未完成好きの女
恋愛系です。
ブロロロロ。僕らは車に乗っている。
誘ったのは彼女だ。青井さん。僕の好きな人。
でも、まだ付き合っていない。もしかしたら、両想い?っていう気はするが、確信が持てるまではアタックできないのが僕の性格だ。
「見えてきたね~」
僕らを待っていたのはお花畑だった。
「え、咲いてないじゃん」
「え、それがいいんじゃん」
僕らを待っていたお花畑。全然満開じゃなかった。残念!
「なんで咲きかけの蕾がいいのさ」
僕が不満げに言うと。
「私、咲きかけ好きなんだよね~」
彼女はしみじみと言う。
仕方がないのでそこにあったベンチでぼーっと眺めることにした。
「バナナいる?」
しばらくして彼女は言った。
「うん」
ガサゴソとバッグをあさる音。
「はい」
やっぱり彼女は青いものを渡してきた。
「なんで青いの?」
「未熟だからじゃない?」
「いや、そうじゃなくて、なんで未完成なものを渡すの?」
「……」
彼女は少し考えた後、
「うーん、私が未完成なものが好きだからかな。楽しい未来があるって感じがして」
「そうなんだ」
そんな人もいるんだなぁ。
そして、ふと気づいた。
未完成(未熟)が好きって事はもしかして、僕のことも好きなんじゃないか。
僕も青いバナナや咲きかけの蕾みたいでまだまだ若い。
そして足りないところがいっぱいある。
よし、決めた。僕は彼女、青井さんに告白する! って、ドワ~!
彼女は僕の方を向いて目を閉じていた。
これはもしや、僕からキスしろということなんじゃないか。ドワ~!
僕は顔を寄せる。ぐんぐん寄せる。彼女は目を開いた。
「好き」
僕が唇を寄せている途中でそう言ったのだった。
両想いが確定したのです。
「じゃあ…」
「じゃあ?」
「僕と付き合う?」
「お断りします」
彼女はさらっと言った。理解が追いつかなかった。好きって言ったのに、何故?
「私、恋にも未完成を求めてるんだ」
「ええええええええええ」
まじかよ~。
どこまでも未完成好きの女の子でした。




