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詩の考察と漢字

 もう寝ようと用意してたら、ヤマネが俺に聞きたいことがあると言って来た。


「今から詩を読むから、考察して教えて」


 俺は残念ながら詩を味わえる感性は持っていない。


 歌詞みたいにストレートなのならいいけど。


 時に何かの秘密の暗号かよ?って思う。比喩的だったり、どこか抽象的な、どうとればいいのか曖昧な言葉だったりすると。


 だがしかし、俺にも深い考察は出来ずとも表面的な情景把握くらいは出来るだろう‥‥



 その詩のタイトルは『春夜』というらしい。俺は初めて聞く。


 ヤマネが朗読を始めた。



『アサリ』とか、『しじみ』とかのワードが出て来て、どうやら海が舞台らしいが、いきなり『おおかみ』というワードが出て来た。



「待てよ? 今、おおかみって言った? おおかみってウルフの狼のこと? 何で急に狼?」


「そうだよ? 狼だっては。いいからー、黙って最後まで聞いてよ!」


「だって、急におおかみってさぁ‥‥‥?」


 最後の方でまた『白き狼』というワードが。



 春の海の夜の景色の詩のようだった。最後に、狼が列をなしてさざ波? 渚で潮干狩りしてる人を狼に例えてるとか? 狩るから狼?


 

「なにそれ? よくわかんないなぁ。もしかして潮干狩りの詩じゃね? 足が見えないらしいし腰まで海に入って熊手で貝とってるとか? 貝も悲しげなんだろ? うーん、やっぱわかんない! 文字で見せろよ」



 なんだか謎! かごめかごめの謎歌のような感覚。


 徳川埋蔵金ならぬ、むかーしの、お宝積んだ沈没船の位置暗示してたりして (*´Д`)


 貝は宝って意味もあるし。


 ムリ。一度聞いただけじゃさっぱりだ。( ・◇・)?



『自分が見る分は自分で検索してよ。これはうちのノートなんだから』と、人に頼んで来たくせに厳しいことを言うヤマネ。


 仕方なく自分のスマホで検索すると、それは明治から昭和初期頃の詩人の、萩原朔太郎氏の『春夜』という詩だった。もう、かなり前の作品だから著作権切れてるらしい。ネットに載ってる。


 早速黙読する。あん? ヤマネが朗読したのとなんか違う。


 ───ん? 狼なんて、どこにも出てこないよね ?!(・◇・;) ?



 ヤマネが俺に問う。


「ねー、でさー、『狼のまにまに』って何のことだと思う?」 


「待てよ‥‥狼なんてどこにも出てこないじゃん」


「え? おおかみって出てるじゃん」


「‥‥‥おい、この文字はおおかみじゃないぞ! おおかみは獣偏だぞ」


 そう、ヤマネは『浪』と『狼』を読み間違えている。


 

 もう、詩を味わう以前の問題じゃねーか! (゜ω゜;)



 自分で『春夜』を落ち着いて読んでみたら───



 春夜の海の中で流れに揺られるミジンコな命の胎動と、一方では生命の終わりを迎え入れる渚のさざ波ってことかな?(俺の表面的な解釈ですが)


 何にしろ、潮干狩りなんて全く無関係の、とても繊細なポエムだってことは確かだった。 お恥ずかしい (^ー^;A


 そして俺に、詩はヤバい難しい‥‥‥


 そして、漢字の読めない人にはそもそも理解不能。


 


〈6月20日 火曜日〉晴れ


 もー、ここんとこカラスが活躍してるからムクドリさんすっかりいつもの屋根にこなくなった。声は聞こえることあるから、その辺にはいるんだろうけど。


 悲しい _¢(・ω・`)



 カラスさん、俺んち辺と、どっか西ポイントと東のポイント3ヶ所でカーカー合図し合ってる。三角で結界張って獲物狙ってる? 


 

 ついでに俺んちの車の屋根にカラスのフンがべちゃっと落ちてんだけど ( ´ー`)


 でも、サンルーフんとこでガラスんとこだったから不幸中の幸い。放っておこうっと。雨降んないかな。



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