表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の居場所になるために  作者: はるそ
1/2

俺は誰だ?

「君はいらない子なんだ。いいかい?君は不幸を呼び寄せる。そんな人がどうして生きていいと思うのかね?君なら分かってくれるね?

だから、死のうね。

君を愛せるのは僕だけだよ。」


あぁ。これが俺の人生の終わりか。

むなしくなるのかと思っていたが、何も感じない。言えば、虚無だ。

今までの努力が無駄だったのかと考えてしまう程、あっけない。

死というものに恐れを感じていた俺がバカみたいだ。


そう考えながら、俺、月守 圭の人生が幕を閉じた。


それが俺の最後の記憶、、、のはずなのだが。

なぜ俺は手を握ったりすることができる?いや、手があるということが感じられる?

分からない。それがとても恐ろしい。

そもそも天国や地獄というものを信じてはいないが、今の状況がその信憑性を高めていく。

それにしても、触覚はあるが、全く前が見えない。目が機能していない。

死後の世界はこういう作りなのだろうか?

しかし、不思議なことにどこかに寝そべっている感覚がある。

私はどこにいる?今、どういう状況なんだ?理解しようとしても一向に目は開かないし、目という感覚が掴めない。

触角があるのならば、手で体がどういう状況か探ろうと思った。

手を曲げてみると何かに衝突しそれが俺の体の一部であることがわかる。そして、脂肪がたくさんついていることに気づいた。


なぜだ?死んだときの俺の体は枯れ木のような状態のはずだ。


しかし、前と明らかに違うのは股のところにあったものがなくなっている。俺の体に何が起こっている?

医学書はすべて読んだが、こんな症状は読んだことがない。つまり、これは俺の体ではない?

いや、俺の体を触っている、触られているとは感じるのだ。


まさか、これは、転生か?

いや、そんなファンタジーの世界のようなことが起きるはずもない。


「嘘だ!そんなことはあり得ない!うちの娘に限って。」


なんだ?罵声が聞こえる。誰かいるのか。


「なぜなの!これでは、娘はいつか、人を襲ってしまうの?」


ヒステリックな女のようだ。状況はよくわからないが、声を上げた女の娘が占いにより人を襲うと予言されたようだ。まぁ、占いなぞ信じる方がおかしいがな。


「仕方がない。国の決まりだからな。彼女をソリタリオの塔に入れるしかない。」


そう言って、俺は誰かに持ち上げられた。

ちょっと待て。今の話の流れで俺が持ち上げられた?

まさか、その娘が俺!?

言葉が使えない、ムチムチしている、目が開かない、まるで幼児のようだ。それにあれがなくなっている。つまり、俺は人を襲う娘に生まれ変わったのか!

頭が混乱しているが、とりあえずそうだと仮定してなぜ、俺が将来人を襲うと言い切れる?

この、両親は俺は好きになれないな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ