポケットにスマホがあることに気が付いて慌てて取り出すが・・・圏外、しかも地図アプリも周りに何もない海のど真ん中を示しているし。
いや、何もないのは一緒なんだけど、GPSも使えなさそうだし、マジでここってどこなんだろう?
「仕方がない。。。」
瑠理香はそう呟くと、両腕を斜めに伸ばす。
一呼吸入れて、「変身っ!」掛け声とともに両腕を素早く上げ、肘を曲げて胸の前でクロスさせた。
こんな場所いつまでも歩き回っても仕方がない。身体もなんともなさそうなので変身して空から見た方が何かあっても探しやすいだろう。そう思ったのだ。
だが、「あれ?」変身した自覚はあるのだが、身体を見ると制服姿のままだ。
たぶん顔も素顔のままのような気がする。
あの銀色ベースのマスクは嫌なので、変身の時は髪の色を変え、派手目のメイクになるように調整はしているのだが、たぶん元のまま。
「う~ん・・・どういうことだろう。」
何気なく歩き出そうとして何かに気が付いた。なんだか地面がさっきより柔らかい気がする。遠くに見える山もあまり遠くにあるような気がしない。
訳も分からないまま少し歩き回ろうとしたのだが、何もなさそうなので一応変身解除してもう一度周りを見渡すと、何やら向こうに灯りのようなものが集まっている場所があることに気が付いた。
「ひょっとして誰かいるかも?」
とにかく人がいればここがどこかくらいはわかるはず。そう思って瑠理香は灯りの方に向かって駆け出して、目の前に巨大な窪地があることにも気づかずに真っ逆さまに転落してまたもや気絶してしまった。




